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言わずもガーナ_34_例によってRainy

8月中旬、ガーナは雨季の只中である。

教科書的な知識では、熱帯地域に降る雨はいわゆるスコール、突然の強い驟雨がほとんどと想像していた。
しかし実際にケープコーストの街に暮らすと、多種多様で色とりどりの雨模様に遭遇することができる。

雲の合間に弱い陽射しを残しながら肌を濡らす霧雨。
突風が木々を揺らし、雷鳴に山羊たちが怯える豪雨。
夜半に降り始め、一日かけて未舗装路を穿つ長雨。

日本語の語彙では表現しきれない無数の空模様がぼくの心を踊らせる。

そう、ぼくは稀代の雨男である。

典型的なエピソードは高校3年次。
畏れ多くも体育委員長を拝命したぼくは、球技大会、陸上競技大会、強歩大会とすべての体育行事で土砂降りの雨を降らせた。
ちなみに委員会内での判断により、すべての行事が荒天決行された。

その高校ではテニス部に加入しており、卒業後は部活OB会の役員をやらされていたが、テニス大会を開催しようとすると雨天雨天コロナ禍をはさんで雨天中止であった。

なお先輩隊員曰く、ガーナにおいても今年は例年より明らかに降雨が多いとのこと。
ここでもぼくの『念』が通用することは実証済みといっていいだろう。

なお、雨が降って困ることが主に2点。

ひとつはたまに泥濘を含んだ雨水が水道管に混入し、我が家に泥水を運んでくること。
次の写真がその例。

蛇口をひねると溢れでる泥水。
ブラッドオレンジジュースの出る水道管ではない。
ここは愛媛県ではなくガーナである。


ぼく「泥水しか出ないんだけど、水道管壊れてない?」
大家「おお、水の色が変わるのは放出系の証だ」
ぼく「水見式やってんじゃねーから! 最初からこの色なんだよ!」
大家「やれやれ、放出系は短気でおおざっぱ♠️」
ぼく「HUNTER×HUNTER知らなくても分かるネタにしろよ」

みたいに住宅設備に文句を言っても始まらず、また汚水問題を回避しようと水道局が送水停止してしまうことも多い。

水道インフラはアフリカ全体の課題なんだろうな、と実感する。

もちろん水道がまったく通っていない地域もあるが、そういうところの家庭は井戸や貯水タンクを備えていることがほとんどである。
地下水が枯渇しない限り断水とは無縁だけれど毎日の水汲みの手間がかかるので、どちらも一長一短だ。

突然の豪雨に逃げ惑う生徒たち

もうひとつの困る点は、雨が降るといろいろな活動がストップしてしまうことだ。

同僚が職場に出勤できないから仕事にならない。
先生も生徒も家から出られないから授業ができない。
露店が店仕舞いしてしまうから買い物ができない。
等々。

先日、先輩隊員の方々が主催する教員研修会(ワークショップ)のお手伝いに行ったときも同様の悲劇が起こった。
ケルヒャーの高圧洗浄機で街全体を掃除しているかのような土砂降りの雨が降り、プログラム進行を遅れに遅らせてしまったのである。

先輩方が準備を重ねてきたイベントに水をさして申し訳ないと思いつつ、そんな大切な行事にぼくを呼ぶほうが悪いとも思った。
ぼくはこういうメンタリティの雨男である。

海外協力隊員各位、
ぼくはまだ自分の『発』をうまく使いこなせないので、イベント等にお声がけいただく際はそれだけの覚悟、すなわち『制約と誓約』をもって臨むことをおすすめします。

何を言っているか分からない方は、HUNTER×HUNTERを履修してください。
ぼくのお気に入りはG•I編です。
えげつねえぞ。

各国政府関係者各位、
アフリカでは然るべき地域に赴き、旱魃に苦しむ人々を救いたいと思っています。
ぼくの『練』を見せる機会がいただければ光栄です。
皆様からのご招待、お待ちしておりますね。



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