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2021.11.24(水)



運営しているフリースペースに今日はちらほらといつもより多く来訪者があり、なんだか良いペースで1日が終了した。
小さな集落なので、直接的な接点が無いにしても大体の人は顔を見かけたことがあるような感じだと思っていたが今日来てくれた方はみんな初めて見る顔で一人は私たちと同じように移住者だった。
と言っても移住してきたのは26年前だそうで大阪から来たとのこと。26年前なんてちょうど私がこの世に誕生したときなわけで。

今週は週明けからさらに寒さが厳しくなり、身に沁みる。
雪が降るんじゃないかと心配になるような冷え込みと空模様だ。

夜こたつに潜り込み、序盤で読むのが中断されていた湊かなえ「豆の上で眠る」を久々に手に取る。いまこれを打ち込むとき「豆の上でナムル」と打ち間違えたことで一人でふふふとなりそしてにやついた。
そして久々に手に取ったそれは面白くて眠気7割くらいのだいぶ瞼が落ち込もうとしているというのにぐんぐんと私の目は文字を追う。なんだこの一気に展開する感じは。そして本来不気味であるはずの万佑子ではなく、結衣子とその母に薄気味悪さを感じ、常に影を刺すような顔に霧がかかっているような不鮮明さが私を物語にのめり込ませる。

は?とえ?の中間のような間抜けな声しか出てこなかった。聞いたばかりの物語の感想を頭の中でもう一度繰り返し、姉の顔を見上げた。こちらに向けられた笑顔を気持ち悪いと感じた。傷痕のせいで泣いているように見えるのが、万佑子ちゃんの笑顔だったはずなのに。
ーーー誰なの?
本人を目の前にして、直接訊ねた。
(新潮文庫 湊かなえ「豆の上で眠る」p284)

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