デジタル人材がいない中小企業のためのDX入門より
こんにちは、レイです。
今回はこちらの本とともに、
DXとは何か?
今何をしなければならないのか?
そんな基礎的なことに関して、今一度考えてみませんか?
個人的に社内SEとして働く身としては、大企業や中小関係なく、
プログラマーが不足している企業の方は、必読だと思います。
そもそもDXとは何か?
さて、DXと聞けば今の時代企業が抱える一大難問だろう。
この難題に対して、数多くの企業が頭を抱えている問題だ。
いち早く対応した企業は業績を伸ばす一方で、対応できなかった企業は業績が衰退、停滞している。
デジタル化の本質とは何か、そもそもDXとは何か勘違いしていないだろうか?個人的な見解で行けば、勘違いしている人が多いので初めに断っておく。
ペーパーレスは欠片もDXではないぞ。
エクセルが使える、PCが使えるは、DXじゃねぇ。
もう一度言う、「エクセルが使える」というのは、DX人材の育成とは欠片も関係がない。
僕の自己紹介を読んだ人は知っているかもしれないが、僕の本職はプログラマーである。有名どころでいえば、HTMLとかJavaScriptとか、ゴリッゴリにコードを書いて、いろんな処理を自動化している人間だ。
面白いことに、僕はプログラムを組むことができる。でも、40代の社員と比較するとエクセルスキルは、正直5歩も6歩も劣るといっていい。
それでも、僕はプログラムを組んでDXを推進している。
エクセルが使える、ペーパーレスというのは、DXの前提の話でしかない。
確かに、エクセルが使えればいろんな処理をできるが、自動化できることは少ない。もちろん、マクロを組んで実行するのであれば、話は別だが。
最近は、Python in Excelという便利機能もあるので、自分で構造化データさえ用意できれば、万能に使えるだろう。
Excelが悪といっているのではない
エクセルは日本のビジネス業界では、異常に普及しているソフトである。
多くの大学生が入社したら戸惑うだろう。
「この人たちは、Wordを知らないのか……と」
そのくらい、なんでもエクセルで作成しているのだ。
正直、僕も理解できない。
配布資料も、数値データも、様々な日常業務管理も、すべてがエクセルだ。
そのうえ発表ではパワーポイントで行う。
しかも、文字は少なくて、図を入れて解説しろという。欠片も理解する気持ちがないことの表れとしか言えない。そして、その成果物を資料と言い張るのだから、笑えない冗談だ。
本来、Excelというソフトは、非常によくできている。
おそらく、設計者はこんな使い方をするとは想像もしていなかっただろう。
どこに、表計算ソフトでA4用紙台を作成し、連絡事項や契約内容を書いて電子サインさせると想像する、ソフト開発者がいるだろうか?
いや、セルの結合があるからある程度は想像していたかもしれないが、
それはWordの領域であり、Excelで行うようなことではないはずだ。
日本人がExcelの使い方を誤った結果、使えないデータが大量にサーバー上にあるのが現状だといえる。
DXとは改革だ
さて、初めの問いに答えを出してみよう。
すなわち、「DXってなんだよ」という問いかけだ。
『改革』
この一言に置き換えることができる。
これは本の中でも語られている。
本書の中では、DXということに対して次のように述べている。
「継続的な取り組みから企業活動に何らかの変革をもたらすもの」
あなたの日常業務を変革して、それが最終的に企業全体へと波及的に広がる。
そしてその波は、あなた個人の範囲を超えて行く。
会社全体の風土も常識も、そして生産活動まで、すべてを変える可能性を持っているのだ。
デジタル化の本質
さて、では本書の中で解説されている事項に本格的に触れていくことにする。
デジタル化を本気で取り組んでみてほしい。
その最終段階に見えてくるものというのは、
「限界費用ゼロ」
という世界である。
あらゆる変動費が固定費へと置き換えることができるようになるのだ。
本書でも取り上げているように中小企業では
固定費を顧客ごとに分割して考えるということはないかもしれない。
しかしその考え方は言ってしまえば、大企業へと、企業が成長してくれば見えてくるものでもあるのだ。(今の日本でそれが難しいという問題は別とする)
さて、この限界費用が変わらないという状況が来ると、一体どのようなメリットがあるだろうか?
