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「私は病気を辞めることにした」(めまい克服の認知行動療法)④

前回の記事でめまいを気にするあまりに、更にめまいの病気を誘発してしまったことを書きました。

少しでもクラっとしたりすると、大きな回転性めまいが来るのではないか、また嘔吐してしまうのではないかと、パニックも起こしていました。
その度にソラナックス(精神安定剤)を飲み、一日の上限服薬量を超えてしまっていた私は、薬の離脱症状にも苦しみました。(薬が切れてくると手が震える、動悸がする、息苦しくなるなど)

私は大学病院の精神科へ紹介してもらい、通うことになりました。
まず、先生と相談してソラナックスの依存から抜け出すことを目標にしました。
半減期(薬の血中濃度が半減する時間)が短いソラナックス(半減期14時間)から、メイラックス(半減期122時間)へと薬を変更しました。
そうする事で、過剰な服薬を減らせました。

そして、ソラナックスとマイスリーの依存から抜け出すことができました。

しかし、相変わらずめまいと嘔吐への恐怖はあり、鬱々としておりました。
子供の保育園で嘔吐下痢症や胃腸炎が流行ると、毎日子供に移っているのではないか、自分にも移るのではないか、吐いたらどうしようと考えて不眠になりました。

精神科の先生に相談すると、認知行動療法を勧められました。
認知行動療法という言葉は聞いたことがありましたが、具体的にはどんなことをするのかはわかりませんでした。
でも藁にもすがる思いだった私は、認知行動療法を受けることにしました。

認知行動療法は精神科の先生とは別に、臨床心理士の先生が担当してくれることになりました。

第一回目の認知行動療法では、アセスメント(人や物事を客観的に評価、分析すること)から始めました。

まず、CBT(認知行動療法)モデルという表を先生と一緒に作りました。

私のCBT(認知行動療法)モデル

こうして自分の症状を分析することによって、客観的な視点で自分の状態を知ることが出来ます。

次に、先生は当時のことを今この場で起きているかのように話すように私に言いました。これは正直きつい作業でした。生々しく倒れた当時のことが甦り、話しながら息が苦しくなり涙が出ました。なるべく思い出さないように蓋をしていても、たまにフラッシュバックすることがあり、上記のCBTモデルのような悪循環に陥っていたのです。

次に、先生は当時のことをその場にいた他人の視点で話すように言いました。私の視点ではなく、それを見ていた現場にいた人の視点です。
私は当時、その場にいた他の事務員の視点で話し始めました。
「平原さん(私)が、急に青ざめて具合が悪そうにしている・・・」
という風に、一部始終を他人の視点で話しました。
先ほどの自分視点よりは気持ちが楽でした。

次に、先生は今現在のあなたから当時のあなたに向かって話しかけてくださいと言いました。
「5年前の私が具合悪そうにしている。急にめまいがきて、怖いよね。お腹にいる赤ちゃんのことが心配だよね。でもあなたは死なないし、赤ちゃんも無事に産まれるよ・・・」
という風に状況と共に当時の自分に優しく語りかけました。

苦しい作業でしたが、自分に起きたことを俯瞰で見て状況を整理するには必要な過程です。
あくまで、私の場合ですので、自分一人でやらずに精神科や心療内科の先生、臨床心理士の先生にご相談されてくださいね。

次の記事では、外に意識を向ける練習について書きます。
長々とお読み頂き、ありがとうございました。

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