見出し画像

「私と僕オト」巻頭言に代えて 〜私「の」僕オト〜

皆さま

初めまして、『僕とオトウト』上映委員会のハイカラ大学生、Lindaです。昨日監督から連絡があり、恐れ多くもこのnote運営の任を仰せつかりました。大いなる責任に荷も勝ちそうですが、実のところ無聊の徒然に何かをものすことは嫌いではありません。ですので、今日は楽しく皆さんにお話をお届けできればと思います。


まずは時候の挨拶を。少しずつ寒くなってきましたね、皆さんは体調を崩しておられませんか。私は毎日とてもルンルンしています。というのも実は、毎朝庭の紅葉の前に立って、まだ紅く染まらないなあってのんびり眺めてるこの時期がいちばん好きなんです。日焼けも気にしなくていいし、分厚く着込んだり静電気に怯えたりする必要もないし、誰かの背中をじっと見送ることもないので。

秋風のいい香りに誘われて、ふらっと出かけたくなります。今日はおろしたてのスニーカーを履いて花屋に行ってみました。薄紅の秋桜が、太陽とは反対の方を向いて咲いていました。さてはひねくれ者の秋桜だなあ、そう思うと他人事には思えなくて、頂いて帰ることにしました。こんなに感傷的なのは最近山口百恵を聴いているからなのでしょうか。


さて、私の四方山話はこのあたりにして。今私は記念すべきnoteの第一投稿を書いているわけですが、そもそもどうしてこのnoteを書くに至ったのか、今後どのようなことを皆さんにお届けするつもりなのか、その点をご説明したいと思います。

映画の感想を見る、読む、聞くことの楽しみ


ご存じの方も多いかと思いますが、映画『僕とオトウト』は現役大学院生の髙木佑透監督によって撮影されたものです。監督にとって映画を撮るのはこれが初めてのことでした。また学業やサークル活動と両立しながら撮影するということで、色々と大変なこともありました。

けれど、大学の授業で新しいことを目いっぱい吸収し、若い学窓の友たちと映画や本や音楽について活発に意見を交わし合うことが出来る今だったからこそ、毎日新鮮な気持ちで一つ一つのことに向き合うことが出来た、とニコニコしながら以前話してくれました。

監督が顔をくしゃくしゃにしながら映画の話をしているのを見ると、「本当に映画を撮ることが好きで仕方がないんだなあ」、「私もこの人と一緒に何かをしてみたい」と思ってしまいます。気づけば私も上映委員会に加わっており、同じように監督の愉しそうな顔をみて引き寄せられた学生が今ではたくさん集まりました。出身も大学も年齢もバラバラな私たち上映委員ですが、『僕とオトウト』をどうすれば多くの方にお届けできるか、この映画の素敵なところを自分の言葉でどうすれば上手く伝えられるか、夜更けまでああでもないこうでもないと楽しく議論しています。

それはさながら、上映委員会自体が一つの小さな映画館、ミニシアターで、皆で一つの映画を観て、各々が感想を熱く語り合うかのようです。

僕とオトウトB5表_トンボ無し_アートボード 1

そんな愉快な委員たちと監督とで活動を続けて行く中で、多くの学生から映画の感想を頂くことも多くなりました。自分の気づいていなかったことに気づかされたり、学生ならではの意見に感心したり、自分と似た感想を持った人を見つけて嬉しくなったり、いつしか感想を読むのが委員の楽しみであり、励みにもなっていました。そしてこの感想を私たちだけが読むのはもったいない、ぜひこの映画を楽しみにしておられる皆さんにも共有したいと思うようになりました。

どうしてこのnoteは生まれたのか

というわけで、このnoteでは、監督が自ら語る映画の舞台裏、私たち上映委員の大好きな本作の一場面や魅力、本作を観てくださった方々から寄せられた感想を皆さんにもお届けできればと思っています。

小説には作者独特の「語り口」があり、読者によってその受け止め方が様々なように、あるいは同じ読者であっても、それを読む年頃や環境によって毎回新しい声が聞こえてくるように、映画にもきっと「語り口」があるのではないでしょうか。学生ライフを送る髙木監督がこの映画に吹き込んだ「語り口」を、同じ年ごろの、様々な学生たちがどのようにして身体で受け止めたのか。真剣に現実と向き合いながら、同時にみずみずしさも失わず溌剌と輝くたくさんの生のビビッドな声を、ほんの一部でも皆さんにお届けしたいと思います。
 
映画がみせてくれるもの、それはスクリーンを遊弋する誰かの生の証であり、それを見ている私たちの生の肌理でもある、私はいつもそう感じています。コロナという大変な状況の中で、私たちは誰かと映画を観に行って、スクリーンに見出したものや胸の内に顕現したものを熱く語り合うことも難しくなってしまいました。

けれど、そんな時期だからこそ、このnoteという媒体を通して、誰かの生の肌理/温もりに触れ、今まで聞こえていなかった声、目に映らなかった景色、どこかから吹いて来る風の匂い、誰かのくしゃくしゃの笑顔に気づく機会になったならば、私はとても嬉しく思います。そしてもし気になる感想がありましたら、今度はぜひあなた自身の目でこの映画をご覧ください。お待ちしております。
                      

(文責:Linda)

【上映委員 タレコミ】
Lindaに岸惠子の話をさせると暴走するので危険

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「僕とオトウト」公式サイト https://boku-to-otouto.com/

お問い合わせ bokutootouto@gmail.com

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?