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【BONUS TRACKインタビューvol.12】ひたすらに “挑戦” を続けて見えた、「福祉×飲食」のあり方。『恋する豚研究所コロッケカフェ』 高橋さん

2020年4月にオープンした『BONUS TRACK』は、“あたらしい商店街” をテーマに、飲食店や本屋さん、ヴィンテージショップにレコード屋さんなど、さまざまなお店がつらなる複合型施設です。

ここでは、そんなBONUS TRACKに出店しているそれぞれのお店をインタビュー形式でご紹介。個性あふれるお店がずらりと並ぶBONUS TRACKの魅力を、ぜひお楽しみください。

“恋する豚” の正体とは……?

ーーBONUS TRACKのテナントを紹介するインタビュー、早くも第十二回目となりました。今回お話を聞いていくのは、BONUS TRACKに入ると一番最初に見えるお店の『恋する豚研究所コロッケカフェ』より、高橋さんです。よろしくお願いします!

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高橋さん:よろしくお願いします!

ーーまずはじめに、『恋する豚研究所コロッケカフェ』についてのお話を聞かせてください。

高橋さん:『恋する豚研究所コロッケカフェ』は、その名のとおり “恋する豚” という豚のお肉を使って作るコロッケを提供するお店です。定食であったり、お持ち帰り用のコロッケであったりをお出ししているのですが、最近では、“恋する豚” を使って作ったソーセージやハムなども販売していますね。

ーーすみません、そもそも “恋する豚” というのはどういった豚なのでしょうか……? 恋……?

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高橋さん:“恋する豚” は、千葉県の農場で発酵食品を食べて育った豚なんです。品種としては「LWDの三元豚」という一般的なものなのですが、僕たち『恋する豚研究所』では、育て方やエサにとてもこだわっていて。そうすることで、まるで豚が恋をしているようなイメージが湧いてくるんですね。こだわりと丁寧さを意識した育て方により、なんとなく幸せで、なんとなく健やかで、きっとおいしい豚に育ってくれるんじゃないか、と。

『恋する豚研究所』は千葉県にある会社で、BONUS TRACKにある『コロッケカフェ』の他にも、千葉県・香取市にしゃぶしゃぶのお店やスチームハンバーグのお店を開いていたり。コロッケやしゃぶしゃぶ、ハンバーグなどには、すべて “恋する豚” を使用しているんです。とっても美味しいお肉なので、ぜひ下北沢のみなさんにも、コロッケを通じてぜひ楽しんでいただきたいですね!

生まれてはじめての海外一人旅を経て

ーー『恋する豚研究所』の母体は “福祉法人” だと聞いたのですが、そこについても教えていただけますか?

高橋さん:僕たち『恋する豚研究所』は、表立って「福祉の会社です!」とは言ってないのですが、実は障害を持った方の就労支援施設としても活動をしていて。千葉県内で特別養護老人ホームなどを運営している『福祉楽団』という社会福祉法人ですね。

僕の個人的な思いにはなってしまうのですが、障害のある方が普通に働いて、給料をもらってご飯を作って、お客さまがそれを食べて喜んで、そういった「普通」のあり方が理想だなぁと感じます。なので、表向きには「就労支援施設」という扱いは出していなくて。

ーー高橋さんが『恋する豚研究所』に入ろうと思ったのは、そこに対する共感が大きかった、というのもあるのでしょうか?

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高橋さん:それはすごく大きかったです。2020年に新卒として入ったのですが、もともと僕が興味を持っていた「地域活性」と「学童保育」にぴったりフィットする会社で。『恋する豚研究所』に入るきっかけも、すごく面白いものだったんですよ。

ーーきっかけ……?

高橋さん:代表の飯田さんから、『10万円あげるから海外へ行っておいで! 一人で行ってきたら、内定あげるよ!』と言われたんです。本当にびっくりしましたね。

ーーそんなこと、あるんですか……!?

高橋さん:正直、本当にかなりびっくりでした。僕も同じく「そんなことある!?」って(笑)。僕は、大学の頃から、ずっとヒッチハイクをやっていたんですね。東北の方へ行ってみたり、とにかくいろいろな場所へ行きました。

それに、大学在学中に興味があった「韓国」や「ダンス」を組み合わせて、自分でサークルを立ち上げたりなんかも。何かに挑戦することがすごく好きだったので、その提案にも即答でした。10日間かけて、カンボジア・香港・タイへ行ってきて。そこではとっても大きな学びがあったように感じます。

でこぼこな道のりと、そこで見つけた “自分” の姿

ーーまさかの海外一人旅、とのことですが、そこでの「学び」とはどういったものなのでしょうか?

