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日常のステップ #35 「さみしさって100色あんねん」

電話口で「でもな、さみしさって100色あんねん」って言われた時、思わずツッコんでしまった。「いや、アンミカやん。」

でも、言いたいことが痛いほどわかった。

例えば、特定のパートナーがいないときのさみしさと、
パートナーがいる時に、分かり合えない、相手がそっけない、そういう時のさみしさは、色が全く違う。

前者のさみしさにはどこか爽やかが漂うのだ。そして、いつかきっと分かり合える人と巡り合える、という希望が感じられる。ジャーニーの"Don't Stop Believing"が、"Stranger's waiting(誰かが待ってる)"と歌っているように。色に例えると、水色とか、エメラルドグリーンみがある。

後者は、分かり合えるはずの人(パートナー)と分かり合えない、そのさもしさだ。遅効性の毒のように、精神をむしばむ孤独感だ。向き合おうにも解決しない場合、(かなしいけど)期待値を下げるか、その人との関係性を(多くの場合より遠い関係に)変化させるしかない。
色だと紫、灰色、そんなところだろうか。

そういえば、フレンチポップスの「恋はみずいろ」という歌は、

Gris, gris, l'amour est gris
Pleure mon cœur lorsque tu t'en vas
灰色、灰色、恋は灰色
あなたが行ってしまうと私の心は泣くの

とか

Bleu, bleu, l'amour est bleu
Le ciel est bleu lorsque tu reviens
青い、青い、恋は青い
あなたが戻ってくると空が青い

とか、心を色で表現した歌詞が出てくる。
あなたがいないと心が灰色になって、戻ってくると水色になる、
そんな素直な歌詞に共感できる日と、胃もたれするような日を行き来しながら過ごしている。


恋が始まった時の無類の楽しさ。人生が色とりどりになり、バイトに行く足も軽やかになる。連絡の一つが嬉しい、飛び跳ねたくなる。

ひとつの恋が終わり、また自分に"帰ってくる"時の爽やかさ。誰かに振り回されることはもうなく、自分の足で立ち、ありたい姿をまた追求し始める。

どちらも同じくらい、色に満ちて美しい時間なのだ。

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