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教えて下さい34:リーダーは先頭?最後尾?(v5_もぐらさんの悩み)

8月4日。金曜日。「エンデュアランス 史上最強のリーダー シャクルトンとその仲間はいかにして生還したか。不屈の精神 エンデュアランス号、真冬の南極の海で座礁、絶体絶命を切り抜ける指導力はこの男に学べ」(アルフレッド・ランシング著、パンローリング社)を読み終った。

1914-1916年の話。自分ならすぐに死ぬ、そう思った。28名全員がよく生き残ったものだ。それを知っていてもハラハラだ。氷に挟まれエンデュアランス号は大破・沈没。28名は氷の上に取り残される。氷を進むも流氷は風に煽られ気まぐれ。目的の方向へは進まない。アザラシ食べ、ペンギン食べ。小さな船3隻で巨大な氷に挟まれる恐怖の中、荒れ狂う海に出る。海の方が進むからだ。ただし、零下、波をかぶり、凍え、身体に異常を来す。必死にオールを漕ぐ。手漕き。視界に無い陸地を探す。夜を明かすために氷に登るも一苦労。寝てる間に地面の氷に亀裂が入り、そして塞がれる。落ちたら、挟まれたら終わり。氷の上を諦め、氷に横づけして小さな船で荒れ狂う海で夜を明かす。やっと無人島に全員で上陸。しかし岩だらけ。潮が満ちたら終わり。住めない。超絶な疲労困憊の中、移動する。移動するしかない。

3名が522日後に目的地の人間が住む島に着く。しかし、やっとたどり着いてもひとがいるのは反対側。ぼろ船では潮の流れから反対側には行けない。今度は雪山を超える陸路の横断。道は無い。急斜面を登り・降り。やっと斜面を降りるもその先が無い。戻る。そんなことを繰り返す。後にも先にも、この島の横断に成功した探検隊はいない。が、死に物狂いで港(捕鯨基地)にたどり着く。助けを求め、すぐに船を準備し反対側に残した仲間3人を救いに行く。そして、他の無人島に残してきた仲間を助けに南極の氷・海に耐えうる船を借りる。が、3回失敗。3か月経過した後の4度目で無人島に残る22名を助け出す。

シャクルトン。すごいリーダーだ。仲間を見捨てない。不確かな中で腹決めして明確な指示を出す。自らが観察し、仲間の意見も聞き、判断。反対意見もまとめる。くじけない。諦めない。成功(生存)への執着。希望を運ぶ。助け合いを促進する。そして自らも動く。先頭に立ち、そして最後尾からも仲間を鼓舞する。「強さ」と「やさしさ」。

これこそ真のリーダー。ビジネスの危機”ごとき”でリーダーぶるなんて、と思ってしまった。

「ビジネスマンが「生存競争と言うとき意味しているのは、そういうものではない。それは、本質的に些末な事柄に勿体をつけるために聞きおぼえた不正確なことばである。彼の属する階級で、彼のしっている人が、いったい何人飢えのために死んだか~破産したあとでどうなかったか、破産したビジネスマンは、物質的な安楽に関するかぎり、破産する機会を持つほど金持ちになったためしのない人よりも、暮らし向きがよいということは、だれもが承知している。」(「幸福論」(バートランド・ラッセル著、安藤 貞雄訳、岩波書店)。

今日の悩みは ”リーダーならば、先頭に立ち、危険を承知で先頭を進むべき(脱落する者はいるかもしれないが)、なのか、最後尾から仲間を鼓舞し、全員をゴールさせるべき” なのか。

案1:
リーダーは先頭には立たない。一般的には。将棋も、チェスもそうだ。現実がそうだからゲームもそうなる。戦国武将もそう。指示するものは前線にいない。後方から、最後尾から、前線を鼓舞する。指示命令通りに動いているかを観察、監督、管理。朝鮮戦争なんてマッカーサーは日本でぬくぬく。そりゃ上手く行くわけない?! でも、ビジネスは「本質的に些末な事柄」ならば、恐れることなく先頭に立てばよいかなと。TOP営業して、現場も知って。森見て、木も見て。だから仲間は付いて行く。後方でぬくぬくしているなら、付いて行かない。一緒に走ってくれるから、先頭を走ってくれるから、だから付いて行く。

あるいは

案2:
登山はリーダーが最後尾(サブリーダーが先頭)説と、リーダーが先頭(サブリーダーが最後尾)説があるらしい。ボクは登山はしない。「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」(エリヤフ・ゴールドラット著、三本木 亮訳、ダイヤモンド社)のボーイスカウトの子供たちを率いての山登りの話は好きだ。リーダーが最後に位置し、全体を眺め、そしてなんと一番歩きが遅い人を先頭にし、抜かさないルールを徹底し、なぜ遅いかを観察し、より速く歩けるよう改善する。結果、チーム一体で、効率的にゴールできる。なるほど。リーダーは後方から全体を見て、ボトルネックを見つけ、改善し、スピードをあげ、時に方向を正す。やはりリーダーは、概念的ながら、後方に位置するべき。

ま、案1でも案2でも、どっちでも良いかな。ひとそれぞれ。第3の選択肢もありえる。人生に「正しい答え」無し。皆様はどう思われるかしら。

大切なのは:
1.
どっちか悩む/どっちもあり/変化する、そんな自分を知ること
2.そして、自分と違う他人がいても、差別せず受け入れること
3.そして、大切な家族/恋人/仲間が悩み、辛く感じるその時に、案1、2のどっちがより心を落ち着かせ、安心させられる温かい言葉になるかを考えてプレゼントすること

そんな風に思ったりします。皆様はどうかしら。。。

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