少しだけ考えてみたらわかると思うが、面白いことが起こる。
どれだけの顧客が来ても、その生産から販売までに必要な費用は変わらないという状態になるのだ。
極端な話、売れれば売れるだけ儲かる世界がやってくる。
最強のビジネスが始まる。
この特徴は既存のビジネス形態を、一変させる可能性があるのだ。
本書では、中小企業がDXを行うことの本質として、
「限界費用をゼロにしてビジネスを拡大させる」
ということだと、言っている。
まさしくその通りだと、個人的には深く納得したものだ。
DX導入に必須なものは?
本書では巷で騒がれている、DX人材についても触れている。
今騒がれている三要素については、無視しろと断言した。
当たり前だが、優秀なプログラマーを雇っているような金は、中小企業にはない。だから、一からプログラマーを育成したり、優秀なプログラマーを誘致している暇はないのだ。
それを踏まえたうえで、次のような提案をしている。
ノーコーダーを手に入れろ
ノーコードとはその名の通り、プログラミングをしなくても、簡単なソフトを作成できるというもの。有名どころでは、キントーンがある。
ノーコードであるから、少しパソコンに触ったことがあれば使用できる。
生産工場では、モーションボードという選択肢もある。データベースの知見を広める意思があれば、こちらがおすすめだ。(個人の見解です)
ノーコードでも、多少のデザインセンスと現場経験があれば、誰もが使用しやすいソフトを安価で作成し、配布することができる。
ノーコード業界の開発はすさまじく、基本的にノーコードソフトを活用して、自社のDX化を行うことは十分に可能。
データベースの設計開発から、表面に見えているUXまで作成できる。多種多様なノーコードソフトを使用すれば、かなり有用なソフトを社開発できる。
ノーコードソフトは学習期間も非常に短くて済むため、導入から開発までが非常にスピーディーなことがメリットだ。
業務効率アップ
自動化できるということをまじめに考えてみると、それは、プロセスに従っているということ。
これまで個人が勘や経験で行ってきていた業務を、プロセス化して、だれもができるような状態にするのだ。
プロセス化されたことを、今度はコンピュータにやって貰うのが、自動化。
今までの毎日の業務をまずはプロセス化して、その後に自動化する。
今の業務をプロセス化すれば、無駄が判明し省けるし、自動化できれば圧倒的な速度でそれを行うことができます。電子帳票や経費の計算などが、もっともな例ですね。エクセル作業の自動化だって、同じ。
人がやらなければならない、という先入観がなければ小人化にも繋がるし、経費削減、高効率、高能率になる。
会合をなくせ
本書では、現実世界で発生することに関して二つ大きな変化があることを
記述してあります。それは、
「会わなくて売れるビジネスモデル」
「在宅ワーク」
この二つです。
そうですよね、会わなくてもONLINEでつながれる今、わざわざ人に現実であったり、電話でアポ取りをする理由が不明だ。さっさと、オンラインで完結させたほうが、絶対的に双方が幸せになれる。
会わなくても売れるビジネスモデル
これまでの営業の仕事といえば、実際に相手のところまで足を運んで売り込む。これが主流だった。
でも、コロナが到来してしまい、その常識は一変された。
コロナ騒ぎは悪い側面だけが報道されるが、個人的にオンライン活動が普及した面ではよかったとさえ思っている。
本書では、実施に人に会わなくても売れるための4つのステップを定義し、
実際にどのような行動を心掛けるべきかまで、しっかり記述してある。
そもそも、オンラインになって顧客からの反応が悪くなったのは、
オンライン手法が悪いのではなく、件数が圧倒的に少ないだけ。
現実で行っていた商談が、例えば準備から実際に会って話をするまでの作業を1としたときに、デジタル化した今ならどれくらいの作業量ですか?
