ロールド・オムレット・ストラータ(第3話)
■前回までの話はこちら■本編 父の七回忌で故郷に帰った。僕が今暮らしている町よりもずっと田舎な、幼少期の様々な思い出が詰まった土地。
ごく親しい身内だけのこぢんまりとした法要だったけれども、僕が苦手な伯父さん――父の兄だ。父は三兄弟の次男だったが、若い頃長兄にだいぶ面倒をかけたらしく、この伯父さんに頭が上がらなかったのだ。その伯父さんが食事の席になると開口一番僕に向かって言った。
「お前は根性がない。俺が世話してやった職場をすぐに辞めちまいやがって!」
僕は言い返す言葉も