「速読」は可能か?:宇都出雅巳氏の『どんな本でも大量に読める「速読」の本』 (だいわ文庫)を巡って(無料マガジン)

おはようございます。

今朝は、「速読本」について書いてみようと思います。

「日本人の活字離れ」ということがよく言われます。しかし、実際に(大型)書店に出かけると、お客さんはたくさんいますし、それ、ホントなのかなと思うことがしばしばあります。

特に感じているのは、読書術・読書論のような書物がたくさん出ていること、とりわけ「速読本」へのニーズが高い印象を受けていることです。これは、早く読むことによって、結果としてたくさんの本を読みたいというニーズなのだと思っています。

そんな中、また例によって「読書メーター」さんなのですが、信頼を置いているユーザーさんがこの本を紹介していました。私も、Kindle版を入手して読んでいます。

従前の「速読術」であれば、文章を「文字」として認識せずに、1枚の「絵」のように見る、眼球運動を速くするといった内容のものが多いのですが、この本は、そうした本とは一線を画しています。

どういうことか。

誰でもそうだと思うのですが、ご自身の得意なジャンル・好きなジャンルについてなら、かなりの早さで本を読んでいるはずなのです。これは、読んでいる内容についての周辺的な知識、つまり「ストック」が豊富だから可能なわけです。

しかし、それができない分野の本というのは、そうした「ストック」の量が絶対的に足りていない。だから、早く読むことができないというわけです。

では、どうしたらいいのでしょう。勘のいい方はお分かりになるかと思いますが、その「ストック」を増やすということなのです。つまり、本を早く読むには、本をたくさん読むということだと著者は言います。

その一方で、「早く」読めない本についての対策も述べられています。それは、「内容がわからずとも」「高速で」「何度も繰り返して読む」ということだそうです。

私はまだそれを「試み」レベルでしか実践していないのですが、この本を読む前と後では、倍くらいの違いが出るようになりました。それでもまだ、「もっと早く、たくさん読みたい」という欲求はやみません。

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