見出し画像

【本071】『水曜日の手紙』

著者:森沢明夫、出版社:角川文庫

私は小さい頃から、郵便局が大好き。結婚して、最初の家は1階が郵便局のマンション。次の引越し先は、24時間やっている区の郵便局の向かい側。今の家は、郵便局が視界になくて...残念なところ。そう、私にとって郵便局は見るだけでテンションがあがる場所なのです^^ それは...

私は中学から高校にかけて、世界中にペンパル(←え?死語?)がいて、同世代の人たちと文通をしていたから。そのため、手紙と聞いただけで、目の前がぱっと広がり、世界中に私を連れていってくれるのです。

そんな私にぴったりな小説。
「水曜日郵便局」に水曜日の出来事を送ると、見知らぬ誰かの水曜日の手紙が届くというもの。知らない誰かの出来事だからこそ、はっとするような悩みの解決策が見つかったり、背中を押されたりします。

それに、知らない誰かに綴るからこそ、本音が書けたり、逆に、偽りが書けたりします。自分をより深く掘り下げることもできるし、別の人生を生きることだってできるのです。そう思うと言葉ってすごい魔力を秘めているとつくづく思います。

「この地球の見知らぬどこかで、見知らぬ誰かに影響を与えている」

今頃、私のペンパルたちはどうしているんだろう。この小説を読みながら、久しぶりにペンパルたちのことを思い出しました。どんなやりとりをしたかは、忘れてしまったけど、「世界はつながっている、そして、温かい」という心地よさが、郵便局という場とともに今でもずっと心に残っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?