高橋さん:僕の家族は、少しだけ心配性なところがあって。あまり一人旅のようなものを許してくれるような家庭ではなかったのですが、その時に初めて海外へ一人で旅に出たんです。そこで、「自分って実は順応性が高いのかも……!?」と気づくことができて。

「一人で全部やる」ということだったのですが、僕は英語を話すことができないんですね。でも、その旅で使うのはほとんど英語。見様見真似で、ボディランゲージなどを通じてコミュニケーションを取ったり、カタコトの英語で接してみたり。それでも、案外うまく行ったんです。

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それに、海外の食べ物は身体に合わないということもあると思うのですが、全然そんなこともなくて。お腹を壊すこともなく、いたって健康なままで過ごすことができて。あまり一人の経験をしたことはなかった僕が、いざ一人旅になるとこんな一面もあるんだ、って自分で気づくことができましたね。

ーーなるほど。改めて自分に気づく体験だったんですね。10日間の旅を終えた上で、いざ『恋する豚研究所』に?

高橋さん:それも、かなり “でこぼこ” で面白い流れだったんです。もともとは『福祉楽団』に入るつもりで、そこで学童保育や介護などの仕事に就くはずだったのですが、急遽「飲食」をやることになって。

ーー突然、ですか……!?

高橋さん:3月29日から千葉県での仕事が決まっていて、その前日にすべての荷物を用意し、地元・吉祥寺から千葉の社宅へ引っ越すつもりでした。が、引越し当日、代表の飯田さんから『ごめん、コロッケカフェやってくれない?』と。急展開も急展開(笑)。でも、これまでの「何にでも挑戦してみたい」という好奇心や興味から、それも引き受けることにしたんです。

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「食べるため」だけではない、あらたな価値を生み出すお店へ

ーーまさに “激動” の入社からこれまでのお話をお聞きしましたが、ここからは、高橋さんがBONUS TRACKの『恋する豚研究所コロッケカフェ』で叶えていきたい「夢」についてお聞きしてみたいと思います。

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高橋さん:『恋する豚研究所コロッケカフェ』では、提供する定食に「1,078円」という値段を設定しているのですが、これは「食べるため」だけのお値段ではないと思っています。外観であったり、内装であったり、「雰囲気」も込みでのお値段だ、と。もちろんコロッケの味も美味しいですが、この “場所” も含めて、みなさんに楽しんでいただけたらなぁと考えています。

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高橋さん:また、オープン当初には無かった「お持ち帰りメニュー」も増えたので、店だけでなくおうちでも『恋する豚研究所コロッケカフェ』を楽しんでいただけるようになりました。今では常連の方も増え、夕飯のおかずを買っていってくださる方も。こういった「地域に根ざしたお店」としてのあり方は、ひとつの理想ですね。

ーーでは最後に、高橋さん個人としてBONUS TRACKでやってみたいことについて聞かせてください。

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高橋さん:これはある種の “妄想” になってしまうのですが、映画の『ウォーターボーイズ』のようなものを作ってみたいと思っています。

ーーウォーターボーイズ………ですか?

高橋さん:あの映画は、男子学生たちが成り行きで『シンクロナイズドスイミング』を発表する、というものなのですが、あの「青春感」がすごく好きで。一見くだらないことでも、みんながひとつの目標に向かって真っ直ぐに努力している姿が、すごく美しいと思っているんです。

BONUS TRACKは、各テナントが声を挙げ、みんなでひとつのイベントを開催しているのが印象的ですよね。きっとそんな「やりたい!」という気持ちを実現しやすい場所だと思っています。9月に行った『夜市』なんかが、まさにそれで。今はまだ抽象的ながらも、「やりたい!」や「やってみたい!」という気持ちを持ちながら、BONUS TRACKのテナントのみなさんやお客さんと協力して、ひとつのことに向かって挑戦をしてみるというのが僕の夢です。これからも、どんどん積極的に提案しながら、何か楽しいことをやれたら嬉しいですね。



今回のインタビューはyoutubeで公開配信をしたものの一部を抜粋しています。全体のお話については下記のyoutubeよりご覧いただけます。
https://youtu.be/lIRhIjx4O24
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取材・撮影/平井 萌 文/三浦 希

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