見出し画像

2023/4/4 気になるニュース⑧ 英国TPP加盟合意 フィンランドNATO正式加盟

⭕ 今回は英国TPP加盟フィンランドNATO加盟について簡単にまとめてみました。


① 英国がTPP加盟に正式合意 3/31


✅ 英国は2020年にEU離脱後、経済的利益を求めてTPPに加入申請、3/31全加盟国より合意を受け、正式加入が決定しました。

⭕ 英国のTPP加入の最大の理由は、EU離脱後の落ち込んだ英国経済の「経済成長」と強権国家に対する「経済安全保障」の為と言えるでしょう。

⭕ 英国がEUを離脱した概ねの理由として、欧州中央銀行(ECB)に金融政策を管理されてしまい自由な金融政策が出来ない、EUの中でも比較的小規模な国家や財政難の国家に振り回されてしまう事を嫌がったからでしょう。
 また、シェンゲン協定により移民、難民が自由に英国に渡ってこれてしまう為、英国民が職を奪われてしまったり、治安が悪化したりと、国民の不満が爆発したからです。

⭕ しかし、離脱により経済的成長には大きな痛手を受けます。ここに来てEU離脱による最大デメリット「輸入物価の上昇」が尾を引き、2023年2月の英国のインフレ率は10%強となり、国民の生活は圧迫されています。

⭕ EUにはもう戻る事は出来ない為、新たな経済パートナーを求め、2021年2月にTPPに加盟申請をし、ようやく承認されました。

 英国は太平洋じゃありませんがw

⭕ 英国にとっては半導体企業「Arm社」がソフトバンクの子会社という事もあり、今後の上場案件などを含め相互にとってメリットがあるのではないかと推測されます。

⭕ 我らがキッシーこと岸田総理は「コメが売れる」と大喜びw

英国は11カ国から成る環太平洋連携協定(TPP)に新規加盟する。欧州連合(EU)からの離脱後、新たなパートナー国との経済関係強化を目指す。
  英政府は31日、2年間の協議を経てオーストラリアや日本、カナダなどが参加する「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)」の12番目の加盟国になることで正式合意したと発表した。

出典元 Bloomberg 3/31




② 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定 CPTPP


✅ CPTPP、先進的な協定に進化。参加国間で、物品及びサービスの貿易並びに投資の自由化及び円滑化を進めるとともに、幅広い分野で自由で公正な21世紀型のルールを作っていく事を目的としました。

⭕ 台湾が2021年9月にTPP加盟申請しましたが、同時に中国もTPP加盟申請をしました。台湾に対する牽制です。
⭕ 進化した協定は、完全に中国を意識したルールです
⭕ 「経済安全保障」が色濃い設定ですので中国の加盟は不可能です。
⭕ 英国の加入によって間違いなく「安全保障は底上げ」される為、対中外交のバックアップとなってくれるでしょう。

出典元 外務省 外交政策


 英国は今回の加盟を、経済成長や地政学的関係を後押しするものと認識。長期的に年18億ポンド(約3000億円)の経済成長を見込んでおり、他国が加盟すればさらにこの数字は増加する可能性があると予想している。
英国はまた、加盟により今後数十年にわたり地域の貿易ルール設定で役割を得られると考えている。これは英国や他の加盟国が高い貿易基準を確保するため、中国の将来の加盟を阻止する可能性を意味する。英国は声明で、TPP加盟に際して環境と食品の基準では妥協しないことを明らかにした。

出典元 Bloomberg 3/31

③ フィンランドNATO正式加盟 4/4


✅ フィンランドは3/30に、最後の承認国となるトルコにて、北大西洋条約機構(NATO)加盟の承認を受け、4/4に正式加盟となりました。

⭕ 永らく中立国を保ってきたフィンランドは、2022年のロシアによるウクライナ侵攻をうけ、加盟申請をしましたが、同時に申請したスウェーデンは承認に不透明な状態です。NATO加盟には加盟全国の承認が必要な為、結果的にトルコの承認が最後になったわけです。

⭕ トルコが両国の承認を渋ってきた理由は「クルド人問題」でトルコ内ではクルド労働者党(PKK)が「テロ組織」として取り締まりの対象となっています。クルド人勢力の一部は海外に逃れ、トルコ政府への批判を展開しており、その一部はフィンランドやスウェーデンに拠点を構えています。

⭕ フィンランドやスウェーデンは人権を重んじる国で、人道観点から、逃れてきたクルド人を受け入れ、トルコはこれを「テロリストを匿っている」と捉えております。その他の経緯もありフィンランド、スウェーデンのNATO加盟を拒否してきました。

⭕ 今回の承認にはトルコとフィンランドとの間になんらかの合意があったと思われますが、ロシアの隣国フィンランドは正式加盟でひとまずはといったところでしょう。

トルコ議会は30日、フィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟を全会一致で承認し、同国の加盟に向けた最後の障害が取り除かれた。フィンランドは31番目の加盟国となる。
  ハンガリー議会も27日にフィンランドの加盟を承認しており、トルコは現在のNATO加盟国の中で最後に批准した。
  フィンランドとスウェーデンの北欧2カ国は、約1年前のロシアのウクライナ侵攻を受けて軍事的非同盟主義を転換し、NATO加盟を申請。これに伴い、NATO内部の対立も浮き彫りになっている。スウェーデンの加盟申請についてはトルコとハンガリーが依然反対しており、加盟時期が不透明な状態だ。

出典元 Bloomberg 3/31



④ まとめ

⭕ 英国TPP加盟は経済成長経済安全保障だけでなく、軍事安全保障の強化にもつながる。日本の良いところ、どんな国とも付き合えるアジアの盟主として舵取りをして欲しい。そして、台湾のTPP加入の早期実現を目指す。

⭕ クルド人問題の話題はデリケートであり、簡単に解決する問題ではありません。まずは、目先のロシアへの牽制を一致させた結果のフィンランド正式加盟でしょう。

⭕ 日本も韓国との「既に解決している問題」は一旦置き、両国の安全保障を強化し目先の強権国家に備えるべきです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?