国公立大学の個性化
こんにちは、うちです。
2013年から始まっていた国立大学改革プランをご存じでしょうか。
(文部科学省のHP https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/houjin/1341970.htm)
簡単に言うと国公立大学の個性化
横並びになりがちな国公立大学を3つのグループに分けて、それぞれの大学に選択させます。2015年にその結果が公表され、各大学のスタンスが世に示される形となりました。
文部科学省としては、補助金を出す際にこのグループ分けがなされていると、その補助金の名目に合った大学に優先的に補助金を分配することができるというメリットがある。
2015年は私自身も研究室に所属して、自立をし始めていたころで、研究室の教授や共同研究者の教授とこの話題になったことを思い出します。
3つのグループとは
【世界】世界最高水準の教育研究
【特定】特定分野での世界的な教育研究
【地域】地域活性化の中核
であり、それぞれの担う役割が示され、その役割に応じた目標を大学ごとに設定し、実行していきます。
これが発表されて、各大学で学部が新設されたり、よりベンチャー色を出してきたりと動きが活性化されたようにも見えました。
その時に感じたのが、以下の三点でした。
現状私が感じている範囲ですが、感触をお伝えできればと思います。
ちなみに私はすでにアカデミックな世界には近づいておらず、民間の設計事務所に勤めている人間です。また、普段から情報シュシュをしているわけではありません。ですので、私に届く限りの情報でこの投稿を書いています。ご容赦ください。
1) 高校生にとっては、わかりやすい
私の頃の大学受験は、
①まずなんとなく自分の興味がある学問分野を選んで、
②その学部学科の偏差値順の表を見て、
③自分の学力と照らし合わせて志望校を絞るというパターンだったかと思います。
私はそうやって受験校を選びました。
東大などのネームバリューのある一部の大学は、まず大学名で選んでその中で学部を選んでいくということもありましたが、大半の大学ではそのような順序では決まらないと思います。(東大に関しては、学部学科選ばないので関係ありませんが)
その時の判断材料として、偏差値だけではなく大学の特色というところも見られるというのは魅力を感じました。
実際、何か変化はあったのでしょうか。
この投稿を書くにあたって、改めてGoogle検索で「国公立大学一覧」と調べてみました。
最初に出てくるのは文科省のページ
(https://www.mext.go.jp/b_menu/link/daigaku1.htm)
国公立大学へのリンクが地域ごとに張ってありますが、特に3つのグループについての言及はありません。
次に出てくるのはベネッセの大学偏差値一覧
(https://manabi.benesse.ne.jp/hensachi/kokkoritsudai_index.html)
こちらにもとくに3つのグループについては言及されていません。
3つのグループに分けたのは、学生のためではないという意思を強く感じます。
実際、高校生も知らないのだと思っています。
せっかくグループを作って、個性を出すことができそうだったのだから、もっと活用してもいいのではないかというのが、この投稿を書いていて最初に出てきた感想です。
2) 【地域】グループへの期待
【地域】グループの『地域活性化の中核』というのは私にとって、とても気持ちが良い言葉でした。東京や大阪など都市一極集中の歯止めが利かなくなっており、過密から都市への疲れすら噴出している中での、この言葉はわかりやすいと思います。
建築学科でしたのでスマートシティの構想などには興味を持っていましたし、今の学生の興味は建物単体というよりもまちづくり、地域活性のほうに興味が移っているそうです。卒業設計の巡回展などで作品を眺めていても、今の学生の興味が表れていて面白いです。
地域に応援してもらう団体の成功例で思い浮かべたのがプロ野球のパリーグでした。
パリーグはそれこそ地方都市をホームとしたチームが多いです。そのせいもあってか地域に非常に応援されるチームへと変わっていき、今パリーグの盛り上がりは正直セリーグに勝っていると感じます。
スポーツリーグはその色が強いです。サッカーにしろ、バスケにしろ。そういう好例が近くにあるのだから地方大学はチャンスだと感じました。
実際はどうだったのでしょう
ある大学ではまちづくりに特化した文理共存の学部もできています。
そこでの活動は広くまちに開かれたものであることでしょう。
ただ、日本全体を見渡して、正直劇的に変わった大学があるのかどうかはわかりません。
よく考えればどのグループにいようが社会やまちには開かれなければならないのです。そうでなければ社会から認知されず、価値は見出してもらえなくなってしまいます。
真にまちに開かれることを考えると産学連携研究が一番の近道のように感じています。
今、オンラインが活発になってきていますし、より一層都市の大学に行くメリットがなくなってきていますよね。
一方で、自分の地元にとどまっている必要もない。
各大学ももっと個性を出す方向に踏み出すべきだと思います。
待っているだけでは人はより一層いなくなります。
3) 大学の教員たちへの待遇
これは大学在学中より感じていたものですが、
なぜ研究に特化して成果を上げることを目標として活動している研究者が、大学を運営し、学科の宣伝やイベントごとなどを押し付けられてしまうのか。
適材適所という点では効率が悪いです。人材も少ない。
しかも成果を上げることを最も期待されている若手の先生ほど雑用は多くなる傾向があります。
それでは、質のいい論文なんて書けませんし、人材はどんどん流出します。
その傾向に何か対策を打っているのかなと期待をしました。
実際は特に変化は表面上見られません。
学生時代に仲良くしていた准教授は相変わらず首が回っていませんし、
論文数も他の国に比べても少ないままです。
研究室には教授たちの業務の手伝いをする秘書さんがいることも多いのですが、その秘書さんを派遣として、みなし。雇止めをするということすらありました。
なぜ、研究者の邪魔ばかりするのか。
この点についてはつい感情的になってしまいます。
文科省はぜひ子供たちのことをより見てほしいです。
教育機関で働く側の方々のことを見てください。
ここではほんの一部のことについて書きましたが、
教育に関してはもっと議論が巻き起こってよいはずです。
教育は未来を作ることです。
未来をつぶしにかからないでください。
お休みということで感情を少し表に出してみようかなと。
深く政策のことを知らないまま、このように私見を述べて申し訳ありません。
ただ、発言する権利はあるはずです。
一国民の声として、こういうものもあることを示せたらなと思っています。
長文失礼しました。
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