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航空・宇宙設計での「冗長設計」。職場の日々の伝達で使える(素敵なリーダーになりたい編_v4-15)

スアちゃんがやって来た。「ミスをしました。ボクさんがいつも言っている、例の「新宿駅西口問題」?でしたっけ、が起きました。説明不足というのか、先入観というのか。。。」

スアちゃんの説明はこんな。

代理店さん経由で弊社の製品が売れた。で、営業から出荷指示書が来たので、代理店に出荷した。もちろん弊社と代理店さんが契約関係。その先のエンドのお客様は代理店との契約関係。

で、通常の弊社の一般的な流れでは、請求は翌月上旬の代理店への連絡で、その同じ翌月末支払いをお願いする。けど、営業から「請求書を代理店にすぐ(できたら今週中に)”郵送”してください。データではダメとのことなので。今月に払いたい事情があるとのことです。」との依頼があった。出荷指示書とは別にメールされて来た、とのこと。

なので、代理店さんに製品を出荷するついでに、請求書を封筒に入れて、請求書在中ハンコを押して、その製品に同封した、とのこと。

そしたら、実は、見過ごしてしまったのだが、製品自体は、エンドのお客様に直接送るように、出荷指示書には書いてあったらしいのだ。そもそも契約関係は代理店だし、イレギュラーな運用である、請求書をすぐに郵送で代理店に送らなければ、ということに頭が捕われ、単なる勘違い・ケアレスミスなのだが、代理店に送ってしまったとのこと。

で、代理店側は、あれ、何でこっちに送られて来たの?と、そのままの状態でエンドのお客様に転送してしまった。つまり、代理店向けの請求書が、エンドのお客様にそのまま一緒に転送されてしまった。。。

代理店がいくら抜いているかが請求書を見られたらわかってしまう。請求書を入れた封筒は、出荷物に同封したため、封をしていない。中をすぐに見れる状態。

真っ当なマージンであれば胸を張ればいいし、エンドのお客様は請求書は見ていないよ、と言っているから、大げさに騒がなくてもと思ったりもするが、本当は見たかもしれないし、実はほぼ何もしないのにマージンだけ抜いている感を心に思っているからか、ちょっとご立腹な代理店。ま、こっちのミスではあるけど。。。

本件、不幸が重なった:
1.
代理店との契約だから、代理店に製品を送ると勘違い
2.
請求書をさっさと「郵送」して欲しいの指示が、その代理店に製品を送っちゃいけないのに、そうすべきとの勘違いを補強してしまう
3.
代理店が製品の中を見ないで、そのままエンドのお客様に転送した
4.
請求書の封筒に封がされていなかった

で、実は、スアちゃんは指示した側、だった。で、こう反省していた。

「請求書をさっさと送って欲しい」を依頼をする際に、「請求書は、代理店に、本紙を、”郵送”してください。データではダメなので”郵送”でお願いします。でも、製品自体はエンドのお客様に送るので大丈夫です。請求書は代理店宛ですが。」と言えば、よかった、と。

「待ち合わせは新宿駅西口です。東口ではありません。ビックカメラがある西口です。アルタがある東口ではありませんよ」手法をすればよかった、と。。。

飛行機の事故がなぜ起きるかを解説した本を読んだときに、なるほどと学びになった点がある。「冗長設計」という考え方。あるいは2故障許容(2つまで何か起きても3つ目があるから大丈夫)の考え方。あるいは、並列式バックアップの考え方。同じ機能を果たすべき機器を、並列的に、垂直的ではなく、3つ準備しておく、ということ。主系がダメになっても、従系があり、更なるバックアップの3つ目もある。「冗長」とは無駄の意味。普段は無駄だけど、コスト高、非効率だけど、何かのために、第二、第三のバックアップを準備しておくということ。普段は、無駄でいいんだよ!という考え方。

それ以来、仕事でも。そう心がけている。自分の指示で、誤解して仲間がミスをすることは自分の責任だ。適切に誤解・先入観をおこさないように指示すべきと考える。だらだら説明がうるさいんだよ。わかっているよ。無駄なことは良いよ、と言われるかもしれないけど、でも、説明をしつこくする。

Aを依頼するときに、Aを脳裏に残す説明を追記し、そして、Bでは無いことも補足する。「冗長設計」。

1.新宿西口だよ。
2.ヨドバシカメラのある方だよ。
3.アルタがある東口ではないよ。

「素敵なリーダー」: 自分の指示を仲間が誤解する。ミス、エラー、失敗。相手が悪いのか自分の責任か。自分の責任と思い、「冗長設計」で対処する。何かを依頼するときには、この指示で誤解しやすいことは何かを想定して、誤解を生じさせないように補足をする。そして、その誤解を明記して、それでは無いよ、とも伝える。相手を批判するのは簡単。でも、人間って誤解するんだもの。バタバタしていたら、思慮深い人だって間違えてしまうもの。だから、そんな状況を前提で、「冗長設計」でコミュニケーションしよう。なんて思っている。

こんな素敵なリーダーになりたいですね。

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