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読書メモ:私の生活流儀

前のエントリに続いて本多静六さんの書籍です。感想は前のエントリとほとんど同じです。投資が成功し、大金持ちになり、地位もあり書籍も多数刊行していた著者。贅沢もできたはずだけど「流儀」をストイックに守りブレずに隠居、でも世間が放っておかずに80歳も半ばで執筆や講演に活躍していたというスーパーマンの金言です。

思うに、財産告白で述べられた氏の貯蓄や投資の方法は、時代や市場によってはそのまま使えないでしょう。埼玉の森林をズバッとここからここまで買う、なんてことは今はできないでしょう、多分。もちろん山に投資する、というのは森林の資源への投資だったり、はたまた電信柱の電柱敷地料で儲けるみたいなやり方もあるとは聞くが、ただ本多氏がやっていたから真似しよう、で儲かるものではありません。でも「4分の1天引き貯金法」のような考え方は、そのまま真似できなくてもやり方をアレンジすることができる。投資法の本だったら残らなかっただろうが、流儀だから残ったといえるのではないでしょうか。そう考えると本書も全く同じことがいえると思います。

痛快なのが、ウインドウショッピングでいいなと思った商品があったら、それを「買って、その商品をお店に預けた」ことにする、というエピソードというか考え方だ。もちろん、本当に買うわけではなく脳内で買い物をし、脳内で自分のものにするということだ。後日同じ店を通って自分が買った商品を見て、いい買い物をしたとまた脳内シミュレーションをする。所有欲が満たされ、金は減らない。最高だ!というわけである。長者番付に乗るようなお金持ちがこれをやるんだからたまりませんね。もちろん本当に必要だと思ったら買えばいいわけで、衝動によっていらないものを買ってしまうのを戒めるための知恵なのである。これもこのシリーズが今に残った理由の一つだと思うのだけど、このような方法一つ一つに結構ベタなネーミングをつけている点だ。

健康長寿についても、体を動かすこと、頭を動かすこと、食べること、寝ること、全てかくかくの理由でこうしておるのじゃと力強く述べられており、信じるだけで長生きしそうだ。
ひとつだけこれはいかがなものかというネーミングがある。長生きの秘訣ということで何度も出てくる料理。作り方を見る限りひと言でいうと野菜の浅漬け、あるいは山形のだしみたいなものかと思われるが、この名称が「ホルモン漬け」なのである。これは「浅漬け」で残っているからいいか。

利用サービス:audible
カバー画像:ホルモン

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