【030】本当の意味でぼーっとできているか。
皆さんは、ゆっくりしているはずなのに休んだ感じがしない、なぜか分からないけどイライラしてしまう、たくさんタスクを抱えていて頭が整理できない、なんてことはないでしょうか。
今回は、久賀谷亮さんの「脳の再起動(リブースト)スイッチ~アタマを休め、切り替えに効くマインドフルネス入門~」と言う本を読みました。
脳のデフォルト状態
脳の活動の一つに、DMN(デフォルト モード ネットワーク)というものがあります。
簡単に言うと、「何にも集中していないぼーっとしているときの脳の働き」のとこです。逆に言うと、何かを考えているときはDMNは活動が弱まります。
ちなみに、ぼーっとしている時でも脳は、脳全体のエネルギーの60〜80%を使っており、何かを考えている時はそれに加えて5%くらいのエネルギーを使っているようです。
ぼーっとすることの大切さ。
ぼーっとすることの大切さとしては主に以下の2つがあげられます。
1.危機への備え
2.情報の整理
危機への備えとは、脳は何も考えていない時でも、完全に活動を停止してしまうのではなく、車のアイドリング状態のように力を弱めて活動を続けています。
そして、情報の整理とは、脳の情報処理の仕組みとして、
①入力:五感を通して情報を収集する
②整理:入力した情報を取捨選択する
③出力:言葉や行動として表す
の流れで情報を処理しています。この②整理:入力した情報を取捨選択するのタイミングでもDMNの活動が関係しています。
しかし、DMNが過剰に働くと、色々なものに集中することを繰り返してしまい、注意が散漫になり、ぐちゃぐちゃに散らかったデスクのような「脳過労」状態になります。
現代では特に
現代では特に、ぼーっとしている時でも、脳が、SNSの通知がきているかを考えたり、仕事のことを考えたり、人間関係について考えたりすることで、常に注意散漫な状況が作られています。
このことが、DMNが過剰に働きすぎてしまい、集中ができず、脳が休まらず、よくわからない疲れの原因となります。
常に頭の中に浮かんでくる雑念はDMN活動が過剰に働いているということなのです。
結論からお伝えすると、この状況を改善するための方法は、
ジャッジをしないこと
です。
①浮かんできた雑念についてジャッジしない
②考えを認めて、受け入れる
ことによって、DMNの活動を正常にし、本当の意味で脳を休ませ情報を整理することが可能となります。
マインドフルネス
ジャッジしないための方法として、マインドフルネスの方法を2つ紹介します。
1.マインドフルネス呼吸法
2.RAIN
1.マインドフルネス呼吸法
まず、呼吸のしかたは、息を吸うときにお腹を膨らませ、息を吐くときにお腹を萎ませる腹式呼吸。難しい場合は無理に腹式呼吸をしようとしなくても良いので、自然な鼻呼吸を心がけてください。
呼吸の際に意識することは、空気の出入りを感じられる部分(鼻先・鼻の中・お腹の動き)に意識を向けてください。
吸うときと吐くときの温度の違い・空気が体に入ってくるときの感覚・出ていくときの感覚を感じてください。途中で頭に何か他の感覚や考え方が浮かんできても、気にせずそっと意識を呼吸に戻します。
これを1分でもいいので、行ってください。
2.RAIN
DMNの活動を正常にする2つ目の方法は、RAINと言う方法です。
RAINとは、
1.Recognize(認識)
2.Accept(受容)
3.Investigate(検証)
4.Non-identification(距離を置く)
の頭文字をとったもので。
怒りや悲しみなどの喜怒哀楽の感情が出てきた時に有効な方法です。
何かにイライラしていると感じたときは、
1.まずは自分がイライラしていると気づくこと
2.そして、その怒りをありのママに感じること
3.次に、なにに怒りを感じているのかを考え
4.最後に、怒りの感情を客観的にみること
個人的に意識していることは、イライラを客観的にみて切り離す時には、イライラの妖精のようなものを想像し、それを「よしよし」と愛でるような気持ちになると言うことです。(笑)
怒りやイライラは、私たちが生きている上で一生付き合っていかないと行けないものなので、ぜひ友達のように親しみをこめて付き合えるようになっていただければと思います!