異例のシーズン

先日、2020年のプロ野球が終了しました。

いつもとは違うシーズンでした。開幕そのものが危ぶまれましたが、どうにか6月にスタートしてほっとしました。

当初は無観客。観客が入ってからも応援に関して色々制限があり、試合は静かに行われていました。プロ野球には、応援団の太鼓とトランペットの音やジェット風船がつきものだという意識があったので、正直物足りなく感じました。

しかしそのかわりに、ボールがグローブに収まる音、打球音、選手の叫びがはっきりと聞こえました。これはこれで臨場感があり、新鮮でした。

日本シリーズも、テレビで観戦しました。最終的にソフトバンクが4連勝、そして4年連続の日本一を飾りました。個人的MVPは、第3戦で先制2ランホームラン、第4戦で先制の足がかりとなる2塁打を放った中村晃選手です。

一方、巨人は4連敗となってしまいました。パ・リーグとの実力差を嘆く声が多く聞こえますが、異例のシーズンを戦い抜き、野球ファンを楽しませてくださったことに対して、まずはお礼を言いたいです。

選手、コーチ、監督の皆さん、本当にお疲れ様です。

今年も、現役生活にピリオドを打った選手がいます。

ヤクルトの五十嵐亮太投手。

五十嵐投手と言えば、あの豪速球が思い出されます。2004年に、当時日本最速タイだった158km/hをマークしました。

私も当時、テレビの野球中継で五十嵐投手の投球を観ていました。その時はまだそれほど野球に関心がなかったのですが、なんとなく「とんでもない球を投げてるんだな」と感じていました。

あるスポーツニュース番組内のインタビューで語っていた言葉が印象的でした。

「"五十嵐はまだやれるぞ"、皆さんにそう思わせてから引退します」

かっちょいい。引き際として最高ではないでしょうか。

広島の石原慶幸捕手。

球団捕手としては最多の1620試合出場、2018年には通算1000安打を達成。

また、投手が放ったボールを取り損なった際に、咄嗟に砂を掴んで捕球をしたふりをしたり、通算4本のサヨナラホームランを含む数々のサヨナラ劇を演じるなど、記録にも記憶にも残る選手でした。

サヨナラホームランのうちの1本は、現地(マツダスタジアム)で観ていました。あれは良い思い出です。

引退セレモニーでは、先輩と後輩、ファンや球団スタッフにはもちろん、医療従事者の方にもきちんと感謝の気持ちを伝えていました。無口そうな印象を持っていたので、自分の言葉ではっきり話す人なのだなと好感を持ちました。

阪神の藤川球児投手。

代名詞は、定規で引いたみたいな軌道を描く火の玉ストレートです。

特に印象に残っているのは、2007年の、当時中日ドラゴンズに在籍していたタイロン・ウッズ選手との対決です。スコアは5対5。この年阪神と中日は優勝争いの終盤を戦っていました。

直前の打席でホームランを放っているウッズ選手に対して、藤川投手は真っ向勝負を挑みます。一体どちらが勝つのかと、テレビから目を離せなくなった記憶があります。

結果的に、11球目をとらえて2点タイムリーとしたウッズ選手に軍配が上がります。藤川投手が投じた11球は全てストレートでした。

まさに真剣勝負です。2人とも最高に格好良かったなあ。

他にも、引退を決断した選手が多くいます。こうした引き際の場面は、なんだか胸に迫るものがありますね。

本当にお疲れ様です。

私が応援している広島東洋カープは、残念ながら5位に終わりました。

投手の誤算が多すぎました。抑えを固定できず、先発が離脱。ただ、森下投手、塹江投手、ケムナ投手など新しい戦力も出てきているので、立て直しに期待です。

佐々岡監督も、どういう方針で戦っていくのか定められていない印象を受けました。けれどまだ1年目、きっと良くしてくれると信じています。

ベストゲームは7月8日、堂林選手が逆転満塁ホームランを放った試合でしょうか。テレビで観戦して、思わずガッツポーズをしました。

来年は、こういう歓喜の試合を何度も見たいものです。

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