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10 棕櫚咲いてかりっと完璧なトースト

 句集「むずかしい平凡」自解その10。

 写真をトーストにしようかなとも思ったんですが、ごめんなさい、探しても完璧なトーストの写真はなかったので、棕櫚にしました。棕櫚のつぼみですね。これからふわっと咲いていくところの様子です。

 季節はこれも初夏。あかるく、からっとした風が吹くような天気の朝。

 完璧なトーストとコーヒーで朝食を食べた。

 ただそれだけの句。それ以上でもなく、それ以下でもない。

 でも、完璧なトーストって難しいです。その日だって、完璧なトーストだったかどうかはわからない。

 でも、そんな天気だったことは確か。だから、まあ完璧なトーストということにしておこう、そんなところでしょうか。

 こういうふうな朝食をとりたいなあ、という願望が句になったと思ってください。

 実際には、こんな朝を迎えることは、まずないです、はい。笑

 ただし、「かりっと完璧な」のカ行音にはちょっとこだわったかも。

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