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言葉を考える1ヶ月〜2023年7月を振り返る〜

久しぶりの更新となったBOOK CLUB。
再開から1ヶ月経つということで最新回たちを紹介します。
その前に…。


続けることにした理由

今後は、私、ミウラひとりで一旦継続する予定である。
なんだかんだで、このPodcastのためにマイクを購入し、本を読んで、紹介するルーティンができていた。
一応、細々と続けていたことで、聞いてくださっている方もいるし、再開したいと思っていたのは、私だ。

2020年に鳥取に移住して以来、鳥取でも職場以外で人と繋がる最初のきっかけになったのが、読書会で、オンラインの読書会にも参加するようになっていた。
おそらく、そのことが2020年までの読書体験と、それ以降の読書体験を大きく変えた部分だと思う。
人と本の話をするのは面白い。
おそらく、一人暮らしをする前までは、家族と話していたりして、それで満足していた。(今でも実家に帰るときに、貸す本を持っていくことがある。奇妙な家族で、我が家には積読の呪いがかかっている。)
加えて、本を読むことは孤独な営みで、他者が入ってくる余地はないと思っていた。
ただ、このPodcastを通して、決してそうではないと改めて思わされた。
読んだ本を紹介したり、他の人が読んでいる本を聞くのは面白い。自分の興味のある世界の狭さにも気付かされるが、その世界が他の人にとっても、面白いものになったり、役だったりする可能性があると気付かされる。それが、このBOOK CLUBの場だった。

「Podcastでなくてもいいのではないか」という考えもあるだろうが、地方で車生活になると、以前のように移動時間に本を読む習慣が奪われ、逆にPodcastを聞く習慣がついていったのも大きな変化だった。
(と言いつつ、私はおしゃべり系のPodcastが好きなので、本当は一人語りしたくないのだが。)
そんなPodcast文化が好きになってきたところなので、私ももう少し粘ってみようと思っている。

ということで、自分の本への思いを伝えたり、話しながら思考を整理したり、あわよくば話術を磨いたりするようなつもりで、Podcast文化に0.1ミリだけ貢献しようと思っている。

ということで、
・こんな本読んで欲しい!というリクエスト
・Podcastを聴いての感想
・ゲストで出てもいいよ!
などなど、応募フォームからお便りいただけると励みになります!

#75 『密やかな結晶』(小川洋子)記憶を奪われるとしたらどうしますか?

再開初の1冊目は、小説。
鳥取で読書会に参加したことがきっかけで読んだ本。
言葉が次々と消失していく世界。日本なのか、どこなのか、ファンタジーのような美しさがある。
こんなふうに物語を通して問題提起できることに感動してしまう。

#76『選択的シングルの時代』(エルヤキム・キスレフ)独身=不幸ではない?

「独身=不幸」というスティグマに立ち向かうような一冊。
確かに人生は長くなり、配偶者を得たとしても、シングルになる可能性は高まっているというのは、筆者の指摘通り。今後の政府がどのように対応していくかが注目されるべきポイントだろう。
ただ、このスティグマはジェンダーの問題とも深く絡み合っていて、別の切り口もあるかもしれない。

#77 『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(今井むつみ・秋田喜美)オノマトペから、言葉、最大の謎に迫る!

英語教師になって以来、言語習得の話に興味が湧き、今井むつみ先生の本は買い集めていたはずなのに、Podcastで紹介していなかった衝撃。
オノマトペに興味がある人は絶対にハマる。
言語学の本でしょ…と侮らず、AIなどに興味がある方にもおすすめ。Chat GPTの話とかもあります。

#78『客観性の落とし穴』(村上靖彦)「それってあなたの感想ですよね?」への対処法

「客観的に考えるのが正義」なのか?
前半は科学の歴史などと絡めて書かれており、後半は村上靖彦先生の研究手法に絡めて書かれている。
体験談などをボトムアップで研究している人、当事者に関わっている人からすると、身近な課題意識かもしれない。

#79『舌を抜かれる女たち』(メアリー・ビアード)なぜ女性たちは声を出せなくなるのか?

語ることが難しいと感じる女性は、現代でもまだ多い。と、私は感じている。
語ることから避けられ続けた女性たちは、権力からも遠ざけられる。と西洋の古典にも描かれていると指摘するのが、古典学の研究者でもあるメアリー・ビアード氏だ。
西洋の文学の歴史から、身近なフェミニズムの問題を考えられる講演集。

これからの目標

個人的に、勉強していくこともそうだが、自分の中で今まで得た知識を使えるものにしたい=体系だったものにしたいという気持ちが強くなってきた。
理論の形にして提示すると、主観的な主張と思われて敬遠されたことも、客観的になり、新たな人たちにその主張を伝えることができるようにもなるだろう。
シングルの生活を選択するべきか否かという個人の問いから、社会に対する家族制度、法制度に関する問いかけにもなったりする。
そんな疑問を物語にできたらいいかもしれないとも思うし、理論にできたらいいのかもしれないとも、両方を夢想している。

ただ、それを書くのにWeb上がふさわしいかどうかは、私にはわからないけれども。

ということで気まぐれ更新は続きます。すみません。



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