20230809雑記

 暑い。本当に現実味がないくらい暑い。冷房の効いた部屋にずっといる。なんか、外は暑くて、この部屋だけ涼しくて、でも窓の外はジリジリ暑くて、でも僕は涼しい部屋でなんならタオルケットかけてるみたいな現象が好き。演劇の本番中にロビーに出たみたいな、ドラマが起きてる絶対的な空間から抜け出ちゃって、もう取り返しがつかない感じ。取り返しがつかないんだけど、遠くのドアから同じように出てきちゃった奴がいて、取り返しがつかないやつ同士で優しい感じ。

 最近取り返しがつかないということについて考えている。形がないものは非連続的で一瞬で取り返しがつかなくなったり、そのまた次の瞬間には何事もなかったかのようにもとに戻ったりする。それでも本質的な属性がどっち側にあるのかっていうのは重要な気がする。(あるいはどちらの極にも同時に存在できることが天才。)対して形があるものは絶対にグラデーションになっている。取り返しがつかなくなるには、それまでの順序がある。取り返しがつくところからだんだん取り返しがつかなくなっていって、本当に取り返しがつかないラインを超えていく。それを当事者たちが気づいていることは少ない。気づけるやつっていうのは賢いやつで、大丈夫な賢いやつっていうのはそもそも取り返しがつかなくならないから、つまり取り返しがつかなくなっているやつっていうのは二種類いて、気づいてないやつと気づいているのに取り返しがつかなくなってしまう、もう一個基礎の部分から取り返しがつかないやつ。後者は目に見えない部分が取り返しがつかない人種。

 でもそんな基礎の段階から取り返しがつかないやつは、一体いつ取り返しがつかなくなってしまったのだろうか。生まれてからいつ、どこで、なぜ。あるいは生まれる前からいつ、どこで、なぜ。

 そんなことを考える取り返しがつかない今日この頃。

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