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【057】人生100年時代で集中できるのは「5万時間」。つまり、

マルコムグラッドウェル氏が提唱している「1万時間の法則」*を前提とすると、人間は一生のうちで5つまでしか極められない
※1万時間の法則は必ず正しいとは限らないという批判も出ています。

ということになります。

今回は、井上一鷹さんが書いた「深い集中を取り戻せ――集中の超プロがたどり着いた、ハックより瞑想より大事なこと Kindle版」という本を紹介します。

いきなり、過程をすっ飛ばして、何を言っているんだと思った方もいるかもしれませんが、この本では、、

『人は1日四時間程度しか、集中状態を作れない」という話もしています。
そうすると、1ヶ月で集中できるのは『100時間』、1年では『1000時間』、人生100年時代とは言われていますが、仕事に夢中で取り組めるのは50年だと考えると、人に与えられた集中の時間の総量は『5万時間』しかないのです。

深い集中を取り戻せ――集中の超プロがたどり着いた、ハックより瞑想より大事なこと Kindle版

「では、あなたは、1日4時間の集中時間を何に当てていますか?」

私はこのことを聞いて、小学校から大学まで続けていたサッカーが1つ、留学などをしながら勉強を続けている英語が1つ、修士まで勉強をしていた情報学が1つの3つはすでに埋まっていると感じました。

そして、残りの2つは現状、日頃ダラダラとyoutubeを見たり、ゴロゴロしている時間に費やされているのではないかと危機感を感じています。

△そうは言っても自分には集中力がない
△ついついyoutubeやSNSなどのすぐに楽しめることに時間を使ってしまう
△何に集中すればいいかわからない

などということを思った方もいるでしょう。

脳科学的に、「集中できることは幸せ」

フロー体験の研究は、「人類の3つ目の幸せを見つけた研究だ」とも言われています。「意義」と「快楽」に続く3つ目の幸福です。

深い集中を取り戻せ――集中の超プロがたどり着いた、ハックより瞑想より大事なこと Kindle版

つまり、意義を持って働くこと、欲求を満たすこと、などと同様に、「集中できることは幸せなこと」なのです。

では、集中するためには何をすればいいのか。

この本では、
1.  集中力の要素分解
2. 3つの脳の切り替え
3. 時間管理の基本戦略

という3つの概念を紹介しています。

その中でも今回は、個人的に面白いと思った「3つの脳の切り替え」について、詳しく記述していきます。

3つの脳の切り替え

脳には大きく分けて、3つのモードがあります。
「デフォルトモード・ネットワーク」「サリエンス・ネットワーク」「セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク」です。

