マガジンのカバー画像

一読の夢~短編小説集~

123
ジャンル問わず、全短編をまとめたものです。 更新は不定期。小説を読みたい方はぜひ読んでみてください。
運営しているクリエイター

#オリジナル小説

件の如し(第7話)

■これまでの話はこちら■本編7、ガーネット  随分時間がかかってしまった、と冷たい夜風を…

水瀬 文祐
2週間前
124

件の如し(第6話)

■これまでの話はこちら■本編6、アキとクロダ  人の体臭と、生ごみが腐った臭い、それから…

水瀬 文祐
2週間前
109

件の如し(第4話)

■これまでの話はこちら■本編4、クダン  スマートフォンのアラームで目を覚ますと、時刻表…

水瀬 文祐
2週間前
122

件の如し(第3話)

■これまでの話はこちら■本編3、アキとクロダ  夜明けの街を二人の女が歩いている。 ビルと…

水瀬 文祐
2週間前
121

件の如し(第2話)

■これまでの話はこちら■本編2、ガーネット  ホテルの一室で、女は男と向かい合って座って…

水瀬 文祐
3週間前
134

件の如し(第1話)

■あらすじ 探偵のクダンは、ある日死んだはずの女の捜索依頼を受ける。怪しみながらも調査を…

水瀬 文祐
3週間前
165

ロールド・オムレット・ストラータ(第3話)

■前回までの話はこちら■本編 父の七回忌で故郷に帰った。僕が今暮らしている町よりもずっと田舎な、幼少期の様々な思い出が詰まった土地。  ごく親しい身内だけのこぢんまりとした法要だったけれども、僕が苦手な伯父さん――父の兄だ。父は三兄弟の次男だったが、若い頃長兄にだいぶ面倒をかけたらしく、この伯父さんに頭が上がらなかったのだ。その伯父さんが食事の席になると開口一番僕に向かって言った。 「お前は根性がない。俺が世話してやった職場をすぐに辞めちまいやがって!」  僕は言い返す言葉も

ロールド・オムレット・ストラータ(第2話)

■前回の話はこちら■本編 ここに一枚のコインがある。  見慣れないコインだって?  それは…

水瀬 文祐
3週間前
97

白い街路(かげみぼう第2話)

■前回の話はこちら■本編 砂川とは彼女の郷里で落ち合うことになった。  日光駅前からバス…

水瀬 文祐
4週間前
99

かげみぼう(第1話)

■あらすじ大学時代の後輩、砂川楓に招かれて栃木県日光市にやってきた水瀬。彼女は「白い街路…

水瀬 文祐
4週間前
140

四姉妹の話~青(ブルー)~

■他の姉妹の話はこちら■本編 大陸東端の地よりさらに東の果てにある島――イルダリア。そこ…

水瀬 文祐
1か月前
100

スタードライバー(第3話)

■これまでの話はこちら■本編 正気ですか、とマリー皇女は整備が完了したスターリースカイ号…

水瀬 文祐
1か月前
108

スタードライバー(第2話)

■前回の話はこちら■本編「これからどうするのです」  皇女のマリーは沼地に半分埋まったス…

水瀬 文祐
1か月前
120

菩提樹の下で

 胃潰瘍で数日間入院することになった。  胃の痛みなどはほとんどなく、自覚症状としては胃のむかつきくらいのものなのだが、しっかりと潰瘍ができているらしい。人間ドックで発見されて、精密検査を受け、間違いないということで入院という運びになった。  手術の前日に入院したので、手術まで暇を持て余してしまった僕は、入院着に着替えると院内をうろついた。売店や食堂もあるし、散髪なんかもできるようだが、あいにく今の僕には必要ない。  平日だから患者やその付き添いの家族で院内は溢れていて、がや