就活に意味のあるインターンと意味のないインターン

インターンは細分化できる

「インターンには行った方がいいですか?」と、よく質問を受けます。

答えは、「意味のあるもので、行きたいなら行けばいい」です。
どういうことか、詳しく解説していきます。

インターンの種類

①ワンデイ・インターン
②短期インターン(サマー・ウインター等)
③長期インターン
④ベンチャーインターン

多くは、これらのいずれかに分類できます。

①ワンデイ・インターン

これは唯一100%行く必要がないインターンです。
そもそも、就活生の皆さんがインターンに行った方が良いのか?と考える理由は、何があるでしょうか。

・インターンに行けば(もしくは良い印象が残れば)本採用面接に有利に働く、ないしはインターン後に内々定が貰えるという噂を聞いた。

・インターンに行って、志望企業への志望度をアピールする

つまり、結局のところ、「就活に有利に働くか」が知りたい人が多いのではないでしょうか。これに唯一全く関係しないのが、ワンデイ・インターンです。

就活生は、自分視点しか持っていないため、一方通行の目線になりがちです。しかし、企業も採用活動には資金をかけているため、企業の各インターンの目的を知ることで、自ずと正解は見えてきます。

ワンデイ・インターンの最たる目的とは、「企業のPR活動」です。
主に内容は、企業説明・社員紹介・質疑応答・ワークショップ形式等の1日職場体験、職場見学などです。

たった1日ですから、採用に直結する学生の選考は行えるケースは少なく、就活に置ける企業PRの一環として位置付ける企業が多いということです。
また、そこで提供される情報などは、あくまで「企業PR」が目的ですから、表面的な情報であり、HPや外部向けに出している情報とそう大きくは変わりません。その企業で働いているリアルな内容が知れると思ったら、実態はそうではないと思っておくべきでしょう。

そのような中で、”キャリタス就活 2019 学生モニター調査結果”によれば、インターンに参加した学生は8割を超えているそう。また、そのうちの約7割の学生が、ワンデイ・インターンに参加しているようです。

では、ワンデイ・インターンのどこに就活生はメリットを見出しているのでしょうか。

中には、
・志望企業を深く知ることが出来る
・自己PRに役立てることが出来る

などという意見を持つ学生もいることでしょう。

私の持論としては、散々他の記事やTwitterで述べているように、就活も”量×質”による確率論で実践すべきですから、自分で調べればわかるような薄い表面的な内容を知るためだけに、丸一日の時間と移動の体力と資金を使って、いちいち参加する意味が全くないと考えます。

価値は0%かと言われれば、そうではないですが、その分の時間があるのであれば、遥かに有意義に使うことが出来るため、圧倒的に時間のムダであるということが言いたいわけです。

本当にダントツここしかない!と思える企業があるのであれば、1、2社であれば、いいかもしれませんが、それ以外は行く必要性は皆無です。

私の記事の「就活は確率論」を見ずに、先にこちらの記事を見た方は、「時間のムダと言われても、そこまで毎日切羽詰まっているわけではない」と思う方が多いと思います。

もちろんそれが一般論だと思います。

しかし、逆を言えば、だからこそ大半の一般層に埋もれ、「就活の一握りの成功者」になれないのです。周りと同じことをして、うまく行くのは、就活において有利な属性を持つハイスペックな学生だけです。

何も持っていない一般学生は、周りと違う、理にかなった努力(質)を、最大限就活につぎ込む(量)ことで、優良企業の内定を、やっと勝ち取れるのです。

就活を甘く見てはいけません。

受験勉強、1日10時間平気で努力できた人間が、大学よりももっと人生を左右する就活においては、なぜ毎日努力せず、勝手に志望企業を数社に絞り、自ら可能性を狭めてしまうのでしょう。

「就活は確率論」の記事をご覧になられた学生であれば気づいている方も多いと思いますが、選考に関係のない薄い内容に時間をかけるくらいなら、一社でも多く優良企業にエントリーし、”打席(面接)に実際に立つ”ことに時間を費やすことこそが、自身の就活能力の引き上げと、選考慣れ、滑り止めの内定企業、就活の精神面の安定(内定が複数ある、最終面接の駒がいくつもある等)を勝ち取り、有利に就活を進めることが出来るのです。

私は過去からも何度も発信してきましたが、自己分析・行きたい企業の選別は”受かってからすればいい”のです。

いくらワンデイ・インターンで、企業理解が深まろうが、自分にあっていると感じようが、受からなければ始まりません。

ちょっと調べればわかるような内容ばかりの、大多数の学生が参加するワンデイ・インターンで仕入れた情報を面接で伝えたところで、なおさら他の学生と志望動機も似たようなものになり、埋もれて終わるだけです。

もっと戦略的に、効率的に就活を行うすべがあるので、
ワンデイ・インターンへ時間を割く必要はありません。

②短期インターン(サマー・ウインター等)

