20歳のとき、女一人でアメリカ大陸横断しました。④世界一の絶景!グランドキャニオンへと33時間の乗車でシカゴへ

私は6年前の20歳の時、留学中のアメリカで大陸横断しました。

一人で電車に乗って揺られること120時間、約2週間の旅は一体どうなったのか?その一部始終をお伝えしていきます。


ロサンゼルスを夕方に出発したアムトラックは、約11時間かけて、グランドキャニオン麓の駅に着く予定だ。

私が3日前に出発したシアトルはワシントン州。そこからオレゴン州の農場をぶっちぎり、アメリカ最大の州であるカリフォルニアに着いた。

カリフォルニア州では、北部のサンフランシスコと南部のロサンゼルスを楽しみ、次はグランドキャニオンのあるアリゾナ州に向かおうとしている。

アリゾナ州に入る前にはネバダ州があり、世界一のカジノ街であるラスベガスで一晩楽しむ人が多い。しかしアメリカでラスベガスを楽しめるのは21歳から。これはお酒が飲める年齢と同じである。

だから当時20歳だった私は泣く泣くラスベガスを割愛したというわけだ。

以上、アメリカ西海岸の地理の復習でした。それでは旅行記に戻ろう。


朝になり、列車は駅へ着いた。

グランドキャニオンの膝下、フラッグスタッフだ

アメリカ一の自然遺産と言われるグランドキャニオン。その駅はさぞかし立派だろうと思いきや、あれ?ここが駅?? 駅は驚くほど小さく、人も5人くらいしかいない。観光の大きなツアーデスクもなければ、ただただほのぼのとした田舎の駅感が目立つ。


まあ、いいか。とにかく私は予約していたホステルへ向かった。申し訳ないが、2晩連続車内泊を過ごした私の体はボロボロになっており、この辺りの記憶がない。ただ、とにかくここは田舎だったとよく覚えている。

ホステルに着き、私はバタンキューで眠った。よし、グランドキャニオンへは明日行こう。


zzzz zzzz


夕方になって私は起きた。そういや腹が減った。しかしこの辺りはマクドナルドやサブウェイなども何も無い。当時はスマホもなかったから、とにかくフラッグスタッフの街をブラブラした。


するとスーパーが見つかった。スーパーはローカル故か、新鮮な野菜や果物がたくさんあり、テンションが上がった。海外のこういう、盛り盛りなディスプレイはそそられる。(こんな感じ⬇︎)

私は適当に果物を買い、ホステルに戻って食べた。

さて、明日の予定だが、また明日は夜からアムトラックに乗るから、なんとしても朝からグランドキャニオンに行かなくてはならない。寝坊なんぞしたら、2週間の鉄道旅計画が全て狂う。


私はホステルのデスクへ行き、グランドキャニオンに行く方法を聞いた。どうやら毎朝3本ほど駅からグランドキャニオンへのバスが出ているという。私は1番早い、7時30分出発のバスを予約した。


明日のために、早く寝る

さて明日は朝早い、それに超広いグランドキャニオンの散策だからなんとしても良く寝たい。しかし、さっき夕方まで寝てしまったのもあって、なかなか眠れない・・


私はようやく2時くらいに眠れた。


翌朝、5時ー


ガチャッ


「This room is xxoo〜〜!?」

「Oh, yeah 〜 but xxoo!?」


なんだ・・こんな朝早くに・・ 私は話し声で目が覚めた。

ベッドから起き上がると、女の子がどうやらチェックインしているようだ。

朝の5時にチェックインとは、なかなかサービスのいい宿泊施設である。おそらく、駅に着く電車の時刻に合わせてオープンしているのだろう。

私はもう眠る自信がなかったので、女の子に話しかけた。


私「Hey, I am Kayo. You just arrived?」

女の子「Hi, I’m Marsha. I come to visit Grand Canyon but too tired to go today.」

私「Hmmm.. I am going there by bus and already resesved. Why don’t you come with? 」 Marsha「That’s good idea. I didn’t search to get there so, let’s go together.」


と、いうことで、「疲れていて今日は行かない」と言っている女の子にダメ元で誘ってみたら、一緒に行ってくれることになった。海外ではダメ元でも誘ってみると案外意見を変えて乗ってくれたりする。


彼女の名前はマーシャ、ロシア出身だ。アメリカ含め、世界を旅する中でロシア人に出会うことは少ない。さすがロシア人、綺麗だった。

小さすぎて綺麗さが伝わらないけど、この子!


