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10.「メトロン星人の掲げる正義とは」

もうやるしかない。
時間は無い。
誰も助けてはくれない。

そう、自分しかない、自分のこの残りの数ヵ月に掛かってるんだ。

この記事はストーリーになっております、マガジンを作ってみましたので、そちらから第1話からも是非ごらんください!

ポキッとドリルが折れてから4カ月、月は師走、辺りは真っ白い雪景色。
今年も年が暮れようとしていたが、例年と違い、慌ただしかった。
ただ、なんとなく就職して、なんとなく生きてきた。
安月給で働いて趣味に生きて、くらいの人生は自らの手で崩れ落ちた。
無我夢中ではあったが、はっきり言ってリスクだらけだ。
今年も正月は東京にプロレス観戦を計画していたが、今年は意味が全く異なる。
そんな自分の人生の過渡期だった。

素人なりに体重を増やす方法、トレーニング方法、市民体育館の管理人さんに話を聞きながら、ただただひたすらに地道なトレーニングをし続けた。
もう当初のような可愛い女の子現れないか的な微かな野望は消え失せた。
いや、でもやっぱり出来れば出会いたい。

腹筋は腹筋台の傾斜を上げれる最大にして45度くらいの角度でやっていた。
もはやロッキーだ。
日本でも「エイドリアンが似合うコンテスト」にノミネートされると思う。

ブリッジは体育館の固いマットの上でやり続けた。
痛え、とにかく痛え、顔面崩壊したら高須クリニックにお世話になろう。
そして、ブリッジはやっぱり絵的にヤバい。
ウルトラマン怪獣図鑑に出てきてもおかしくない。
「妖怪ブリッジ野郎」
特徴「いついかなる場所でもブリッジをし始める極悪非道な宇宙怪獣。腹を壊しやすく、しかも長い話でオチが無い。」

テストメニューに対して回数の不足しているメニューも段々と達成に近づいてきた。

そして、正月も東京にプロレス観戦。
もはやあちらも来た事に何の驚きも無い。
月1で会ってるし。
23時半頃の夜行バスに乗って、朝6時に帰ってきて8時半からバイト。
バイトが18時頃終わりそれからトレーニング。
我ながら狂ってる。
それだけ日常がプロレス一色で回っていた。

入門テストまで残り2カ月、番号交換したレスラーから連絡が来た。
「3月の入門テスト、正式に応募する前に予め希望者一人いるって伝えとくよ!」

「はい!是非お願いします!」

本当にここまで来た。

ただ、心残りというか、この事を伝えていない人がいる。
そこが一番乗り越えなければいけないところだ・・・

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