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おじさん・おばさん、子供に何て言えばいい?

私たち家族が住んでいるアパートには、月に一度ほど廊下の掃除をしに来てくれる人がいる。

その人が掃除をしてくれている間、大体は家にいて「あっ、今日は掃除の日か~」と感謝はするものの、なぜだか妙に緊張した落ち着かない時間を毎回過ごしていた。別に見られているわけじゃあないのに。

そんなある日、たまたま息子との買い物帰りに、言い方は悪いが「その人」に出くわしたことがあった。

洗剤の泡で水浸しになった階段を、ベビーカーを持って2階まで一緒に運んでくれた気のいいおじさん。

玄関ドアを開けると、待ってましたと言わんばかりに近寄ってきた我が家の黒猫を見て「黒猫か~、うちも飼っていたんだよ」と、猫好きに悪い人はいないという私の謎の信念からか、一気に打ち解けてしまった。

家に入るなり息子の「だれだれコール」が始まる。名前も聞かなかったから、ここはひとくくりで「おじさんだね」と教えておいた。

それからと言うものの、廊下関係のできごと(例えば鳥の糞で汚れていたり、虫の死骸があったり)は全て「おじさん(がやったの)?」と聞くようになった。いやいや、おじさんはむしろきれいにしてくれる側の人だよ。

ほかにも、たばこの吸い殻が道端に捨てられていれば「おじさん?」、新聞紙が駅のホームに落ちていれば「おじさん?」と、おじさんの前に「人」というものを教えていなかったので、何でもかんでもおじさんがしていることなのかと聞かれるようになってしまった。

しかも、たばこも新聞紙もいかにもおじさんが関連していそうで、あながち間違っていなそうだから、本当はおじさんについて詳しく知っているんじゃないかと疑ってみたりもして。(偏見すみません。)

そんな息子は最近は「おばさん」も覚えた。

ただ、おじさんもおばさんも、使う時は慎重にしてもらいたい。

エスカレーターで後ろにいる見ず知らずのおじさんを指差し「おじさん?おじさん?」と言い、近所のあまり親しくないおばさんを見つけては「おばさん?おばさん?」と言う。

おじさんやおばさんを発見して嬉しいのは分かるが、「おじさん」と言われて嬉しいおじさんはいないだろうし、「おばさん」と言われて嬉しいおばさんもこれまたいない。自分がおばさんになってよく分かる。だからと言って「お姉さん」も違うんだよなぁ。あぁ難しい。

子供が言うことだからってみんながみんな許してくれるわけじゃないから、どうしておじさんやおばさんと言ったらいけないのか、いい説明の仕方があればなぁと、明日も悩むことだろう。

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最近は私もジェンダーを意識して、店員さんは男女関係なく「お店の人」と息子に説明することにした。

私が子供の頃は、レジで「これお姉さんに渡して」と母に言われれば、目の前にいるその「お姉さん」に商品を渡していたけれど、もしかしたらそうじゃなかったかもしれない。

幸い、今の私は詳しくはないがジェンダーについて知っている。

傷つく人が少しでも減りますように。

いい世の中になりますように。











































































































































































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