深い集中を取り戻せ――集中の超プロがたどり着いた、ハックより瞑想より大事なこと Kindle版

デフォルトモード・ネットワークは、「直感の脳」であり、
自分に関する問題や過去について考えるときに活性化する

サリエンス・ネットワークは、「対局間の脳」であり、
2つの脳を切り替える

セントラル・エグゼクティブ・ネットワークは、「理性の脳」であり、
目標に向かって計画を立てたり、集中するときに活性化する

予防医学研究者の石川善樹さんは、「直感の脳が100のアイデアを出し、対局間の脳が3つに絞り、理性の脳が1つを選ぶ」という表現をしています。

現代の脳の活動

脳の3つの働きの観点から、今のあなた自身の活動について、考えてみてください。

3つの脳はそのどれもが大事であり、状況に応じて使い分けることが大切です。

私の場合は、サッカーや英語や情報学を学んでいるときは、目標や一つの物事に向かって活動しており、「理性の脳」が働いている時でしょう。

そして、youtubeやSNSを行なっているときはどうかというと、この時もまた、1つの物事に向かって脳が活動しており、「理性の脳」が働いていると言えます。

目標に向かって何か努力をしている人も、youtubeやSNSなどで時間が溶けるように過ぎてしまう人で、なんとなくモヤモヤを抱えている人は、

根本は同じ、理性の脳のみが使われていることが変化のきっかけなのかもしれません。

また、理性の脳を使っている場合でも、自分が立てた目標に向かって進んでいる人もいれば、ビジネスとして仕掛けられた仕組みでコントロールされている人もいるでしょう。

このような過ごし方をしている人は私だけではないのではないでしょう。

では、直感の脳を使うタイミングを増やすことはできないのでしょうか。

直感の脳

直感の脳を使うためには、大局観の脳を経由する必要があります。

上記したように、多くの人は仕事中や家にいる時間の脳は「理性の脳」が占めていることが多いです。

しかし、仕事に煮詰まってしまった時に、新しいアイデアを閃くことや、今の時代で必要とされているクリエイティビティはこのような状況からでは生まれません。

クリエイティブになるためのひつの方法として、「自分にとっての三上」で時間を過ごすということもあります。

歴代の内閣総理大臣の指南役を勤めた安岡正篤さんも、その著書で以下のように言っています。

つまらぬ小説や愚論に類するものは
 なるべく読まぬようにすると共に、
心が浄化されるような立派な書を読むべきである。

 特に朝、それも一時間とは言わぬ、三十分でよい。
昔の人も枕上(ちんじょう)・馬上・厠上(しじょう)の
 三上の読書ということを言っておるが、
私は長年必ず厠(かわや)で読むことにしておる。

厠で読むだけの時間であるから、
何枚も読めるものでもないが、
十年、二十年と経つと、自分でも驚くほどの量となる。
しかもこれは数量の問題ではない。

その時に受けるインスピレーションというものは、
到底書斎の中で何々の研究などやっておって
 得られるものではない。

況(いわん)やこれから安眠熟睡しようという
枕のほとりにおいておやである。
寝る前に週刊誌等を読むのは最も愚劣なるものである。

安岡正篤~【三上の読書】(一日一言より)

これはまさに、この本でいう直感の脳を活用したときにアイデア生まれたり、やクリエイティビティが発揮されるということでしょう。

「姿勢の切り替え」で「脳を切り替える」

 論理的な作業をするためには、「理性の脳」を活性化させたいので、「視野が狭い」「他のものが目に入らない」という状態にし、没頭状態に入りやすくすることが有効です。
 逆に、アイデアを出すために「直感の脳」を活性化するには、副交感神経が優位になりやすいように、「視野が広い」「明るくする」状態にします。

深い集中を取り戻せ――集中の超プロがたどり着いた、ハックより瞑想より大事なこと Kindle版

視野が狭いことは必ずしも悪いことではない。意図的にその効果を活用することができます。また、今では、人間工学に基づいて、座るだけで理想的な姿勢になる椅子も販売されています。

ちなみに、人間工学とは、「働きやすい職場や生活しやすい環境を実現し、安全で使いやすい道具や機械をつくることに役立つ実践的な科学技術」であり、私たちの生活を、人の骨格や周辺環境、ましてや脳の仕組みなどの観点から快適にするための工学です。

種類はたくさんありますが、私はこちらをお勧めしています。

そのほかたくさん種類はあるので、他のものも含めて一度検討してみてください!

二酸化炭素と集中

3つ目は二酸化炭素と集中という話です。集中に二酸化炭素が関わっていると考えたことがある人は少ないと思い抜粋しました。

実は、

CO2濃度が低い方が集中しやすいのです。
 (略)
 CO2濃度については、具体的には、室内では800ppm以下が望ましく、1000ppmを超えると集中が途切れてきます。

深い集中を取り戻せ――集中の超プロがたどり着いた、ハックより瞑想より大事なこと Kindle版

今では、手軽に二酸化炭素を計測することができる機会も購入できますので、興味があれば検討してみても良いのではないでしょうか。

また、寒い時期には窓を開けたくないという人もいるかと思いますが、そんな人でも「できるだけ部屋を寒くしないで換気する方法」という記事があったので、そちらも共有しておきます。

まとめ

これらのように、集中するためには脳の切り替えが一つの観点になると言っています。

直感の脳」は、自分に関する問題や過去について考えるときに活性化する
対局間の脳」は、2つの脳を切り替える
理性の脳」は目標に向かって計画を立てたり、集中するときに活性化する

つまり、「直感の脳が100のアイデアを出し、対局間の脳が3つに絞り、理性の脳が1つを選ぶ

現代では、自分の目標や外部からの誘惑などにより、理性の脳が占める割合が高くなっています。

そこで、直感の脳を機能させるために、自分の中の三上で過ごすこと、姿勢の切り替えで脳を切り替えること、二酸化炭素濃度にも気を配ることの3つを紹介しました。

普段の生活から簡単に取り入れられることかと思うので、ぜひ1つでも少しでも真似してみてください。

以上です。


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