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オンライン読書会 開催報告 (4月22日)

今回の読書会は、リピーターさん達はみなさまご都合が合わなかったので不参加となったのですが、お2人もご新規さんがお越し下さいました。あぁこれは嬉しい。

人数が少ないときは、あえてタイマーを使って時間を区切ることなく会話のドリフトを楽しむようにしていますが、今回はなかなかスリリングなドリフトとなりました。 

まずお1人目のご新規さんは、私が参加している読書好きFBグループの管理人であるMさん。W州からご参加下さいました。 

事前に「(お子様の)お迎えなどでバタバタするかも…」伺っていたいましたので、トップバッターをどーんと引き受けて下さったMさん、なんと推し本ではなく推し著者をご紹介頂きました。これは初めてのパターン!

推し著者1人目は「喜多川泰」さん。
塾の先生だった方で、今は自己啓発のエッセンスを小説の作品で紹介されている方ですね。挙げて下さった著書は、「きみが来た場所」。

タイトル通り、主人公が自分のルーツ(祖先)を知ることで、自分まで繋がれてきた命の奇跡に気づき、幸せとはなにか、子どもたちに何を伝えて行くべきかに気づくというストーリー。 

そして2人目の著者は、「つばた英子」さん。
建築家の津端修一氏の奥様で、なんと80代のご夫婦の暮らしを記した著書が5冊も。
高齢のご夫婦が仲睦まじく、キッチンガーデンで野菜を作って、身の回りのモノを大切に長く使い、季節に逆らわずこじんまりとした暮らしをされていました。
「人生フルーツ」という映画にもなった作品ですね。

 
彼女の生き方に共感し、「こんなおばあちゃんになりたいんです!」と熱弁されていたところで、お子さまのご帰宅があり、Mさんはあれよあれよと「お母さんモード」へ変身!
そうなるとゆっくりお話をするよりも、お子さまのお相手ですよね。

というわけで、疾風のごとく駆け抜けて行かれてしまったMさん、2冊(2著者?)のご紹介、どうもありがとうございました!またいずれ!

さて、もう一方のご新規さんは、N州からご参加のFさん。
実は彼女もFBの読書グループで繋がった一人。
電子書籍の使い方などの話題でチャットすることはあったのですが、直接顔を見てお話しするのは初めて。

読書が好きで、ストレスが溜まった時には読書で心をリセットして落ち着けるという彼女。
分かります、海外にいると、日本語にどっぷり浸かることが心を和らげてくれますよね…。
日本にいても読書で現実逃避できるので、いずれにせよ読書は最高ってことですよ。 

ご紹介頂いた本はこちら。
「ひかりの魔女」by 山本甲士

日本にいらっしゃるお母様のおススメで送られてきた作品だそうです。
「私、この表紙を見て買いはしなかったろうな、と思います」というコメント通り、表紙はけっこうな脱力系、見れば見るほど冗談みたいに力が抜けます。

浪人生の主人公が、ある日祖母と同居することになったけれど、その小柄で温厚な普通のおばあちゃんが、周囲の人に慕われ、問題を解決しちゃったり、色々な状況も好転しているし、まるで魔法のように周りの人を幸せにしていく、というお話。誰しもこういうおばあちゃんになりたいと思うような理想的なおばあちゃんから、老後を心豊かに過ごすヒントを得られそうです。 

なんと2連続のおばあちゃん推しでした。
不思議なことに、こうした通底したテーマがあることが多いんですよね…。これがセレンディピティ…シンクロニシティ…(違)。

(蛇足ですが、表紙との落差でいえば、私の中では「ダンナ様はFBI」(by 田中ミエ)がダントツです。あの表紙であの中身はずるい!そしてラストもずるい!!)

そして私の推し本。今回は、2022年本屋大賞を受賞した、この作品。
「同志少女よ、敵を撃て」by 逢坂冬馬

私はAudible で読了しましたが、本当に圧倒的な作品でした。 

精密な筆致。緻密な描写。魂の入ったキャラクター。史実に丁寧に織り込まれたストーリー。筆者はこれがデビュー作とのことですが、本当に信じられないほど完成された作品で、本屋大賞も大納得なのでした。 

そして読書会の話題は、私が軽く触れた
「戦争は女の顔をしていない」by スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ

から、少し戦争の話へ。

Fさんはなんと中国地方出身、私の母方の家系も中国地方ということで、広島の歴史はとても身近に知っていました。

その話の流れで私がご紹介した作品はこちら。

「この世界の片隅に」by こうの史代

物語の舞台も、あの広島弁も、きっとすんなりと溶け込める作品だと思います。クラウドファンディングで映画化を成功させたこの作品、今ではNetflixでも見られますし、普段漫画を読まない人でも引き込まれる作品だと思います。 

いま現在は北米に暮らすことで、あの第二次世界大戦を戦敗国、戦勝国の両方からの視点で見てみると、戦争とはそれぞれの正義のぶつかり合いということ、勝者が歴史を作るということにとても実感があります。 

その流れで、Fさんがご紹介下さった作品がこちら。
非色 by有吉佐和子

戦後黒人兵と結婚し、幼い子を連れNYに渡った笑子。人種差別と偏見にあいながら、貧民街ハアレムでの半地下生活を送りながらも、逞しく生き方を模索するーーという骨太な作品です。

戦争に関連する作品が続いたので、と、ちょっと気分を変えて、今後の読書会のアイデアについて少しお話しました。
今後、月ごとにテーマを決めてみるのはどうだろうか、と。たとえば、「女性の生き方」「食べもの・料理」「生きもの」などなど。話のテーマから作品を読むことも面白いだろうし、ランダムに推し本を募るよりも参加しやすいかも、とも考えておりまして。
 
好きなジャンルについてお話すると、「ホラーや残酷な恐怖描写があるもの以外は好きです!」とのことで、残念ながら私の大好物はお好みでなかったようです…(残念!)。
ホラー嫌いなFさんが、これを読んだら凄く怖くて!と紹介されたのが、こちら。

ストロベリーナイト by 誉田 哲也

ドラマ化、映画化された作品ですね。
この作品の描写がけっこう猟奇的で怖かったとのことです。 

このあたりから話の流れはご家族や蔵書の話へドリフト。この辺はプライベートな内容でもあるので割愛しましょう。――というあたりでお時間、お開きとなりました。 

(あぁ、どうしてもFさんに猟奇的な描写が出ないのに怖い、という作品を読んでもらいたい、という思いが未だに頭を離れません。次にお話する機会があれば、ぜひあの作品をおススメしたい、この作品もおススメしたい。そんな思いが悶々と募るのでした…ふふふ。)


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