いざ、グランドキャニオンへ!

それではグランドキャニオンへ向かおう。私たちはフラッグスタッフ駅へ行き、バスを待った。時間より早くバスは到着し私たちは乗り込んだ。乗客は12人ほどで、空いていた。


グランドキャニオンまで向かう道はひたすら砂漠だった。これまで旅してきた西海岸では広大な農場風景は見てきたものの、砂漠は初めてだった。いよいよ私はアメリカの内部に入ってきたことを強く感じた。

砂漠を見ながら40分、すると山がちになってきた。それから20分ほどたっただろうか、急にバスは開けた場所に出た!!


うおおおおーーー!!!

な、な、な、なんだこれは!!??広い!視界が広すぎる!!これは絵でもトラックアートでもなく、リアルなのか!!??


私は興奮したままバスを降り、マーシャと一緒にワーワー言いながら崖っぷちまで行った。すっげー・・・こんなに広い大地があるのかよ・・

手すりの所まで近寄り、再度私達は興奮する笑 ただこれはまだグランドキャニオンの入口。ここからハイキングは始まるのだ。


グランドキャニオンをハイキング

グランドキャニオンの中は、分かりやすく順路が示されてあった。所々上級者用コースもあったが、きちんとそこには立て看板があったので、私たちは初級者コースを選んで歩くことができた。

それにしてもどうしてグランドキャニオンはここまで地面がパカーって水平に切られたような形をしているのか??昔はここは1面の地面になっていて、それから地面が崩れて崖になったのか??地平線とはこのことか??(よくわかっていない)


ところどころ出現してくるリスも可愛い。ここのリスは麓のリスよりひとまわり大きく、プレーリードッグみたいだった。

1時間ほど歩いて思ったのは、グランドキャニオンはこの見た目ほど暑くなく、気温は30度はあるだろうが、非常にカラッとしていてきつくはなかった。

ここはきっとおじいちゃんおばあちゃんでもいける。というかおじいちゃん達がいっぱいいた。彼らはキャニオン内をバスで移動していたようだ。

さすが世界遺産、ど迫力の雰囲気は残しておきながら、安全性も考慮して、道路が整備されているなど舗装はしっかりしている。コンビニみたいなのもあり、脱水の心配もない。


私はアイスを買って食べた。グランドキャニオンでのアイスは最高!!

アイスの向こう側にいるアメリカ人を見てわかると思うが、結構みんなラフな格好で来ている。サンダルで来ている人もいた。ちょっと世界遺産を見たいだけだったら、簡単な格好でも全然いける。


日本からグランドキャニオンへ行く方法

手軽にいけるのに、絶景が見れるグランドキャニオン。日本から出発すると少々時間がかかるが、キャニオン自体は周りやすいので、死ぬまでに絶対行って欲しい!


日本からグランドキャニオンへ行く方法は、一度ラスベガスで遊び、そこからバスツアーでグランドキャニオンまで行く方法が今一番人気があるだろう。

日本からラスベガスへ直通する飛行機はほとんどなく、だいたいロサンゼルス辺りについて、その後ラスベガスへ乗り継ぐのが一般的だ。


もしくは自分たちでレンタカーを借りればかなり自由のきく旅ができる。アメリカの道路は広いので、そこまで臆することはない。25歳以上であれば簡単に車は借りれるので、日本から空港にカウンターのあるレンタカー会社の車を予約しておこう。


もちろん、私のようにアムトラックでロサンゼルスかラスベガスからフラッグスタッフ駅に入り、そこから1時間ほどのバスでグランドキャニオンへ行くという方法も、大ありだ。


グランドキャニオンを離れ、次は33時間の乗車!!

私たちは5時間ほどグランドキャ二オンを周り、お土産やさんにもよって、充実した気持ちで帰路につくことにした。帰りはなんと夏のグランドキャニオンでは珍しいことに雨が降り、落雷までしていた!!今朝グランドキャニオンに行ってよかったぁ〜〜〜と思った。


キャニオンを巡った私はヘトヘトになりながら、ホステルから荷物を引き上げ、またフラッグスタッフの駅に向かった。なんと今日はこれから33時間アムトラックに乗車して、一気に北アメリカの大都市、シカゴへ向かう。