こちらはメリットとデメリットが表裏一体なので慎重に挑むべきインターンです。

こちらは選考に直結する企業もあります。実際にインターン後に内々定が出たり、本選考で優遇されたりと、インターンへ行くことでメリット自体はあります。

こう聞いて、「受けよう!」と、真っ先に申し込みに手が伸びる学生は、要注意です。

よく考えましょう。

前述にて、「自分目線だけでなく、企業目線でも就活を捉えることの重要性」について説いたはずです。

もちろん、この短期インターンにも落とし穴が存在します。

それは「インターン選考に落選したとき」です。

もちろん、インターンに受かり、好成績・好印象を残せば、有利に働くことがある一方で、逆にインターン選考・面接で悪い評価が下れば、本選考の際にマイナスに働くことやES段階で弾かれることもあります。

企業活動は統計学やデータ蓄積を多用しますので、一度選考を受けた学生が本選考にも申し込みをしたとなれば、データベースで管理しているデータと照合し、過去どのような記録だったのかは一目瞭然です。

採用も時間とコストがかかりますから、すでに能力がない、マッチしないと判断が下された学生に割く時間は大手人気企業になればなるほどなくなり、ふるい落とされます。(ベンチャー企業など、申し込み件数が捌き切れる程度の母数の企業であれば話は別ですが)

ですから、基本的には就活偏差値がまだ低い状態の早期に勝負を仕掛けるのではなく、しっかり準備をしたうえで、本選考で高い評価を受ける方が理にかなった就活攻略方法と考えられますし、現にこの手法で、過去指導してきた学生を成功に導いてきました。

一方で、インターン選考時代から優秀な学生はどこのインターンにも通過していましたし、そのような学生は言わずもがな本選考でも内定を多数獲得しますし、外資系金融やコンサルなどに就職を決めるなどの成果を納めていました。

一部そういった優秀な学生もいますが、そうではない学生は、インターンに受かったもののインターンでの評価も低調、もしくはインターンに受かりもしないなどの結果に終わると、最終本選考でも結果が振るわないケースもたくさん見てきました。

これらを踏まえて、短期インターンはよく考えて挑みましょう。
私からのアドバイスとしては、一般学生は短期インターンは積極参加の必要はなく、ひたすら来たる本番に向けて、早期から準備(自身の能力工場、PRの質の向上<ES、自己PRなど>)に努めることが重要だということです。

③長期インターン

長期インターンはメリットが大きいです。

とはいっても長期インターンを実施している企業自体が少ないため、就活というよりかはある程度ロングスパンの内容になります。

メリットは、

①長期インターン先の企業にそのまま就職できる確率がある
②長期インターンの経験がそのまま自己PRやアピールポイントになる

大きくはこれら2点です。
こちらは特にデメリットも就活においては考えにくく、早期に良い内容があるのであれば実施しても良いでしょう。

④ベンチャーインターン

こちらは、私の指導する学生への意図とは逸れますが、一般論として伝えます。

ベンチャーのインターンは大きく2つで、
①長期インターンと同義で、社員でなく安く学生を雇用する目的でのインターン →そのまま有能だと判断されればその企業へ就職に繋がる
②就活選考時期の短期インターン
 →複数日〜1,2週間の拘束がされるインターン
  こちらはインターンからそのまま採用まで直結するケースがほとんどのため、インターン=実質選考ですので、必ず参加必須です。

いずれかに該当するケースがほぼ全てですので、ベンチャー企業においてインターンは採用への近道もしくは必須の要素となるケースが多いです。

しかしベンチャー企業は、給与面、勤務時間面、労働環境などにおいて、大手のホワイト企業よりも整っていないことが多く、よっぽどの自信や志望度合いがなければ、就職してから後悔することになります。

その後の転職活動も、大手企業からの転職とベンチャー企業からの転職では待遇も難易度もわけが違いますので、一般学生はファーストキャリアは、

給与・休暇日・待遇などが整った大手企業に就職するのが本当に良いです。
就職前に自己正当化でカッコよくベンチャー企業を語る人も、就職して2,3年経てばコロッと代わり、大手企業勤務への嫉妬心が顕著に出てくるのを大勢見てきました。

その辺りをよく考えて、就活を過ごす必要があると思います。

私の持論では、上記インターンの背景を踏まえて、そのうえで行くべきインターンがあれば行けば良いですし、無駄なインターンや、デメリットのリスクがある場合は行かない選択をすべきだと思います。

大手企業やベンチャー企業もそれぞれ特徴が違いますから、
大手・ベンチャーそれぞれ選考を受け、そして内定もそれぞれもらい、内定を得た後で、大手・ベンチャーどちらに行きたいのか考えるべきです。

大手しか内定がなければ大手を正当化しますし、ベンチャーしか内定がなければベンチャーのいいところを考え出すのが人間です。

あくまで、内定をとにかく獲得し、そのあとに自己分析を行い、本当に行きたい企業、自身にあう企業へ就職することが理想的だと考えます。

そんな就活の一つのフェーズがインターンですので、
今回の記事を参考に、自身の就活へ是非活かしてみて下さい。

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