感謝(匿名の)

毎月、月初に神社にお参りをしている。
前月の反省とか今月の抱負とか、後はお願い事をしたりしている。

昨年末までは一年半ぐらいずっと、家内の心が少しでも軽く、楽になりますように、ばがりをお願いしていた。
その家内は年が明け類友頃からようやく落ち着いてきた。

その入れ替わりで、次は子供が高校受験を迎えた。
それまでは家内にかまけて優先的に祈ってやれなかったが、今度は子供が、悔いなく力を出し切れますように、とそれだけを願った。
子供は無事志望校に合格した。

こうして僕らは新しい生活を始めて、ひと月が過ぎた。
僕はまだ新しい環境に慣れることができず、ばたばたと疲弊している状況だ。

そして今日、また会社帰りにお参りに行った。
新生活の慌ただしさで月も半ばを越えてしまい、鳥居での一礼も一層腰が低くなった。

心を静かに手を合わせてみて、ふと戸惑ってしまった。
“あれ?何をお願いすればいいんだ?”

その時に初めて気が付いた。
そうか、大きな願い事がもう叶ってしまったんだ。

なんと罰当たりなことだろうな、と可笑しくもあり、神様に申し訳ない気持ちにもなった。

ひとまずは、新しい生活を家族で迎えられたことに感謝を述べた。

もちろん今の生活はゴールではなく、ある意味では新たなスタートである。
走り始めたらまた、色々なことが起こるのだろう。
また神様に何かをお願いをしに来ることがあるのかも知れない。

すがるもの、心の拠り所となるものがあるというのは、こんなに心強いことなのだな、と、今となって改めて感じる。
そんなこともとりとめもなく感謝した。

新しい住所はまだ暗記出来ていなかった。
匿名の感謝だが、神様には届いただろうか。

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