ドキドキ
緊張していると気づき、マスク越しに深呼吸。
派遣先との面談へ向かう電車の中、私はにじみ出てきた汗をハンカチで拭っていました。人と話すことが得意ではないので、面談というものは本当に慣れません。
意識するまいと、窓の外の景色に目をやっていましたが、どうにも呼吸が浅くなります。動悸も早くなった気がします。
ああ嫌だ。早く済ませたい。時間を早送りして面談が終わった後の場面に行きたい。そんなことを考えてはため息をついていました。
そんな時不意に、ある歌の歌詞が頭に浮かびました。
くよくよ メソメソ ドキドキ どれがいい?
ボクなら迷わずドキドキを選ぶ
カチャカチャ文句を言ってる暇はない
ー『ひまわりの夢』詞、曲:斉藤和義
はっとしました。
そうだよな、くよくよメソメソ考えていても仕方がない。ドキドキするのは悪いことじゃないと、背中を押された気がしました。
歌詞に出てくる"ドキドキ"は何か期待に満ち溢れている感じです。今私が感じている"ドキドキ"は不安と緊張から来ているので、歌詞のニュアンスとは違っている気がしましたが、まあいいかと思いました。
少し気分が落ち着きました。斉藤さん、ありがとう。面談が終わったらカフェに寄ろう。
目的の駅が近づいてきました。
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