ちょっと無理をしすぎているかもしれないが、20歳の私の体力はまだまだ行けた。


さて、電車が来た。



アムトラックに33時間。グランドキャニオンからシカゴへ

アメリカ中部というのはこれといって観光スポットがない。これまで西海岸を巡ってきたが、ここからは一気に北東へ向かい、シカゴに行くことにした。


「シカゴに行くことにした」と簡単に言ったが、グランドキャニオンのあるフラッグスタッフ駅から、シカゴ駅は約2,300km。これは九州から北海道へ匹敵する距離だ。

この区間を33時間かけて移動する。休憩や中継は、ない。つまり33時間乗車しっぱなしということだ。



33時間、電車に乗りっぱなし・・・



こんな経験、日本では絶対ないだろう。でもアメリカなら、あるある。


というか自分の旅程次第では何十時間でも乗車しっぱなしになる。


フラッグスタッフ駅を出発。33時間乗車のスタート

さて、グランドキャニオンを見たその夜、私はまたフラッグスタッフ駅へ行った。


ちょうどこの頃、シカゴにはハリケーンが迫っており、アムトラックはハリケーンで1日運休になる可能性があるというアナウンスを流していた。


「ぐぬぬ・・・もしかしたらハリケーンでシカゴ入りが遅れるかもしれない」


そう思い、すでに予約していたシカゴのホステルに遅れるかもしれないというメールをした。


するとホステルからは「もしも日程が変わるようだったら連絡をくれ。次の日に予約変更するから」という返事が帰ってきた。


や、やさしい・・・海外では”言ってみる”と意外とイケることがあるから困った時は相談してみるといい。


シカゴへ向かってレッツゴー!

