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早食いはよくない

小さい頃、母には「早食いすると太りやすくなるから、よく噛んでゆっくり食べなさい!」と言われ、父には「一品ずつ食べ終えるのではなくて、円を描くように、色んなおかずを少しずつ食べなさい」とよく注意されました。
確かに私は、おかずとお米を一口ずつ口に含んで食べるのではなく、ハンバーグが出ればまずハンバーグを食べ、それが終わったら他のおかずに手を付けるような子どもでした。

その後の努力もあり、一品ずつ平らげる食べ方はしなくなりました。ただ、食べるスピードに関しては、自分は食べるのが早いなあと今も思います。(もっとも、社食を文字の通り秒で平らげるおじさんたちのレベルまではいきませんが。あれは噛んでいるのだろうか。)
特に、1人でご飯を食べている時がそうです。誰かとお喋りしながらだとそんなことはなくても、1人だとあっという間に食べてしまうこともしばしばあります。

そういえば高校生の時、「私、早食いなんだよね。噛む回数を増やすようにはしているんだけど」と友達に言ったら、「あ~、そうだね。ぼんが食べてるの、リスがドングリかじってるみたいだもん。噛むのも早いし、飲み込んでから次の一口を運ぶのも早い」と言われたこともありました。
なんと、早食いの原因は噛む回数ではなかったのです。いや、もちろん噛む回数も大事ですが、私の場合は猛烈なスピードで食べていたことが真の原因だったらしいことが発覚し、意識的に早食いを克服しようとしていた身からすれば、「も、盲点だった~!!!」と目からうろこが落ちました。一生懸命ガジガジするリスがぽわーんと頭に思い浮かび、「私はこう見えているのか…」と反省する気持ちが半分、何とも的を得た例えだなあと感心する気持ち半分といった感じになりました。

そしてこの「ドングリをかじるリス」発言以来、噛む回数に加え、ゆっくり噛むということも意識するようになりました。さらに、なんかのTVだかインターネットだかで「食事は最低20分かけるとよい」という、今となってはどこが出どころなのか分からない情報も組み合わさり、今では朝昼晩、どの食事もできるだけ20分かけるようにしています。
理想は、安定したペースで20分かけて食べることです。でも実際は20分の中にスピードのムラがあって、サラダを2分で食べてしまったり、うっかり10分くらいで完食してしまい、デザートのヨーグルトを10分かけて食べるとかいう、めちゃめちゃなペース配分になることもあります。思い起こせば学生時代、長距離走より短距離走の方が得意でした。関係あるのかは分かりませんが。
とにかく、結果はどうであれ、昔から「ゆっくり食べよう」という気持ちだけは持ち続けてきたつもりです。その甲斐あってか、1人で食事をする時でも時間をかけて食べられるようになってきた気がします。

そして今日からは、「一口食べたら日記を一行書く」という独自の試みを始めてみました。以前、書くのがおっくうになってしまった日記を続ける口実にもなるので、一石二鳥です。効果のほどは分かりませんが、なるほど、一口ごとに間を置くと、食べ物がお腹にしっかり収まったぞという実感があります。

もっとも、食事は単に食物を胃に収めればそれでよいという行為ではないので、スピードうんぬんも大事ですが、「おいしいなあ」とごはんを楽しむ気持ちと、「ごちそうさま、ありがとう」と感謝する気持ちを忘れないようにしたいなあ、と思います。

写真は、以前おばあちゃんの家に行った時の食卓です。この写真は夕ご飯の時の様子ですが、私たちが家に着くと「これは家で漬けた大根」とか「この前お隣にもらったおせんべい」とか、食事時ではなくても、とにかく色んなものがテーブルに所狭しと並べられます。「出すと断らずに食べちゃうから、あんまりあれもこれも出さないで」と母は顔をしかめますが、当の孫はそんなことは気にせず、全て美味しくいただきました。



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