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人は自己満足の為だけに動く機械? 仮にそうでも皆で幸せになれる

noteでフォローしている方から教えて頂いて、
マーク・トウェイン著『人間とは何か』を読みました。
執筆は1903年頃とのことですが、現代にも通じる学びが多々ありました!


1.著者の妻がショックを受けた内容

訳者あとがきやカバー表紙には、この本のテーマは「ペシミステックな人間観」とあります。

マーク・トウェインの作品では、慈悲の大切さを謳った『王子と乞食』が好きなのですが、比べてみると確かに『人間とは何か』は悲観的・厭世的な印象が強いです。

訳者によると、この本を読んで著者の妻は「激しいショック」を受け、娘も「おびえ上がる始末であった」そう。そのためか、発刊されたのは執筆から3年後の1906年、妻の死後でした。しかも、発刊当初は匿名で、マーク・トウェインの名前で一般公刊されたのは、著者の死後だったそうです。

これほど1900年代初頭にはショッキングに受け取られた『人間とは何か』ですが、現代では普通に受け入れられそうです。というのも、心理学や経済行動学、脳科学、生物学などの発展によって、同著の人間観は今では常識となっている部分も多く、あまり違和感を感じません。

2.「ペシミスティックな内容」とは?

この本のメッセージを要約すると:
人間は単なる機械。内なる「わたし」なんて存在しない。教育や人間関係といった、外からの作用だけで精神的欲望が形成される。そして、この欲望を満たすためだけに行動する。人助けをしても、それは精神的な自己満足のため。「他の動物と違って人間だけが偉い」なんてことは全くない。

ペシミスティックな部分を引用してみると:

・人間を行動に駆り立てる唯一無二の衝動は、自分の心の満足をえたいという衝動

・人間の果たす義務なんてのは、要するにただ一つだけ、己の心の満足を求めるということ、そして自分でもいい気持ちになるという、ただそれだけ

・人間の善についてなんか、まったくの無関心~。関心ってのは、ただそれみずからの欲望を満足させるってこと、それだけ

・人間ってのは外からの作用でつくられる~、内からつくりだすなんてものはなんにもない

・われわれ人間ってのはな、みんなこうした実にアイマイな形で「わたし」って言葉を使っているんだ。

・「わたし」~を定義づけるとなると、たちまち困る。できんのだよ。

・所詮人間ってのは機械。~まったく自動的な作用にすぎん

『人間とは何か』マーク・トウェイン著、中野 好夫訳、岩波書店

3.悲観的だけど、明るい点も

とても悲観的に読める一方で、「人間は外からの作用だけでつくられる」けれど、その作用次第で、正しい人間にも不正な人間にもなりえると謳っています。

該当部分を引用してみると:

・人間って奴は~外からの教育の結果なんだ。生まれてから死ぬまで、たえずそれらは影響しつづける。~人間、カメレオンだってことこそ最大の幸福じゃないかな。

・正の方にしろ、不正の方にしろ、その可能性を伸ばすのは人間関係なんだな。その結果次第で、正しい人間にもなれば、不正な人間にもなる。

・人間のためになるようなものを選ばせる、そうした教育、訓練だけはできる~求めるものは相変わらず自己満足なんて、人間のためなんかじゃない

同上

4.『人間とは何か』から得る学び

「人間は機械」「外からの影響のみで動く」「自己満足のためだけに動く」とドライに捉えるのは寂しい気もしますが、その性質を有効活用できれば良いですよね。「人間はカメレオン」ならば、外から正しい影響を受ければ、正しい行動をするということですものね。

例えば、会社の仲間が「自信が無い」「元気が無い」「夢が無い」「挑戦心が無い」「やる気が無い」といった時に、外からどんな言葉をかければ、無いを有るへ変えられるでしょうか。外からどんな影響を与えれば、挑戦・行動する姿勢を引き出せるでしょうか。これを考え、実行することはまさに、リーダーの仕事ですね。

人間は機械、内発要因なんて存在せず、外からの影響で変わる。
このことをポジティブに捉えて、正しい方向へ活用していきましょう。

職場を良質にするコンセプトv6_13
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。


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