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【杜のラボ】オンラインで使える話の聴き方・進め方講座①

こんにちは。4月21日(木)12:16です。来週の27日(水)、20時からTwitterスペースで、「オンラインで使える話の聴き方・進め方」に関する講座(ってほどのものかわかりませんが)①を開きます。このnoteは、その講座でお話しする内容をまとめています。もしかすると、これを読めば講座には参加しなくてもいいかもしれません(笑) 最後までおつき合いくださいね。

なお、本稿は「有料」設定してありますが、本文は全部読めるようにしてあります。今後の資料代等に充当いたしますので、ご支援をいただける方は、購入手続きをなさってください。よろしくお願い申し上げます。

この資料では、

①clubhouseで1年間、約100回の読書会等のルームを開いて得た経験と、
②コールセンター勤務時に習得した知識と技術、
③初級産業カウンセラー養成講座で学んだ知見、

等を披瀝する予定でいます。何か一つでも汲み取っていただけますと幸いです。

また、TwitterのDMないしリプライでご質問・ご要望をお寄せいただけましたら、当日「質疑」のコーナーを設けるなどしてお応えしてまいりますので、どうぞコメントなさってください。

それでは目次です。おおよそ以下の5点に沿って記述を進めてまいります。

1)立案した経緯

今回この企画を立案した経緯について書こうと思います。ぼくはネットを介しての会話ツール(SkypeやZoomなど)を使い始めて、すでに10年以上になります。使い道も、オンラインでの「当事者会(※)」や「読書会」等、一対一だけでなく、複数の方を相手にした通話でも利用してきました。

また、このコロナ禍にあって、リモートワークが急速に普及し、Zoomやclubhouseといったツールも考えられないくらいに一般化したと思います。とは言え、リモート化が返ってストレス源となっているケースもあると聞き及んでいます。

ぼくはこの流れは、不可逆的なものと考えています。ですが、それを生き残るためには適応しなければいけないというように、ストレスフルに考える必要もないのではと思うのです。むしろ、既存の人間関係やコミュニケーションのあり方を再考し、ブラッシュアップするチャンスと捉えたいと思います。オンラインでの読書会等を通じて、人間関係の質を高めることは、やがてこの社会全体、文化全体の変化や向上につながるものと信じ、かつ願って、さまざまな試みを重ねていこうと考えています。その一環として、オンラインでの「対話」を促す聴き方・話し方について、お話ししてみたいと考えるに至った次第です。

※「当事者」とは、概ねその病気を罹患している本人のこととお考えください。ここでの「当事者会」とは、そうした本人同士でコミュニケーションを取り合い、互いのケアやサポートをし合うことを目的とした会ということになります。

2)「話す」ことよりも「聴く」こと

ここから、実質的な内容に入っていきます。この項では、話し方や内容について論ずるよりも、むしろ「聴く」ことを重視するべきだろうというお話しをいたします。ぼくの考えでは、「聴く」は相手の発話を促す、重要で創造的な行為だからです。そのことを、経済史家の内田義彦さん(故人)の『読書と社会科学』(岩波新書)からの引用を交えて書いてみようと思います。

会が楽しく育ってゆくかどうか、その鍵は、参加者の一人一人がどの程度聴き上手かどうかにある、と私は考えます。もちろん話し上手になることも大事です。が、一番の鍵は上手に「聴くこと」にある。

ここで思い出したいのが、ミヒャエル・エンデ『モモ』(岩波少年文庫)です。『モモ』では、「時間泥棒」たちとの戦いが後半に描かれており、生命力を萎縮させることなく、いきいきと生活することの大切さを謳っています。しかしここでは、前半に語られることを想起していただきたいと思います。つまり、

小さなモモにできたこと、それはほかでもありません、あいての話を聞くことでした(略)ほんとうに聞くことのできる人は、めったにいないものです。そしてこのてんでモモは、それこそほかにはれいのないすばらしい才能をもっていたのです。

というわけです。もう少し見ていきましょう。

ある日、隣人同士であったニコラとニノが、周囲に勧められてモモのもとを訪れます。二人は「殺しあいになりかねないほどの大げんかをして、それからというもの、口をきこうともしない仲になっていました」。

この二人は、モモの前で互いの言い分をがなり合っているのですが、話が進んでいくと、やがて「ふたりは同時に声をあげて笑いはじめました」。二人の諍いは解消したのです。

注意していただきたいのは、モモはこの二人に何か助言をしていたのではないということです。モモがしていたのは、ただ聞いていた「だけ」なのです。しかしモモは、いわゆる「特殊能力」を持った異能の少女だったわけではないと思います。そこが重要だろうとも思います。それが「聞く」ということでした。誰もが、モモのように「聞く」あるいは「聴く」ことは、可能なのです。

さて、内田さんの文にも触れてみましょう。

もちろん話し上手になることも重要だけれども、皆が下手に「話し上手」になって、話し下手の人の口ごもりながらの発言を圧倒するようなことこそ、避けるべき第一のことだ。そうではなくて、報告をし発言した人が、私の下手な話をよくもここまで聴きとって下さったというふうになれば、そのような聴き上手に皆がなり、聴き上手を得て皆の考えがそれぞれに伸びてゆくことこそが要だと。

こうした「聴き方」は、どうすればできるのでしょうか。「心がけ」だけでいいのかどうか。何か「技術」や「ノウハウ」として取り出して、共有することはできないものか。そう考えます。その答えのいくつかは、自分の来歴の内にありました。それが、①コールセンター勤務で学んだことであり、②カウンセリングの勉強をしていたこと、でした。次の 3)以降で、お話しを続けましょう。しかし、ここまでで2800文字を超えましたので、一旦公開として、次以降については、別途稿を改めての公開としたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。次稿からは、

3)「聴く」ポイント~相槌を打つ
4)「話す」ポイント~いい男・いい女を演じてみよう
5)もっと学びたい方へ

について扱う予定でいます。

        *       *       *

第一稿としては、以上とさせていただきます。第二稿以降もよろしくお願いいたします。なお、先述の通り、本文はここまでですが、お買い上げいただける設定にしてありますので、お気に召していただいた場合にはご購入の手続きをお願い申し上げます。今後の励みとさせていただきます。最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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