見出し画像

会社のロゴ、変える暇とお金があったら他のことに使うべし?(ベターアイデア? v3-9)

コーポレートロゴ、たまに変わりますね。

例えば、合併したら社名は変更されます。2社や3社をヨコに足しただけでも(三井住友銀行/三井住友フィナンシャルグループのような)新しい社名になるからロゴを作るのは当然です。他には、事業領域が変わって/増えて、会社名・ロゴ変更のケースもあります。Apple Computerからcomputerを消す。だってもはやコンピューターの会社じゃないもの。みんなコンピューターに縛られずクリエイティブに新商品を企画していこう!みたいな。あるいは、FACEBOOK以外の事業もたくさんあるから、それらを包含する会社名、Meta Platforms, Incに変える。ホールディングス的。

でも、会社名は同じ、事業領域との不整合も無いのに会社のロゴが変わる時があります。本当に必要なの?予算があるからいいの?無駄・非効率ではないの?誰かの趣味的な意思決定じゃないの?と思うことも。

noteも上場を機にロゴを刷新。会社名であるnote株式会社は同じ。サービス名のnoteもそのまま。そのコーポレートロゴでもありサービスロゴを刷新。みんな、新たな気持ちで、行こう!ということかしらね。「ノート」の「絵」を辞めて、書くだけじゃないあらゆる領域に進んでいくよ、というメッセージでしょうかしら。

もしかしたら、すでにnote以外の事業も多々あるのかも、今後予定されているのかもしれません。上場して多角化。Apple Computerからコンピューターを消してApple inc.になるような感じかしらね。あるいは凸版印刷から、印刷を消すような。。。

noteは「ノート」だから、”書く”というイメージに縛られます。他の領域に事業を多角化するにも”書く”に縛られる。でも「サービスのnote=note株式会社のnote」を変えるには現在のブランド認知・好イメージ(ブランド価値)を失う可能性が高く、かなりの開発コスト高になり、選択しずらいです。まだまだ事業は小さいともいえるからサービス名と会社名は一緒の方が効率・効果的でもあるのでしょう。noteは維持して、ロゴだけ変える。ただ、将来的にはデジタルの他のサービスも増えると、サービスのnoteは残って、note株式会社は変更されるかもですね。metaのように。

あ、なお、凸版印刷株式会社は、会社名にはこのように”印刷”は残っています。コーポレートロゴはワードロゴの「TOPPAN」で「印刷」は含まれていないです。大日本印刷も、もはや全く印刷業だけじゃないから「DNP」という同じくシンプルなワードロゴを使いますが、会社名は大日本印刷株式会社です。ま、会社名を変えるのは相当なカロリー消費しますし、意思決定しないですね、たぶん。歴史がありすぎます。だから当面変わらない・・・。

なお、noteはデジタルなサービスだからデザイン開発・運用費は限定的です。お菓子・冷食などの加工食品や飲料、コスメ、OTC薬品のいわゆるFMCGように多数の商品パッケージ(箱、包むもの)は無いし、店舗・支店・工場のような施設がある訳でも無いし、看板などの広告物がある訳でもない。ので、ロゴの変更コストは安上がりですね。デザイン開発費が主な経費で、そこまで費用はかからないですね。デジタル事業のデザイン変更は効率的です。

ただ、数百万(もしかしたらもう一桁?)はかかりそう。変更すべきタッチポイントはたくさんありますから。お金以外にも、変更の手間・混乱は生まれますし、もろもろの時間というお金はかかりますね。気持ち新たにがんばろう、と思う社員もいるでしょうが、めんどくせーという社員もいたりして。。。でも、このケースはとにかくロゴ刷新後の運用はかなり”楽”ですね。

さて、話は戻って、「安い・楽ならロゴ刷新しても別に良いのでは? どうぞご勝手に」と思う一方で、やっぱり、本当に必要なの?予算があるからいいの?無駄・非効率ではないの?誰かの趣味的な意思決定じゃないの?本当はなぜ?を考えてしまいます。何が目的なんだろう。。。

