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結局どこにも進めない僕の気持ちにもなって

僕の言葉は白々しい。きっと、誰にも届かないだろう、少なくとも君には。僕がたった3年で諦めてしまった距離。ぼろぼろになって傷ついて、泣いて諦めてしまった。あのこは17ねんもだなんて。僕の世界と君の未来線がまた重なるようになんて、僕の世界には君が必要だなんて。言い聞かせるだけで全部ごまかせる訳じゃない。あの子はすごい。でもあの子は嫌われてはいなかったよなあなんて。食の好みが合って会話が楽しくて、お互いに嫌いじゃなかったんだよね、きっと。ずっと友達でもいい、僕の世界に君がいるように。君が傷つかなければそれはそれでいいことだし。。


その通り。じゃあ僕は何に傷ついたんだろう。僕のなかで恋愛の棚か友情の棚か、どっちに仕舞えばいいかわからなくて抱えておくしかなかったこと?ごめんも言われなかったこと?ああ僕の好きは100%の恋愛じゃないんだねって、軽くてどうでよいいものだと思われたんだって感じてしまったこと?何で恋愛の好きがより大事にされるべきなんだ?いやいいんだよ、僕だって君には好きな人と毎日楽しく過ごしてほしいって思う。でもごめんも言わずに何となく「友達」を強調されて傷ついた、きっとなに言われても傷ついたんだろうってわかってはいるけれど。君にとって僕はきっと、堂々と無視される赤信号ほどにも存在しないのだろうね。
数ヶ月ぶりの、初めてそっちからくれた連絡だって、よかったらまた連絡くださいなんて言っておきながら。桜が綺麗だなんて雑談で僕は僕の世界から君が消えないようにと願った、そしたら君は自分は先輩と花見に行ったよと。ああ、君の好きな人って、きっとそのときの人でしょう?好きな期間も、それほど矛盾しないしね。
好きな人がいるなら女子と連絡取り合うなよ。お前にバレンタインあげたやつだぞ。変に絡んできてたじゃん。意味もない会話を続けてきただろ。面倒だったらそこで止めとけばよかったんだ。ねえそしたら僕はもう少し傷つかずにすんだんだろうか。僕は、君に何となく好きだと言ってしまったあとでも、君に届くはずのない言葉を押し付けたあとでも、まだ君と友達でいる資格がありますか。でもそうやって友達でいてもきっとまた傷つくのだろうね。
誰かを好きなときって、なにかにすごく傷ついたときって、他の誰の言葉も薄っぺらくて響かないものだよね。きっと僕の言葉もそうだろうって思ったから返事は要らないと言ったのに。結局、律儀に返信をくれる君の、聞き上手って言い換えたら心にもない相づちが打てるってことよねなんて、やっぱりくれた返信に例に漏れず傷ついた。悲しいときは悲しくない選択肢が選べない。。。知ってる。今の僕の前には悲しい選択肢だけが並んでいる。
やっぱり僕は僕自身を守るために積み上げてきた自分の価値観をぶつけて君が傷つくのが怖いし、君の本音じゃない言葉に触れては傷つくし、やっぱ本心じゃないよなって言葉の裏を疑って、疑った自分が嫌で、でも言えなくて。だけど言葉にしなければ何も解決しないことを知っている。、、、でも何も言わないのが正解、なんてことはないのだろうか、、?そんな声に迷って一歩踏み出せない。17年!そんなの僕には無理だった。君が幸せになっても傷ついても僕はずっと友達の位置で眩しさに眩まず、目を背けもせず、笑って声をかけ続ける決意や勇気や強さも全部ぜんぶ、きっと僕にはなかったのね。
でもこの好きは本物じゃないって思われてるよなって、ぐさりと刺さった棘が抜けなくて、これからも友達だよって、友達認定されてたんだって嬉しいのに傷ついた、結局どこにも進めない僕の気持ちにもなって。











僕の中の恋愛感情を取り出すとこんな感じになる。これがすべてではないのだけれど時々思い出したように現れて僕は、なにか優しい、大好きな音楽が聴きたくなる。夜の底冷えに消えていった言葉たち。



主に最初の段落について

先日、僕がとても好きな、何度読んでも切なくて綺麗な恋愛小説を読み返しました。その中の表現から取っています。親友の彼女に恋をした僕と、クラスの美少女。アニメに没頭できない自分に焦る僕。愛の総量の話。この人が好きだと全身が語っている、その横顔に恋をした。

いろんな場面で自分と重なる部分があって、年に1回は読み返しているかもしれない。


「ぼくの嘘」藤野恵美


*「わたしの恋人」から読んでもいいかもしれません。

最後まで読んでくださりありがとうございます。読んでくださったあなたの夜を掬う、言葉や音楽が、この世界のどこかにありますように。明日に明るい色があることを願います。どうか、良い一日を。