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チルってる暇は無い。ブックオフ宮の沢店セール

ブックオフ1店舗で購入する金額の合計は500円以下が多い。CDは基本その場でYouTubeを使って出来る限り視聴して納得しなければ買わない。迷ったら基本買わない。を実践していると購入に至るまでがかなりシビアになる。DVDやBlu-rayはGEOやTSUTAYAのレンタル落ち、及びホーマック等のDIYショップのワゴンに辿り着いたTSUTAYAレンタル落ちの流れ者から購入するのが私の基本ルールなので、そもそもブックオフでDVDを買う機会は少ない。本に関しては海外作家の文庫小説が主なターゲットだが10回に1回くらいの頻度でしか希望品に出会えない。ブックオフにおける海外作家の小説は過剰にダブついた同一品が何処の店舗でも溢れかえっているという共通点があって、希望のモノに出会える事が殆ど無い。国内ハードカバー小説では川上未映子、中原昌也、菊地成孔、吉村萬壱などの心底惚れ込んでいる作家以外は基本買わない。国内作家の文庫も最近は殆ど注視していない。積読冊数がえげつないのでよっぽどではないと買わない。分かりきってる。だって絶対積むもん。漫画はさっくり読めちゃうから手に入った順から読み進めてしまうし。小説に手が伸びにくくなって来た、ここ数年。

ブックオフでの購入ハードルが激高になっている。それなのに今日は久々にリュックを背負うのが酷な程に買い込んでしまった。古書とバンドに踊らされ続ける男の棚から棚への冒険の記録。旅は道連れ。お付き合い下さい。

三連休。どこに行くか。多くは語らないっすよ。自明の理っしょ。本当なら昨晩行く予定だったのだけれど車を出してくれた相棒に予定があったので断念。ドニチカでどるどる乗りつけて、ちょろっと歩けばたどり着く。ブックオフ宮の沢店。CD500円以下半額セールの真っ只中。駐車場はびっしり。宮の沢店はCDの回転率が悪めでUSインディーの掘り出し物も少ない印象だったので期待値は低め。(トータスの1stを290円で買った事も有ったけど、恐らくそれが最大の収穫で暫く良いモノに出会えてない)

店内はパッと見では混雑していそうで家族連れが多いかな。500円邦楽からじっくり棚を舐めていく。いきなり浅井健一インターチェンジキルズの初期シングルを発見。アルバムなら迷わず買ってたなー。と思いつつリリース。幸先良いスタートにホッとしつつ、期待で心拍数が早まる。落ち着かなくていい。今回はたぎったままで行こう。

イルリメ www.illreme.com

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ヒップホップなのか?アジテーションなロックなのか?みたいな括りは必要ねーっす。ジャンルなんか分かんねーけど熱い男の歌っす。この盤も嬉しいけど、鴉インザハウスが早く聴いてみたい。

塩入冬湖 落ちない ep

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finlandsという冬の情景が似合う若手注目株バンドのフロントマンのソロ作。気になっていたバンドという事もあり購入。アンプラグドな雰囲気。フォークトロニカなBGにふわっとしつつも若干の毒気のある女性ボーカルが絡むサウンド。あと全然関係ないけど俺のばあちゃんもおんなじ名前で冬子。冬に生まれたから冬子らしいんだけど、現代の下手にこねくりまわしたような名付けより過酷な環境でも産まれてきてくれてありがとう的な生命に対する憧憬が含まれてる昔ながらの名前の方がカッケーと個人的には思う。冬の湖って当て字もお洒落でいいと思うけどね。

PUPA floating pupa 

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高橋幸宏を筆頭に優れたプレイヤーで脇を固めた職人芸ポップスバンドの1st。働いていた地元のレストランバーのコレクションで内容の素晴らしさは知っていたが中古市場では初めて見かけたので購入。原田知世がボーカルで歌っている事もあり、間違いないです。水準の高いポップス。

Lady Flash 恋するビルマーレイ

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はい、もう可愛いイラストのジャケとアルバムタイトルが最高。帯には「BornRuffiansになりたい。」おーけー、俺も好きなバンド、最高じゃん。試聴してみれば耳に飛び込んでくる瑞々しさ。ロスキャンペシーノスや短命だったが独自のブランディングが最高だったウーライフの様なバンド演奏の喜びと切実な熱がビッシリ詰まった楽曲達。イヤホンから聴こえてくる新鮮な演奏にマジで鳥肌。やっとこの店舗で本当に望むものを買えた気がした。センスがいいバンドっす。

Fucked Up David comes to life

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気になっていたが入手まで10年もかかってしまった…。2002年結成、カナダのハードコアパンクバンドって肩書きは少し窮屈かな。確かにボーカルはハーコーだがバンドのアンサンブルとしてはめちゃくちゃ多彩な演奏を響かせている。アジテーションのようなあっちーボーカルとクールに淡々と熱を帯びていくバンド演奏がたまらない。18曲77分ってのもバケモノ感が溢れてるね。個人的イチオシのスウェーデンのバンド・バイアグラボーイズと同じような危険な匂いがする。

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アートワークの細かさも抜かりない。

Medications Your Favorite People All in One Place

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ハードコアな雰囲気のバンドが続きます。フガジのディスコードレコードからリリースの1stアルバム。パンクというよりそこまで複雑ではないマスロックな雰囲気のメディケイションズ。ややこしい展開に、タイトなキメとタメ、それに加えて歌いあげる系のボーカルが絡んで結構カオスな音像。サニーデイリアルエステイト・ミュートマス好きとかに刺さりそう。