まず、そもそもこう思うということは、外部のひとには影響ない・意味は無い、ってことかなと思います。合併でもなく、新会社設立でもなく、事業領域の拡大でもなく、プロダクトのロゴでもなく、お店などを目立たたせるわけでもない、そんなコーポレートロゴの変更は、外部のひとには影響はほぼないです。

以前、SONYご出身のデザイナーさんが、SONYというワードロゴを、ちょっとだけ変えるのに、すごいこだわっている話をしてくださいました。残念ながら理解できませんでした。歴代のロゴを並べて比べると、今のが洗練されていると確かにわかりますが、ソニー商品には過去の歴代ロゴが付いている訳ではありませんし、ロゴで製品の本質は変わらない、と思ってしまって。

製品のプロダクトデザインやカラーは当然、大きく選択に影響しますが、ロゴはそこまで、と思ってしまう。あらゆるソニー製品の洗練されたプロダクトデザインを阻害しない完璧なSONYロゴであるとは思うのですが、SONY社員ではなく、そのコダワリについていけない。いち消費者としてSONY好きなだけのボクには理解できなかった。もちろん「理解」には、受け取る側の知的レベル・一定の知識が必要ですので、ボクのそれを超えた思想なのかもしれません。SONY社員でない外部の一般的な多くの消費者にはそこまでの”ロゴ・リテラシー”は無いはずです。

でも、でも、社内に対し、「みんな、こんなに私たちはロゴにこだわるよ。理解不能?いや、細部に細部にこだわるんだよ。一流になるよ。だから、デザインも機能も品質も流通も広告も何に関してもこだわるよ!手は抜かない。SONYはそんな会社だよ。」とのリーダーのメッセージになると強力です。たぶんこういうことですね。

だから、もっぱら社員向けだと思うのです。「会社のロゴを変えたよ。会社名は同じ。だけどロゴだけ変えた。なぜならね、過去との決別なんだ。これからはXXXっていうメッセージなんだよ。だから、みんなもXXXを心に、日々行動して欲しい。そうすると〇〇〇な未来につながると思うんだ!」

とリーダーが語り、共感をつくりだし、一体感を醸成し、モチベーションを高める。そのきっかけ、フック、シンボル。ただ、新しい会社のロゴがこの、XXXと整合・一貫していて、そう社員が感じられないと意味ないですけど。

それに、デジタルな世の中ですと、メッセージもロゴデザインも曖昧になりますね。だから社外の人からはロゴ刷新の意図がますます理解できない・感じられない、ですね。その検討・選択のプロセスも当然、参加していませんから理解は深まらない。。。

いずれにせよ、ロゴ刷新の目的は社内向けで、社内には大きな意味があるのだと信じます。ロゴ刷新は社内の思考・行動変容を促し、モチベーションを高めるために有効活用するのです。

会社は、予算が余ったから・予算を組んでいたから使おうぜー傾向があります。”部署”があるから本質的ではない不要な活動が生まれる本末転倒もあります。経営者の趣味(公私混同)で行われることも多々あります。

こんなくだらないことが営利組織でも普通に起きます。だから、ロゴ刷新もその可能性は常にありえますが、基本、大金なので、社内へのチカラ強いメッセージのため、と思いたい。

今日のベターアイデア:
コーポレートロゴの刷新。「へ、なんの意味があるの?経費の無駄じゃない?」、なんて外から見ると思うかもしれないけど、外向けじゃないのです。社員へのメッセージです。どうして変えたのか。何を意味しているのか。だから社員みんなにはどういう風に日々、思考・行動して欲しいのか。それを伝えるためのシンボル、フックなんです。だから、社員の皆様はそれを名刺やオフィスの看板やらで日々、目にしたら、意味を思い出し、それに沿って、向かって、活動できるといいですね。ロゴ刷新にお金使ったなら、社員の思考・行動・モチベーションを確実に変えたいですね。

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?