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【詩】けして

途方にくれたフリをして
僅かな段差に腰をかけながら
「どうでもいい」の終末を眺めていた

24年来の親友が壊れたので
ヴィヴィアン・ウエストウッドのライターで
代わりに火を点ける

警告音で弾き出される連続に
いい加減に疲れが隠せない
右端が揃わないでいる
最近の薄っぺらさのせいだろう

そんな日に限って
早く来る人

法廷速度を守る僕の
走行距離は96794㎞
ハイビームに散々煽られて
通りすぎる様
窓越しに覗かれた

そんな日に限って
嫌な音を出す人

ボクハキミガキライ

途方にくれたフリをして
僅かな段差に腰をかけながら
そんな「どうでもいい」の週末を
手を振って見送ってやった
これにて終末

だから僕は僕の終末に
このことを思い出すかといえば
けしてそうではないだろう
けして思い出さないだろう

けして
けして
けして

嫌なことならすべて
「どうでもいい」と
タバコの火を消すように

消して
消して
消して

そう、魔法のように
走馬灯が思い出させてくれるのは
きっと「どうでもよくない」ことばかり
きっと幸せなこと

僕は君が好き



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