確実に一件当たりの作業工数は削減されているはずです。その状態で、
以前と同じ件数にだけアプローチしていても、同等、それ以上の成果は見込めない。
だって、誰もが同じ数以上のアプローチを行っている。デジタル化する前の作業量と同じになるだけ、件数を増やす必要があります。
また、本書ではR・C・T・Aという、四つのプロセスを定義して、
そのプロセスに従って行動するように言っている。
R;認知(顧客に存在を知ってもらう)
C;信用(自分がどんな人間か知ってもらう・実績など)
T;信頼(相手に期待させる・興味を持たせる)
A;受容(相手に自分の存在を受け入れてもらう、アポイントを取る)
このプロセスに従って、営業を行っていくことが重要だ。
テレワークの重要性
テレワークは維持継続するべきというのが、本書の意見である。
それは、僕自身も非常に納得できるので、早速本書の中身を見ていこう。
最初に話しているのは、
「今だれがどこにいて何をしているのかを明確にする」
ということだ。
自宅で勤務できるようになると、業務の透明性が担保できない、という課題がある。であれば、それが見えるような仕組みを作成したらいい。
例えばテレワーク状況を管理したり、勤務状況を監視したり、様々なシステムを考えることができる。
現在情報を共有できれば、テレワークの敷居は、かなり低下するといっても過言ではない。
相手の状況が分かれば、次にしたいことは情報伝達だ。
スムーズな情報伝達は、それだけ仕事を効率的にできるようになる。
今は数多くのチャットツールがあるし、メールでもいいだろう。
これにより、証拠が残りデータが蓄積されながら、シームレスに情報伝達を行うシステムを構築できるのだ。
知見の共有も大事だ。
様々な意見交流を行い、議論を白熱させて、さらに一歩深く考えていくことが大事だ。それを行って初めて、改革はなる。
相互理解、相互共有を深めて、今の業務をさらに深く。
価値のあるものにしていくことができるようになる。
電子掲示板や、共有チャットを使えば、同じ時間・同じ場所にいなくても、議論できるし、情報の共有が可能だ。これにより、今までできなかった会話もできるようになり、議論の機会とその深度が加速する。
AIへの幻想を捨てろ
最後に触れておきたいのは、AIについての考え方だ。
AIが普及・注目を集めるようになったきっかけは、囲碁でプロ棋士とAIが対峙して、AIが勝利をおさめたからだった。
この時、人類よりもAIのほうが賢いのだと、本能的に理解したんじゃないだろうか?。賢いというか、学習量が圧倒的なだけだが。
一方で、「AIを導入すればなんかわからんがすごいことができる」
「革新的な何かが産まれるんだ」
なんて誤解も多く見受けられる。
AIに関しての知識がない人は、今現在AIに対して持っている希望と夢を
一旦捨ててくれと言っているだ。
正しくAIにできる事と、できないことをが把握して、正しくAIを導入・開発していかなければ、残念ながら成長することはない。
AIとは結局人の作業を代行してくれるもので、あなたが無意識化で行っている判断や、日常業務、さらに言えば知識面でのサポートなど、そういった箇所で活躍していく、やはり道具でしかない。
その道具をしっかりと吟味して、見極めてから導入していこう。
結論
DXという言葉に対し、大きな勘違いをしている可能性がある。
DXすれば何でも自動になって、会社が急成長してすごくよくなる!!
なんて、そんな甘い理想をもう語ることはないよね。
そこまでにはたくさんの壁があり、一種の完成形ともいえるAIですらその限界があって、導入や運用には多大な知識が必要だ。
ノーコードツールの活用や、まずは今あるデータを使える状態にするなど、
DXに取り組む以前の課題がたくさんある。
この記事を読んで、DXについて勘違いしていた人は、
今一度見直しをして、今の活動が正しいのか検討してみてほしい。
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