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叱る・怒鳴るの無価値。「平均回帰」に学ぶ(素敵なリーダーになりたい編_v4-40)

失敗したり、出来の悪い場合に、「叱る・怒鳴りつける」派か? いえいえ、誰にでもあることさ、と受け入れ、原因究明・解決志向、挑戦継続させるべく鼓舞する、つまり「やさしい」派か?

前者のひとも普通にいる。そっちの方が多い? 単に自分の感情をあまりコントロールできない(アンガーマネジメント的な)からか、自分も失敗するけど、それと他人の失敗を違うものと見ているのか。。。

そんなことよりも、おそらく、そもそも指導とは怒ることだ、と思っている気がする。怒らないとこっちが真剣であることが伝わらない、怒鳴らないと舐められる、厳しくしないとより良く行動しない、やさしくしたら結果がでない、叱ることで怒鳴ることで、次の結果が良くなる。誉めたら、だいたい、次は大概にしてダメになる。それが真実だ。だから指導に怒る・怒鳴るは必須だ、と。

でも、これは大いなる、大いなる、勘違い。

以下の本でボクは「やさしくていいのだ!」と気づいた、ものだった。昨日のnote用に以下の本を読み返していたら、そのページに再度出会い、ボクを変えてくれた本であったことを思い出したのだった。

「失敗を叱るより能力向上を誉めるほうが効果的~。この原則は、ハト、ネズミ、ヒトその他多くの動物実験で確かめられている。私が感動的な講義を終えると、ベテラン教官の一人が手を挙げ、自説を開陳した。~。うまくできたら誉めるのは、たしかにハトでは効果が上がるかもしれないが、飛行訓練生には当てはまるとは思えない。訓練生が曲芸飛行をうまくこなしたときなどには、私は大いに誉めてやる。ところが次に同じ曲芸飛行をさせると、だいたいは前ほどうまくできない。一方、まずい操縦をした訓練生は、マイクを通じてどなりつけてやる。するとだいたいは、次のときにうまくできるものだ。だから誉めるのはよくて叱るのはだめだ、とどうか言わないでほしい。実際には反対なのだから」(「ファスト&スロー」(ダニエル/カーネマン著、村井章子訳、早川書房))。

で、著者がこの教官に次のように反論する。これがボクの心に刺さったのだ。これは単なる「平均への回帰」なだけだよ、統計的な原則なだけ、だよと。怒鳴ったことの正当な効果では全く無いよ、怒鳴るは無価値よ、って。

つまり、平均より上手く出来た時だからこそ、教官に誉められる。でも、上手くできた次は、平均に回帰するから、相対的に下手になることが多い。逆に、ダメダメだった時だから、この教官に怒鳴られるけど、平均よりダメダメだったので、次は相対的に上手くできる。だから、誉めるのがダメで、怒るに価値があると勘違いする。単に、次は平均に回帰する傾向にあるだけなのだ。仮に、上手く行った時に叱り・怒鳴り、ダメダメだった時にやさしく誉めたとしても、次は平均に回帰。だから、この1回1回の失敗・ミス・過ち・下手などに対して、叱る・誉めるに意味は無いのだ。

つまり、失敗したり、できの悪い場合に、「叱る・怒鳴りつける」派は、大いなる間違い・勘違いを犯しているのだ。単なる平均回帰を叱る・怒鳴るに効果であると。

叱る・怒る・怒鳴る・イライラをぶつけることには、効果がなく、全く意味は無く、自分が単に怒りたいことが目的で、単に自制ができない幼稚なだけだ。身勝手な話。

それに、「叱る・怒鳴りつける」派は、「やさしく受入れて次に向かわせる方法」はしないから、こっちに効果がありえることを経験・認識できない。だから、永遠に怒りまくってしまう。だって、平均に回帰しがちだから。。。そして、中長期的な部下や仲間の成長すらも奪っている。だって、怒鳴るだけでは成長しない。少なくとも効率的・効果的には。”指導”者・”教”官の意味が無い。

中長期的に考えると、つまり「1回1回のミスやうまくできたの繰り返しである平均への回帰」ではなくて、より長いスパンで部下や仲間を成長させるには、失敗から学ぶことがより良いはずだ。一つの手法だ。

失敗から学び、次に活かし、克服し、成長する。社内でもこのラーニングを共有し、仲間が共に学び、成長する。この正しいループに、怒る・怒鳴るが、なぜ必要なのだろう? 不要にしか思えない。。。

叱る・怒鳴るではなく、何が悪いと判断できるかの原因を探し、こうするが良いと指摘する、あるいは、どうすればより良くなると思うかの意見を引き出す、他はどうやっているだろうかを学ぶ、それらをトライしてみる、落込んでいるなら自信を持たせ、鼓舞し、挑戦を愚直に継続。これらが大切だ、と思う。

ピグマリオン効果という言葉もあるように。次はできるよ、成長するよ、一緒に学んでいこうよ、みなのためにも学習しようよ、将来を信じた方ができるようになる。

ビジネスをするに、これらに反論の余地は無いと思う。原因究明し、仮説を検証するトライを続ける。心を鼓舞しながら課題を克服してもらう。つまり、怒る・怒鳴る・叱るではなくて。

つまり、単純に言えば、「やさしい」派こそが必要ということ。仲間・部下に学ばせる。リーダーも共に学ぶ。知見が増え、社内が成長する。人の成長が事業の成長であり、会社の成長。

「素敵なリーダー」: 自分もあやまち・失敗・ミスをおかす。ひとは誰もそう。挑戦すればするほど失敗する。仲間の失敗、過ちを寛容に受け入れ、未来志向になるよう鼓舞し、原因の究明に終始し、過去の過ちに捕らわれずに克服させ、次に進ませる。「寛容」、「鼓舞」、「究明」、「克服」のやさしさ4Kモデル。

あるいは、仲間が持つ課題・悩みに対し、関心を持ち、放置せずに声をかけて充分に傾聴し、まずは仲間の課題認識・気持ちに共感し、そして、解決に向けて手を差し伸べ共に取り組む。「関心」、「傾聴」、「共感」、「解決」のやさしさ4Kモデル。

こんな素敵なリーダーになりたいですね。


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