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営業所の喫煙所で一人、煙草をふかすこともなく、缶コーヒーを飲んでいた。営業所に備え付け…
■これまでの話はこちら■本編 フレイボムから事の経緯を聞かされた警部はううむ、と唸って腕…
■前回の話はこちら■本編「だが、にわか仕込みの剣法では我に勝てぬわ」 影騎士は猛進し、…
■あらすじNZ署のグロンデル警部の管轄で殺人事件が起こる。その被害者、半人半機の半機人シ…
■前編はこちらから■後編 母が死んだとき、世界はまだ混沌に包まれてはいなかった。 葬儀…
エリス・如月は殺すな。生け捕りにしろ。 教官は命令の最後にそう付け加えた。それを聞い…
砂塵の向こうに霞む街が見える。 男は立ち止まっているとずぶずぶとブーツが沈んでいく流砂の流れに抗うようにして、一歩一歩街の方へと向かって行く。 (また蜃気楼じゃないだろうな) 空を見上げると、太陽すらも砂塵に翳っている。そこに雲がかかっているものだから、正午近い時間だというのに、辺りは夕刻のように薄暗かった。 以前こんな天候の中街を見つけたとき、遠くから見えた街は砂塵の黒と茶色の色彩の中にあっても、彩り豊かな街並みに見えたのだが、近づいてみて男は愕然とした。街は砂に埋
ある日ぱたりと小説が書けなくなった。 山荘に籠って、食事の時に妻と会話する以外、人と…
その店には生き物であれば、何でも揃っていた。蜘蛛でも、トカゲでも、猫でも虎でも。そして…
当たり前に明日がくる。そう信じて、いや、きっとそんなこと考えもせず、僕は眠りについた。…
ある日突然太陽が黒化した。熱は変わらず放射し続けるものの、光を放たなくなった。つまり、…
世界が滅亡するスイッチが作れたらどんなにいいだろう、と慎吾は高校生にもなってそんなくだ…
このレポートは私の膨大な研究の一部である。だが、枝葉末節だと思ってほしくはない。このレ…
昨晩夫と大喧嘩をした。結婚して十年。これまでにないような激戦だった。第一次世界大戦と言っていい。夫のキヨくんが日本なら、私はドイツだ。キヨくんの強引かつ電光石火の攻め手の前に、私は私の南洋諸島や青島を放棄せざるを得なかった。屈辱的な敗戦と言える。 そもそもの戦争の発端は、キヨくんが右手を高性能ロボットアームに替える契約を勝手に結んできてしまったことにある。 「バカなんじゃないの? この値段。高級外車が余裕で買えるよね。こんなお金ウチのどこにあるのよ」 私はキヨくんが浮か