というわけで、フラッグスタッフ駅からシカゴ行きの電車に乗った。

これに乗ったが最後、これから1日半近く電車の中である・・・。


今日もいい天気だ。さっそくアムトラックはアメリカ内部へと向かっていく。


シアトルから出発したこの横断旅は、最初は西海岸の冷涼さを感じていた。


しかしアメリカ内部は違う。昼になると30度超えはもちろん、砂漠に反射する日差しが眩しい。


アメリカ内部には「ニューメキシコ」という土地があるが、その名も頷けるほど砂漠とサボテンの風景がひたすら続く。


この光景は観光地として人気のあるアメリカ西海岸や東海岸では見られない光景だ。

電車に乗って6時間。まだまだこの光景は続く・・・。




駅のホームでバザー

さて、朝になった。乗車して12時間はたっただろうか。


普通私たちが旅をする際、どんなに長い飛行機に乗っても15時間が限界だが、このアムトラックはあと21時間走る。まだまだ旅程の1/3だ。


するとアナウンスがなった。


アナウンス「Good morning. We will soon get a brief stop at next station.」


なんと!次の駅で休憩があるというのだ!嬉しい。


もう座っているのはこりごりだ。そう思い、意気揚々と電車の降り口に行った。


今日も天気がいな〜と思いながら外を眺めると電車は田舎の駅に止まった。


ふ〜〜む、なかなか趣のある建物だ。中東っぽい感じ。駅の名前は忘れたけどw 


そうやって眺めていると駅のホームで小さなマーケットが開かれていた。

マーケットというのはその地域で売っているものに特徴が出る。


フランスのマルシェでは新鮮な食物が売られるし、インドのバザーではひたすら大量の衣料が売られていた。


さて、ここアメリカ内部のホーム・マーケットでは主にアクセサリーなどの手工芸品が並んでいた。なるほど、手作り市みたいなものだな。

いずれにせよ、さすが改札口があけっぴろげなアメリカの駅。ホームでマーケットを開くというのが面白い。


さて、リフレッシュもしたし、電車に戻ろう。あと21時間、何をしようか・・・・


ずっと席に座っているのもつまらないしここは食堂に行ってみよう。


アムトラックの食堂は「食堂」といえど、予約客にディナーを出すくらいで、あとはフリーのオープンスペースとして開かれているものだった。


食堂だと広々していて開放感があるし・・・と思い、行くと大勢のお客が食堂でリフレッシュしていた。


みんな考えることは同じか! 確かにこの長距離の移動だとみんな黙って自席に着いておくことができないのだろう。


とにかく私も食堂のテーブルに座って、日記を取り出してこの旅の行方を徒然と綴った。


・・・やっぱり日記はいい。あっという間に2時間も3時間も経っているのだから。


気づくと食堂の人はガランと減っていた。


電車に乗って16時間。まだまだ半分だ・・・・


車内から見た風景。アメリカの田舎は殺伐としたところも多い。



世が明けた

いったい何時間経ったのだろう。


33時間の乗車中、スマホもない、本もない私はいったいどうやって何十時間も電車に乗っていたのだろう。


33時間の乗車なんて、我々の日常生活じゃ考えられないが、何度も長距離列車に乗っていると次第に慣れてくるものだ。


何もやることがない、何もできない時間というのも悪いものではない。


・・・・


私はぼーっとして外を見た。この感じだとなのだろう。


まだ寝ている人たちがいる。今日の日付は・・・・


2011年8月3日。8月1日の夜に電車に乗ったから、まる1日はもうすぎたのだな。


しばらくしてアナウンスがなった


アナウンス「Good morning. We will soon stop at Chicago Union Station」


きたぞ。シカゴに来た。 私は準備をした。



ハロー、シカゴ!

やっとの思いでついたシカゴ。ただ、33時間の乗車も悪いものではなかった。


私は電車を降りて駅を歩いた。


ウワァァァアああああ!! 大きな駅!!ってか人が多い!


そう。これまで西海岸のゆったりとした文化で暮らしていた私にとって、アメリカ北部のシカゴは大都会だった。とにかく人、人、人!

走っているアメリカ人もいる!アメリカ人でも急ぐんだな、というくらい驚いた。


大きな荷物を持った私がドアから出ようとすると、「Excuse me!」と言われる始末。


あああ、めまぐるしい・・・


カルチャーショックが強すぎて大変だ。


ここは一つ休憩しようと思い、マクドナルドに入りコーヒーとソフトクリームをいただく。

シカゴユニオンステーションのマクドナルドは趣がある。


マクドナルドを出た私はとにかく静かな場所に逃げたいと思い、早速電車に乗って予約したホステルへ向かった。


都会の中心を離れるとキレイなシカゴの街


電車で3駅ほど行っただろうか。


中心駅からそこまで離れていない場所なのだが、降り立つと静かでとても雰囲気のいい場所だった。

シカゴ街近郊の住宅地。右の国旗がある建物が私が泊まったホステル。


私はホステルにチェックインし、荷物を置きに行った。


あああ、疲れた いや疲れていない。いや疲れた。


電車の中に33時間という「動かなさすぎて疲れた」。


このままじゃ今晩はよく眠れない。とにかく歩こう。


そう思い、寝る間もなく外に歩きに行った。


何かシカゴで面白いものを見つけよう・・・とするも、だめだ。疲れすぎていて私の気力も体力も”面白センサー”を動かせなくなっている。


こうなったら特に何も考えずにズンズン歩こう・・・・


ズンズン歩く。綺麗な建物だ。

ズンズン歩く。ビクッ!人かと思った。。

ふ〜~っ、公園でひとやすみ。やっぱりシカゴは都会だなぁ。

でも東京やバンクーバーのような新しいビルではなく、昔からの映画に出そうな雰囲気だなぁ。


ズンズン歩く。おっ、ドロシーだ!?

ズンズン歩く。ん?なんだ、ここは?

「シカゴ・チルドレンズ・ミュージアム」か。あ、お金とるのね。じゃ、いいや←


ちょっと待て。たくさん歩いてお腹が減った。ソフトクリーム食べたい。

またもやマクドナルドのソフトクリームと、今度はスターバックのアイスコーヒーを飲む。


アメリカはスタバの発祥地だから、日本と同じ味なのに、値段が安いんだよ・・・・・んっ?た、高い!!シカゴのスタバ、シアトルのスタバより高いよ!!


なんと、シアトルではショートコーヒー1ドル29セントがシカゴでは2ドル54セントだった!


倍近く違う!


確かに日本では4ドル近くはするけど、それでも同じアメリカ国内でスタバの値段が違うのか!衝撃だ・・・・。


私が住んでいたシアトルは毎日約100円でスタバのコーヒーが飲めていた。


それって他の州の人から見たらアドバンテージだったのかもしれない・・。


まぁ、いいや。疲れた体にソフトクリームは。。しみる。。。



次はワシントンDC

さて、やっとの思いでやってきたシカゴ。


シカゴといえば有名な観光地だが、どうやら私はここで旅の中休みをしたかったようだ。


夕方にホステルに帰り、相部屋の人たちとお話をして1杯のビールを楽しみ床についた。。。


世が明けたらまたすぐにアムトラックに乗り、今度はアメリカの首都、ワシントンDCに向かうんだ・・・・。







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