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『ノンブレス・オブリージュ』


今日はちょっとしたお話です。

世の中(や世の中の一部の人たち)への痛烈な批判、が面白いと感じることがある。少しだけ(まるで)他人事のように、「ああ可笑しいな、上手いな」と思うのである(実際ちょっと他人事、僕は社会を変える活動には興味がないので)。

本家様(ピノキオピー『ノンブレス・オブリージュ feat. 初音ミク』)


この曲は、そういう面白さを感じるもののうちのひとつで、カバーの方を先に知ったのだけど、原曲はボーカロイドのようです(ボカロ、つまり人ではない存在が歌うからこそより痛烈さが増して笑えてくるくらい。でもカバーもまた良いです)。

(もちろん、そういう「面白さ」を冷静に感じる一方で、生きづらさ、みたいなものを代弁してくれるような歌詞がちょうど気分に合っている日もあります。)

なんで急にこの曲の話になったのかというと、先日、僕がフォローさせていただいている方が、この曲を紹介されていたから。その方が紹介されていたのは花譜(かふ)さんというバーチャルシンガーの方のカバーでした。花譜さんというのはウィスパーボイスの素敵な方で、バーチャルシンガーの中でも特に歌唱力があると有名な方のひとり?だと聞いたことがあります(最近あまり聴いてなかったのだけど安定感が増している気がして、一層歌がお上手に…と思いました、余談です)。


(↓こちら、花譜さんへの愛が伝わってくる桜小路いをりさんの記事。こうして知っている方が紹介されていると僕も嬉しくなります、ありがとうございます)

↓花譜さんの歌う『ノンブレス・オブリージュ』


そうです、実は花譜さんのことも以前から知っていました。傘村トータさん(ボカロP)経由で知った方で、「あなたの夜が明けるまで」という、傘村ファンなら誰もが知る「明けない夜のリリィ」シリーズの第二曲目をカバーされています(他にもカバーされてるかもです。ちなみにリリィシリーズは「明けない夜のリリィ」「あなたの夜が明けるまで」「おはよう、僕の歌姫」「おはよう、僕の歌姫 -Happy End Ver.-」があって、ストーリー仕立てとなっています)。


とまあ話を元に戻すと、僕が「ノンブレス・オブリージュ」なる曲を初めて聴いたのは1年以上前で、超学生さんという歌い手さんのカバーでした。

*花譜さんのカバーを聴いた後にこちらを聴いていただくのが僕のおすすめです。全く違う曲に聞こえます。

↓超学生さんの歌う『ノンブレス・オブリージュ』

(僕が好きなのは『正当防衛と言ってチェーンソーを振り回すまともな人たちが怖いよ』のところです、超学生さんが歌うとすごく皮肉っぽくて好きです)



この方も一度聞いたら忘れないであろう声をお持ちの方で、なんと言っても歌唱力がすごいのですよね。この曲、「ノンブレス」というだけあって、ボカロにしか歌えないのではというくらい息継ぎ箇所がないのですが、この方のカバーはいくら聴いても息を吸う音が聞こえません、しかも全部音を繋げるように歌われています、どうやってるんでしょうね。息を吐きながら吸っているか(やり方があるのかもしれないけど知らない)、あるいはこっそり吸っているか。これを機に何人か別の方のカバーも聴きましたが、超学生さんと花譜さんは(メロディーラインが)一回撮りのような気がしますが、半数以上の方は、一部何度か重ねて(息を吸いつつ?でも原曲のアレンジに近づけているのかも)撮っているように思いました。…ともかく、おふたりの歌唱力すごいですね。

これは個人的な感覚なのですが、花譜さんが「社会の中に囚われた目線」で歌われているのに対して、超学生さんは「その社会を痛烈に批判する作り手側」目線で歌われているような気がすることもあります。これは超学生さんと花譜さんの他の曲でもきっとそうで、ウィスパーボイスで悲しみや苦しさを儚くも美しく歌い上げる花譜さんと、嘲笑や皮肉や憤りなどをハスキーに表現しきってしまう超学生さんの世界観の違いでもあるのだと思います。


と、「ノンブレス・オブリージュ」なんて音を初めて聞いた方は何が痛烈な批判か、という時点でそもそもハテナマークが浮かんでいるかもしれません。…という僕もこの曲から知ったのですが、「ノブレス・オブリージュ」という言葉があるようですね。ノブレス、は貴族のこと。オブリージュ、は義務、と言った意味合いで、「貴族の義務」つまりは「(高い)地位には(それ相応の)義務が生じる」といった意味があるようです。

それが、ノンブレス、になっていて、息が詰まるようなこの(腐り切った)社会で(平和を謳う)皆は幻想でも見てるんじゃないか、といった皮肉たっぷりの歌詞となっています(曲の雰囲気を含めたかなりの意訳)。

実はしばらく前にこの単語(ノブレス、の方)を見た覚えがあって(確認してみたら8月でした)。忙しいということだったので、その文脈ではノンブレス、の方が合っているな、と当時思ったのですよね(歌詞の内容とは合わないけど、息もつけないほど忙しいという意味で)。ただ本家はボカロですし知っている可能性は低いと思ったので、普通に(?)ノブレス、の意味のみで書かれているのだろうとは思ったのですが、ノンブレス、ならもっと面白いなと。

…という記憶を(別の方の花譜さんのカバー紹介を見て)思い出し、文章にしてみようかな、と思ったのでした。





パソコンの充電が切れてしまって(昨日充電したつもりがコンセントが抜けてた)、手持ち無沙汰だったので少しだけ書いてみました。公開は夜になってしまったけれど。


今日は河野裕さんの新刊『さよならの言い方なんて知らない。7』を買いに書店に寄りました。ついでに(?)ライトノベルの棚を覗いて(久しぶりに行った)聖なる街の一巻がないか確認してみたのですが、流石にかなり前の作品なので見当たらず(というかラノベの棚自体が少なくて今期放送中のアニメの原作がメインだった)。うーん、この機会に(ストーリーの復習兼ねて)読んでみようかなと思ったので、どこかで入手しようと思います。


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皆さま1週間お疲れ様でした。良い週末をお過ごしください。

(僕はがっつり8時間ずつバイトです、最近平日のシフトに入ってないのでね…皆さんもハロウィンのケーキとかどうですか?まあ個人的にはカボチャタルトとか手作りする方が楽しくて僕は好きですが)



おやすみなさい。穏やかな夜になりますように。



最後まで読んでくださりありがとうございます。読んでくださったあなたの夜を掬う、言葉や音楽が、この世界のどこかにありますように。明日に明るい色があることを願います。どうか、良い一日を。