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上流階級 富久丸百貨店外商部/売ることと買うことと、人とのつながり

今回ご紹介する小説は、
関西の百貨店で外商員として働く女性の物語です。
退職するカリスマ外商員の顧客を引き継ぐため奔走します。

ジャンル:ドラマ
著者:高殿 円
出版社:小学館


外商とは企業や個人の元に出向いて、物やサービスを売ることです。
この物語の主人公、鮫島静緒は百貨店の外商部の外商員です。
彼女の仕事は百貨店の個人のお得意様の家へお望みの品を届けたり、好みに合いそうなの物を見繕ってもっていき購入してもらうことです。

読み進めていくと、彼女の仕事ぶりを知るにつれ大変なお仕事としみじみ感じます。
次々とくる多くのお得意様の無理な要望を手を尽くして叶え、更に新しい商品の提案をお得意様にして高い売上のノルマをこなさなければならないのです。

けれどお得意様に関わっていくにつれてそれぞれの人柄や人生が見えてきます。
百貨店の外商というのは何代も前から、お得意様と売る買う以上の深いお付き合いがあるものなのですね。
そういうお得意様とのやりとりで愛や死について、主人公が気付かされたり、悩みの答えのきっかけをみつけたり、成長していくきっかけになります。

他の登場人物も魅力的で、上司でカリスマ外商員の葉鳥、同僚の桝家、離婚した夫の神野、その他にも個性豊かなキャラクターが登場します。

主人公自身もなかなか波乱万丈な人生であるのですが、彼女の前向きなパワーで元気を分けてもらえる物語です。 

☆5点満点中
出会い ☆☆☆☆
友情 ☆☆☆
人生 ☆☆☆


過去にドラマ化もされています。


※2020年7月16日追加
関西のテレビ局で放送された、
外商部の特集を見つけたので載せておきます。
小説を読んだあとに読むと身近に感じます。




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