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知り合いからのお誘いーDr. Tの転職ー

医師の転職支援をしています。

意外に多いのは、
御自身で転職活動をされていた医師が
自分が思い描いていた転職活動にならず、
DEPOCに相談を頂くことがあります。

どんな処で、
思い描いていた転職活動にならなかったのか。

■ 医師の世界は狭い


文部科学省が発表している
【医学部を置く大学一覧(令和元年度)】
という資料があります。


文部科学省医学教育調べ

そこから見ていきますと、
国公私立全部で
81大学。

そして、
医学部の定員数は
100名前後。

大学同期は
100名いるとして、
国師に受かって
医師になってから、
同じ科目を選択する人は、
そんなに多くはありません。

以前にもブログに書いていますが、
医師の転職支援をしていて、
医療機関の面接日に
医師をお連れすると、
面接そっちのけで、
知人・先輩の近況の話で
盛り上がる( *´艸`)
そんなことが多々あります。

面接に同席している
エージェントとしては、
“大学も違うのに、
同じ科目というだけで、
そんなに繋がっているものなんだ“
と恐れおののいております^_^

“縦社会、ここにあり!”
と同時に、
“医師の世界は狭い”
をエージェントが実感するのが
医師の面接かもしれません。

■ Dr.Tの場合

Dr.Tの専門は外科系。

こういう言い方が
適切ではないのが百も承知ですが、
“手術してなんぼ”の科目。

医局という縦社会の中で、
ご自身の専門に関する
専門医・指導医を取得。

とあるタイミングで、
医局を退局。

Dr.Tの専門を
活かせる病院に転職されました。

そこでもバリバリ手術をされ、
外来診察をし、病棟管理もし、
活躍されていました。

数年後、院長交代の時期が
やって来ました。

ある程度の年齢に
なられたDr.T。

院長にお誘い頂き、
現在の病院に転職されたこともあり、
院長と一緒に病院を去る決断をされます。

ここからDr.Tの
転職活動がはじまりました。

■    知り合いからのお誘い

Dr.Tの
医局退局後の勤務先は
ほぼ知り合いからのお誘いで決めた
医療機関でした。

その為、
今回の転職活動も
御自身での転職活動はされず
お知り合いからお誘い頂いた
医療機関に転職するはずでした。

“はず”でした。

そう、今回、はじめて
Dr.Tの思い描く様に
転職活動が進まなかったのです。

結果、どうなったか。

私どもDEPOCに
相談頂くこととなりました。

■    どこまで話が通じているのか

今回のDr.Tの場合、
お知り合いのDrとは
意思疎通はバッチリでした。

そりゃそうです。

お知り合いのDrからしてみれば、
Dr.Tが一緒の医療機関で働いてくれることは
メリットしかありません。

手術を待って頂いている患者さんの、
手術を待つ期間が短くなる。

Drが増えることで、
自分がやりたいと思っても
対応できなかったことが
できる様になる等。

あげだしたら、
際限がないです。

入職日も間近になった頃、
Dr.Tの転職に
“待った”がかかりました。

医療機関の上層部が、
Dr.Tの入職に
”待った”をかけてきたのです。

よくあること、
と云っては
申し訳ないのですが、
“医療業界あるある”です。

同じ科目のDr同士で話していても、
雇用するのは医療機関です。

お知り合いのDrが、
医療機関の上層部まで話を持っていって
筋を通しているのか、

もしくは上層部までいかなくても
医師招聘担当に話を通しているのか、
その辺りがしっかりしていない場合

お話がなくなる可能性があります。

今回のDr.Tの場合が
そうです。

ただ、この出来事は
Dr.Tだから起きたことではなく、
お知り合いのDrからのお誘いで転職するときに、
“あるある”なこと
でもあります。

■    気を付けたほうがよいこと

転職活動で
“口約束”ほど
怖いものはありません。

通常、人が雇用されるとき、
雇用主(医療機関)と被雇用者(医療従事者)の間で、
労働条件の内容を明らかにする【雇用契約書】もしくは
【労働条件通知書】を貰います。

参考になるかと思いますので、
【厚生労働省の人を雇うときのルール】
ご覧下さい。

DEPOCが伺う相談の中には、
知り合いからのお誘いで転職する場合、
【雇用契約書】【労働条件通知書】等の
書類関係のやりとりがされない
ケースがあります。

ですので、ご自身の給与、
医師の場合は年俸になりますが、
年俸の額も知らないで
転職しようとされる医師もいたりして、
私どもが驚くことがあります。

Dr.Tの事例をあげてお話させて頂きましたが、
お知り合いのDrからのお誘いで転職するのは
お止めになった方が良いというお話ではありません。

新しい職場で知り合いがいた方が
馴染みやすい場合もありますし、
一緒に高みへと昇っていければ良いと
私どもも考えています。

ただ、先生を新しい職場に誘って下さった先生が、
こういった事情を知らない場合もあるので、
先生御自身でお気をつけ下さい。

Dr.Tがどうなったのか?については
また次回以降のブログでご紹介させて頂きます。

2008年から医療業界におりますので、
色々な医師の事例をみております。

医師の皆さん、
何かお困りごとがありましたら、
DEPOCにお声かけ下さい。

以上

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