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西の父がしんだ(まだ生きてる)

記憶の中では自分が13歳から家庭内別居、大学入ったときに勝手に早期退職して母(現在絶縁中)と本格別居した父がいる。

就職してしばらくしてから1回だけ顔を合わせた。市の高齢者緊急連絡先に電話番号を登録させてくれというものだった。

まあそれくらいならとその時は軽く受けてしまった。

それから約20年、その時がやってくる。

「〇〇さんのご家族ですか?熱中症で救急搬送中につき〇〇病院まで来てください」

そこで違いますと言えない正直な自分に少し後悔したが、世間というか病院に迷惑なのだろうと向かったら幽霊のような人がいた。

クーラーもない部屋で食事の宅配サービスの人に発見されたらしい。

救急搬送先では入院ができずに山奥の病院へ転送。救急車に初めて乗った。
肋骨が浮いて水木しげるの兵隊さんみたいな現実感のなさ。

そして入院手続きの面倒なことよ。
保険証がまず持参されていない。親戚経由で地域高齢者センターにあるという情報が入り翌日取りに行き病院と往復。

病院では身の回りの品を病棟判断で買ってもらうカードを買ったり、入院着の申し込みで行ったり来たり。

そしてドクターからはこのまま居宅へ返すわけにはいかないと介護施設を見つけるよう言われ絶望的な気分になる。

父の実家で見つけられれば良かったが兄弟も高齢で受け入れ困難。自分の近くで探そうとすると有料老人ホームというのはあくまで老人賃貸アパートに介護サービスが中にあったり外から来たりするもので、身の回りの品やらを届けたりするという継続的な作業が発生すると知りさらに絶望。メンタルダウンに突入してしまう。
もうヤッチマウカ。と思うほど。

妻から私がやろうかと心配されてそういうわけにもいかんでしょと考えていたら、ふと弁護士とか金で解決できないかな調べてみると、手続きやら身元引受人やらをワンストップでやってくれるサービスを見つけた。怪しいとか使い込みが~という記事も同時に見つつ社歴や報道実績を参考にお願いすることにした。

で、ドクターからの退院前説明に同行してもらい、まさしくあとの「面倒」を見てもらうことになる。

ただドクターの説明でがん+多発肝転移でステージ4&予後は月単位というなんだかなぁという話が。まあ介護施設でなくホスピスへ方針変更し合祀まで請け負ってくれるサービスだからいいんだけど、少しだけ父という人の人生はなんだったのかなぁとも思った。


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