アフリカスタートアップの未来への架け橋!2023年の資金調達とエコシステムの進化
今回もアフリカ現地で話題のニュースを取り上げ、その記事をまとめた要約記事をお届けします!今、アフリカ各国で何が起こっているのか、一緒に勉強していきましょう!
さて今回はアフリカスタートアップの2023年の資金調達レポートから特徴と動向についてまとめてみました。
アフリカスタートアップの資金調達環境の変化
2023年、アフリカのスタートアップエコシステムは、資金調達において顕著な変化を経験しました。
前年比で見ると、資金調達額は4.6億ドルから2.9億ドルへと大幅に減少しました。
この減少は、世界的なベンチャーキャピタルの減速の影響を受けていると考えられています。
しかし、Briter Bridgesは、この減少が過大評価されている可能性があると指摘しています。
2023年は過去10年以上で初めて、アフリカのベンチャーへの投資額が前年よりも低下した年であり、多くの指標が5年前よりも高いことから、短期的な変動にもかかわらず、長期的な上向きのトレンドが続いているとの見方を示しています。
資金調達源の多様化と市場修正
アフリカのスタートアップは、エクイティ資金だけでなく、借入による資金調達にも目を向け始めました。
Briter Bridgesのデータによると、借入資金は1.2億ドルから1.1億ドルへと減少しましたが、借入取引の数はわずかに増加し、多くのベンチャー企業にとって代替となる資金源となっています。
この変化は、特にクリーンテック、モビリティ、農業、物流などのアセットヘビーなスタートアップにとって有益であり、彼らは自社のエクイティを希薄化することなく資金を調達する選択肢として、借入をより魅力的に感じています。
また、資金調達の大型取引も引き続き市場の資金調達額に影響を与えており、MNT-Halan、MKOPA、Sun Kingが100億ドル以上を調達し、Instadeepは6億8300万ドルで買収されました。
投資先の地域多様化とセクターの変化
アフリカのスタートアップへの投資は、従来の4大市場(ナイジェリア、ケニア、南アフリカ、エジプト)だけでなく、他の地域にも広がりを見せています。
2022年にはこれらの国々が資金の75%を占めていましたが、2023年には68%に減少しました。
ルワンダ、ガーナ、チュニジア、モーリシャス、セネガルなどが増加する取引活動を見せており、特にルワンダとガーナはそれぞれ8億5000万ドル、7億4500万ドルを調達しました。
また、フィンテックの資金調達シェアが56%から23%へと低下するなど、セクターの多様化も進んでいます。
クリーンテック、ヘルス、SaaS、モビリティなどがトップ5に入り、多くのスタートアップが金融ソリューションを自社製品に組み込む傾向が見られます。
女性創業者への投資とエコシステムの未来
アフリカのスタートアップエコシステムにおいて、女性創業者への投資は依然として進行中の課題です。
2023年には、女性のみで創業したスタートアップや女性が一人以上含まれる創業チームが調達した資金は全体のわずか2.3%に過ぎませんでした。
しかし、女性創業のスタートアップが調達した資金は、エクイティカテゴリーで25%を占め、全体のエクイティ資金調達の17%(3億9,200万ドル)を占めました。
このデータは、女性創業者への投資が増加しているものの、全体の資金調達額に占める割合はまだ小さいことを示しています。
アフリカのスタートアップエコシステムは、長期的な成長を続けており、資金調達環境の変化、地域およびセクターの多様化、そして女性創業者への投資増加など、そのダイナミックな性質を反映しています。
長期的な成長トレンドは依然健在!
アフリカのスタートアップエコシステムは2023年、資金調達の額が減少したものの、この変化は短期的なものであり、長期的な成長トレンドは依然として健在と考えられます。
資金調達源の多様化、投資先地域の広がり、セクターの変化、そして女性創業者への注目の高まりは、エコシステムが成熟し、より持続可能な基盤へと移行していることを示唆しています。
これらの変化は、アフリカ全域でスタートアップが直面する挑戦だけでなく、新しい機会も生み出しています。
アフリカのスタートアップエコシステムがこれからも進化し続けることで、より多様で包括的なビジネス環境が育まれ、世界的な市場での競争力がさらに高まることが期待されます。
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