自分を大切に扱う練習

次男(小5)は発達障害児。いろいろなトラブルに見舞われたり、生活のアレコレに不具合を抱えてしまう事が多い。

それは人格的な問題ではなくて、単純に順番や方法が間違っていたり、彼に合わなかったりしているだけ。いわゆる一般的な方法論が彼には当てはまらないことがある。ただそれだけの事。誤学習してしまったが為に起こるトラブルや不具合がしばしば。特に新しい環境に慣れる事が難しい一学期にはよく起こる。

人は他人に起きた失敗やネガティブな事に対して、「そういう人」と言って内面的、あるいは人間的に問題があると判断してしまう生き物だ。

一方で、自分の失敗やネガティブな事は疲れていたからとか、準備が足りなかったからとか、運が悪かったからなど、状況が悪かったと判断する。それは無意識的にそうする。そういう生き物。それが私達人間。誰でも自分には甘く人には厳しい。

そういう性質にできているから、生き延びてきた訳で、別にそれは悪い事でも何でもない。それくらい、生きるって事は大変なことが多いということ。

生まれ持った性質があって、教育として後から他人に対しても状況を加味して、寛容さを持てるように教えていく。

次男は不寛容さの攻撃を受けやすい。けれど、人格に問題などなくて一人の愛すべきすばらしい人間。

教育として色々なことを教えることができたとしてても、彼が彼自身の事を大切にできるようにならなければ、自己卑下一直線。他人からの評価というものは残酷な部分があると思う。けれど、他人をどうこうすることは難しい。そんなことよりも自分にできる事をすることで事態は好転する。

自分で自分の事を大切に思う気持ちは、自分で自分を大切に扱う事と直結している。行動として大切に扱うことから変えていく。
　
自分自身が気持ち良く生活できるように整える事や丁寧に扱う事は、自分自身を大切に思う気持ちを育てる上でとても重要なこと。

だから、親や先生や大人たちは、子どもたちが自分自身の事をいい加減にしているのを見つけると注意する。

子ども心にしてみれば、その注意を受けた事実のおかげで、ますます投げやりになったり反抗したりしたくなるだろう。

鶏が先か卵が先かどちらが先でも結果はついてくる。

注意された子どもたちからの「なぜ？」に答えられるように整理しておくと親は悩まずに済むと思っている。

最近の次男は一学期特有の新しい環境への対応に疲れているのか、単にめんどうなのか、特性上の問題もあるし、外野からのダメージも受けて、生活に対してとても、いい加減になっている。自分の事をとてもぞんざいに扱う。

ぞんざいに扱う事がさらに自己卑下に繋がったり、周りからの攻撃の対象になったりと、悪循環に陥る。ぞんざいに扱ってもいい人に認定されてしまうから。それは、自分からも他人からもそう思われてしまう。

外に原因を求めても、自分の見ている世界が良いものにはならないもんだ。もしもそれが上手くいったのなら、それは単なる偶然。偶然には再現性は無い。次の困難に出くわした時には抜け出せない。他人に何かしてもらうことや、幸せやラッキーやご褒美が空から降ってくることを待っていてもそうは問屋が卸さないし、他人のせいにして嘆いていても何も変わらない。自分でできる事を淡々とやるしかない。

例えば、いつもより丁寧に歯を磨く。カバンの中身を整理する。髪を整える。爪を切る。そういう小さな事、サボりがちでどうでもいいと思ってしまいそうな事や、適当に済ませてしまう事の行動を変えてみる。

自分の為に、自分自身を大切に扱う。大切に扱われたから大切に思う。大切に思うからまた大切に扱う。そうやって自分にちゃんと栄養を与え、休息をとり、大切な人として扱う。それは今すぐに自分でできる事。とても再現性が高く、いつでもどこでも直ぐに始められる。お金もかからないし、誰かの助けも要らない。周りからもぞんざいに扱ってイイヤツ認定を解除される確率が高まる。

猫たちはグルーミングを怠らない。いつも自分を大切に扱う。そんな猫たちをぞんざいに扱おうとは思えないものだ。

生活に必要な行動を身に着ける事がなぜ必要なのかの「なぜ」の1つに「自分を大切にする」が入っている事を次男に話した。やりなさい。と強制されるより、自分を大切にする事がどのような影響をもたらすのかを知ったほうが後々役に立つだろう。

彼は彼なりに好きな所から始めているみたいだ。これまでの方法を変化させたり、順番を変えたりしながら試行錯誤中。いろいろなチャレンジを報告してくれている(о´∀`о)うんうん。そうやって自分を大切に扱いながら、自分の心地よいやり方を見つけていくといいよ。それは幸せに繋がっているから。それを知っていれば何度だって立ち上がれる子になれる。

負けるな次男！

母ちゃんは応援しているよ。