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【本076】『おいしくて泣くとき』

著者:森沢明夫 出版社:角川春樹事務所

『大衆食堂かざま』は無料で「こども飯」を提供する食堂。その一人息子・心也は、時々、こども飯を食べにくる同級生、夕花のことを心配していた。また、不良グループにいる石村のことも。

人を大切に想う気持ちは、ちゃんと伝わる。伝わって、その人の人生のなかで温まってより大きなものになる。

母から子へ、母から父へ、父から子へ、子から友人へ、友人から友人へ。

私は、いつか自分のカフェをもちたいと思っているんだけれど、そこは、「大衆食堂かざま」と同様に子ども食堂にもしたいと思っている。

ほぼ採算があわなくなるけど(笑)
前にそのことを、ぶつぶつと言っていたら、娘がこういったの。

「自分のためにお金を使っても幸せになるのは自分だけじゃん」

あまりにも衝撃的で、心の中心にずっと残っている^^;

この本の登場人物はみな、娘と同じ気持ちを持っている。誰かのために自分が受けた愛を膨らませ、誰かの力になろうとしている。それが、本当に温かくて、まさに「おいしくて 泣く」物語だった。


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