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建築の価値 前提の転換と屋外空間


こんにちは。うちです。

今日は昨日読んだ記事について書きたくて、朝とお昼休みにこの文章を書いています。
気持ちが昂ると何かに発信しないと気がすみません。
今まではノートに書きなぐっていただけですが、このような発信の媒体があるのはとても助かります。


東北大学教授の五十嵐太郎先生が日経に記事を寄稿していたので、さっそく読みました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58597820Y0A420C2BC8000/
今回は価値が生まれた瞬間とは違いますが、私が関わっている建築の価値について、周囲の方と話す機会も多いので私の所感もこのタイミングで発信しておこうかと思います。

良い建築とは?


先ほどの記事のなかの一文だけ引用させていただきます。

従来、人が集まるのは、良い建築であると、無条件で考えられていた。しかし、その前提が完全に覆ったのである。

たしかにこの前提で考えていました。
建物を造るからにはたくさん人が来るものをこの世に生み出したい。
そんな気持ちをもって、業務にあたっている方が多いかと思いますし、
だからこそクライアントはお金を出します。

建築業界も床面積があれば、事業として成り立つという考えが根強いです。
ただ、数年前からの建物としての健康への貢献を測る認証WELLの台頭であったり、最近のSDGsの広がりの影響を受けて、ただ大きな床面積の建物を建てればよいという風潮は変わりつつあります。

そこで、この感染症です。
人の密集が明らかに悪と認定されました。
ここまで大きな出来事がないと人の密集への評価が悪になることはなかったでしょう。
今も「そうはいっても」と頭を悩ましている方が多いかと思います。
それは五十嵐先生がおっしゃっているように、「前提が完全に覆った」ことがすべてです。

皆さんの中の価値が急転換しました。
ここから『今』の建築の価値について、再定義がいろんな建築家から表現されると思います。また、国や自治体の制度としても変化が現れると思います。

不謹慎ですが、非常に楽しみでもあります。

どんな建築が今後現れるのか。
どんな都市に行政はリードしていくのか。
わくわくします。

屋外空間の価値

私の立場から、私見を発信させていただくと
屋外の価値が相対的に上がるのではないかと考えています。
屋外であれば換気のことは考えなくていいくらい、自然の力は偉大です。
人間が何かをする必要はなくなります。
オフィスや住宅だって、もっと外の要素があったっていい。
何層かに1層、共有の屋外空間があることで
そのビルが環境への意識が高いと評価もされていましたが、
各階にあったっていい。

都市に関しても同じです。
公園が封鎖されたのも、湘南に人が集まってしまうのも
都市部に屋外空間が足りないからです。

すぐそこにたたずめる屋外空間があれば、このような屋外での密集といった一見意味の分からない現象も発生しません。
都市部の公園整備自体は地方よりも進んでいます。地方から上京した身としては東京のきれいな公園に感動しました。
ただ、屋外の空間という面では地方が圧倒的に多いです。これは覆りません。
逆に地方でも人がたたずめるような空間としての屋外は少ないかもしれない。
(それは日本人の大多数が都市部マインドに凝り固まっているからだと思うのですが。。。)
都市部でも地方でも、すなわち日本のどこであっても屋外空間の価値を改めて考えられるだけの問題は残されています。

人々が必要な空間を提供するのが我々都市建築にかかわるものの仕事であるのであれば、屋外空間の価値を大々的に推していかなければいけないのではないでしょうか。
そこにお金が集まるようにしなければいけない。

これはチャンスです。

屋外空間に好奇心を持ち続けてきた皆さん。
大きなうねりを作り出しませんか。

―今日の初挑戦

まだ、午前中しか過ごしていなくて。。。
でも、仕事の前に電子書籍を書き進めました。1時間という時間を区切って。
今までは休日にやっていただけだったので、
通勤がないとこういう時間も作れて素敵です。

―好きなものとか


フラードーム

急な建築建築しいキーワードですみません。
数学者であり、建築家でもバックミンスター・フラーによって1947年に考案された、建築です。最小の部材から最大の空間容積を生む事が出来る効率のよい構造物(ドーム状構造物)として考案されました。
ただ、私の中でのフラードームのイメージは最強の空調設備です。フラードームの本筋とは違っていますが、このまま続けさせていただきます。
フラードームの内側では年中快適な屋外空間(仮)が達成可能です。
建物の外側にドームを作って、その空間の空調を行ってしまいます。
これを都市全体に拡張すれば、もう人間はどんな場所でも生きることができるようになります。酸素の供給だってやってしまえばよい。
初めて知ったとき、かなりの衝撃を受けたのを覚えています。
万博のパビリオンで実現されたり、ドームハウス(住宅)としての施工例も増えてきています。

ただ、まだ都市を覆いかぶせるような計画は実現していません。
有名なスマートシティの計画であるマスダールシティであっても違うアプローチで計画が進んでおります。
今回の感染症のことを考えても、ドームに囲われた都市は一瞬で滅んでしまうでしょう。
人工的に快適な屋外を作り出すのはなんと難しいことか。


今日もありがとうございました!
今日も明日もよい一日になりますように!

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電子書籍『快適を手に入れる』
https://www.amazon.co.jp/dp/B087N693JW
Twitterリンク
https://twitter.com/uchi3uchi
もしよければのぞいてみてくださいー。

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