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【#03 起立 気をつけ 今から本屋を始めます】初めて真剣に「営業利益」を計算した。

2024.5.30(木)

 給食は「キーマカレーとナン」。給食に出るナンは、これまた独特。とても美味しいのだが、「ナンの形をしたパン」と言った方が正しい気がする。ちょっと前までは「ナンて日だ!」とか言っちゃう小学生が必ず居た気がしたけれど、最近は誰も言わない。だから、おじさんも言わないようにしている。本当は、めちゃくちゃ言いたい。眉間にシワを寄せながらナンを頬張るおじさんが、自分の中の小峠英二を抑え込むのに必死になっているだなんて、令和の小学生は思いもしないだろう。
 「『本を読む本』(M.J.アドラー C.V.ドーレン)を買ったよ。」と伝えると、妻がぎょっとした。今月の頭に、金沢の21世紀美術館で買ったばかりだったらしい。「好み、かぶるんだから、相談してよ!」と怒られてしまった。仕事でも、うまくいかないことがあって、なんだか心がモヤモヤの曇り空。おいコラ、こんな日は、どんな日だ。どんな日なんだよ。おじさんは絶対に言わないけどな。

2024.5.31(金)

 どうしても憂鬱な気分の金曜日だった。むしゃくしゃしたので子どもを寝かしつけたあとに読書も仕事も準備も何もかもほっぽり出して4時間もスマブラの中で殴る蹴るを繰り返した。後悔はしている。なんて日だ。

2024.6.1(土)

 「本を読めないゾーン」に入っている。表紙を触ってみるが、開く気が起きない。月曜日の授業参観の準備が終わっていないストレスが原因なのは間違いない。仕事が忙しくなるとすぐこうなるのはいつものこと。

2024.6.2(日)

 広島や瀬戸のブックイベントがタイムラインを賑わしている中、私は創業塾へお勉強に。今日のテーマは「数字・お金」。長くて辛い一日だった。
 言われた通りにやって、初めて真剣に「営業利益」を計算した。売上高から売上原価を引いたものが売上総利益らしいので、そこから販管費を引いた。BUTAKOYABOOKSのひと月の想定営業利益はなんと!!
 ……「ひと月のこづかい程度」という結果に終わった。これは事件だ。
 計算間違いかと思い何度も計算し直すも結果は同じ。おそらく私の想定の仕方がまずいのだが、しっかし本の利益の低さたるや。世の中の本屋さんはどうやって暮らしているんだと改めて本屋の凄さを実感した。本屋が本だけを売って生計を立てられないってのは、くやしい話だ。本を売りたくて本屋になるのだが、もっと、本を売ること以外を真剣に考えなくてはいけない。

2024.6.3(月)

 俳句を扱った授業参観が無事終了。『BRUTUS』『編む』(後藤麻衣子)『たろんぺというかたち』(こたまごま)を活用して、古典以外の俳句も紹介しつつ、『ちびまるこちゃんの俳句教室』を中心に授業を進めた。子供たちには偉そうに「ぜひ今日の授業参観の感想をおうちに帰って五七五で伝えておくれ」なんて調子のいいことを言ったが、今日の授業参観の感想を五七五でここに書き上げる体力は私には残っていないくらいには疲れた。

2024.6.4(火)

 授業参観が終わり、真っ白に燃え尽きた燃えカスとして過ごした一日だった。本を読む気力も回復し、『本の読める場所を求めて』(阿久津隆)を半分くらいまで読み進めることができた。カクカクブックスさんで注文した『しぶとい十人の本屋』(辻山良雄)も届いていた。読むしかない。

2024.6.5(水)

 結局わたしはどんな本を店に並べたいのだろう?と、夜中に突然悩み始める。本屋としては素人のわたしができることは、やっぱり教育現場の経験を生かすことだよなあと思いつつも、それが本当にやりたいことなのかなあと、ああでもないこうでもないと妻を相手にぐだぐだ悩む。楽しい悩みではある。

つづく


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