Tadhg Cooke Wax & Seal

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アイルランド出身のタイグクックのデビュー作。世界は広い。こんな素敵なシンガーソングライターがいるなんて全然知らなかった。ポールサイモン・ジェシーハリス・ニュートンフォークナー好きなら間違いなく恋します。本当にブックオフは勉強になる。ネット検索やYouTubeのオススメでは辿り着けない所に連れて行ってくれる。寂しげなトーンのトランペットに胸を焦がす。耳がキュンキュンする。

John Cale 舞踏曲 Nico

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鋭い方ならタイトルでお分かりかと。ヴェルヴェットアンダーグラウンドのジョンケイルが同じくヴェルヴェッツの最初期のメンバーだったモデル・ニコをモチーフにした舞踏曲。なんと国内盤で解説付き。不穏なストリングスのイントロから幕を開け、原始的な響きの打楽器やぺきょっとしたエレキギターが絡んでくるアブストラクトでコンテンポラリーな楽曲集。バンドネオンあり、シタールありとユニークなサウンド。

The Revivalists Men Amongst Mountains

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めっちゃソウル!熱い!2015年リリース、ニューオリンズ8人組ロックバンドの3作目。アートワークからてっきりギター主体のインディーサウンドかと思いきや、良い意味でスカされた。高らかに鳴るホーンとソウルフルなボーカル。ハミングに合わせてなぞるように奏でられるエレキギター。2曲目に収録されているシングルは当時の全米シングルチャート首位。若干クリスチャンロックとサザンロックのあいのこの様な印象を受けた。

爆弾ジョニー はじめての爆弾ジョニー

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メジャー進出も果たしている札幌出身のロックバンドのデビュー作。いやーこれも入手まで長い事かかった。ジャキジャキしたリズムギターと泣きのギターが絡んで、つんのめって迫ってくる。同世代同郷のドロップスもそうだけどエレカシみたいな日本語ロックのブルージーな感じを自分達なりに解釈して新しい音楽を生み出していて気持ちがいいね。ロックかっけー。ロックは若者の味方。CDが包んであったビニールが折り畳まれて歌詞カードのところから出てきた。なんか愛を感じるよね。前の所有者は手離しちゃったけど、今夜からは俺のとこで面倒見ます。

いやはやここまでで十分濃過ぎるCD10枚。ここでは勿論終わらず書籍棚へと移動。

朝日出版社 まだまだ知らない夢の本屋ガイド

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2016年初版、日本全国のおもしろい本屋22軒を現役書店員22名が文章で案内。東京が多めだが三重兵庫沖縄愛知大阪千葉徳島熊本新潟と津々浦々。オレンジと水色に弱いんだよなー。装丁が購入の決め手に。

町田康 スピンクの笑顔

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2017年初版、装丁見るだけでちょっとうるうるしちゃう。文芸小冊子「本」での連載を欠かさず読んでいて結末を知っているだけに胸が苦しい。町田さんが飼っている愛犬についてのエッセイなのだが犬目線で描かれていて、ひょうきんでオフビートな文体が心地良く、都市間バスに揺られている間によく読んでいた。間違いなく毎回良い旅になった。

沖田×華 不浄を払うひと

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2019初版。早すぎる100円値下がり。孤独死、特殊清掃の仕事。「プロフェッショナル 孤独死 27才の遺品整理人」を見てから気になっていた孤独死関係の仕事。沖田さんは信頼できる書き手なので迷わず購入。彼女も青色が好きらしく髪色が鮮やかな青色の時期がかつてあった。

S.G.ブラウン ぼくのゾンビ・ライフ

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2011年初版。装丁と帯に惹かれて購入。一人称ゾンビ文学。良いじゃない。ゆったりリラックスになりそう。最近してなかったジャケ買いってやつっす。

長尾謙一郎 おしゃれ手帖 第6巻

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2003年初版。ハイパーナンセンスギャグ漫画。あと4巻で全て揃う。どうやったらこんなん考えつくんだ?って内容の漫画ばかり書く天才。特にクリームソーダシティは寒気がするほど素晴らしい。政治家を殺した、気付けば楽園に居た…?

冬川智子 マスタード・チョコレート

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2012年初版。これも装丁とシンプルな絵柄に惹かれて。「人付き合いの苦手な人間が、手探りで外界と接していく。その期待感と不安感をバーチャル体験できる。」文化庁メディア芸術祭審査評より。これだけで間違いないね。好みの題材だ。

星野泰視 デラシネマ

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2011年初版。浦沢直樹のアシスタント出身。学生時代に麻雀にハマっていて作者の「哲也-雀聖と呼ばれた男」を穴が開くほど読んでいました。今作はなんと昭和28年の日本映画業界が舞台。映画製作のリアルに迫る漫画の様なので読むのが楽しみです。全8巻も丁度いい長さ。

冨樫義博 ハンターハンター

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10〜14巻。今24巻のアリ篇を読んでいます。不足分の巻を見つけたので購入。マジでハンターハンター、喧嘩稼業、ヒストリエ、バカボンドはきちんと完結してくれ。後世に残すべき傑作漫画なのに、休載気味で未完の可能性が見える現状は生殺しが過ぎる。

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以上が今回の購入品の全て。いやもうヘトヘト。久々にリュックぱんぱんでやんす。しかも今回はブックオフ1店舗での購入金額過去最高額なんじゃないか?って程で友人のおつかい含めて30点、合計4530円。かけがえのない出会いになるかもしれないブックオフでの買い物に糸目なんてつける気は無いんです。これまでもこれからも。



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