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言わずもガーナ_42_性急セキュリティ


窃盗対策をセットでお届け


教頭「また窃盗に入られた・・・、防犯カメラをセットしてくれ」
ぼく「8個セットでお得になりますよ」

先だって防犯カメラを設置していた教室で貴重品の盗難が発生し、録画映像をチェックしたところ学校の警備員が犯人だと判明した。

この学校、シンプルに治安が悪い。

教室、職員室、学生寮、教員宿舎ほか、ありとあらゆる場所で盗難被害が報告されている。
生徒間・職員間の犯行の疑いもあれば、外部犯を手引きしている疑惑だってある。
ここに体罰やいじめやハラスメントが加わるのだから、まさに万人の万人に対する闘争状態である。

上述の警備員による一件と、それに続く一連の盗難事件を受けて教頭がカメラの重要性を認識し、学校敷地内に数台を増設することになった。

ぼくも喜び勇んで防犯カメラなんて設置したいわけではないし、教育的な観点から考えれば、生徒の啓発教化が先じゃないかとも思う。
日本の学校で校門以外の箇所に防犯カメラ設置しているケースは数少ないんじゃなかろうか。
生徒職員には各自の防犯対策をしっかりやれと伝え、当たり前だけど盗むな殴るなと教える。
こういうのが教育ちゃうんかとまずは思う。

ただこういう対立が春秋戦国時代の儒家・法家から変わらずあるのも事実である。
ガーナと比較して日本の犯罪発生率が低いのも、日本人の道徳心が特別優れているのか、街中に張り巡らされた防犯カメラ網のおかげなのか、警察や民間警備会社の能力なのか、判断はつかない。

道徳心だけでも、テクノロジーだけでも、制度だけでも、天下泰平は訪れないのだ。
生徒が安心して学び、教職員が安心して働ける環境を作るのも、ひとつのやりがいではなかろうか。

寮監「学生寮でのトラブルが多いから、寮内にもカメラ設置してくれ」
ぼく「グアンタナモ基地みたいになるけど、だいじょうぶ?」

世知辛いけども設置作業


というわけで久々に身体を張ったお仕事の時間。
およそ1週間かけて、校内のそこかしこにケーブルとカメラを設置して、校長室のレコーダーと接続する。

今日も今日とて安全第二。


なんで下にいるほうだけセーフティキャップかぶるんだ。
あとサンダルで作業すんな。

今回は作業範囲が広く、のべ1週間かけての仕事となった。
やっとこさ全てのカメラとケーブルをつなぎ終えて、校長室のレコーダーと接続する。
平社員のぼくは普段、校長に御目見えできないので貴重な機会である。

校長「我が家にも設置してもらえん?」
ぼく「(それ、業務命令ですか・・・?)」
同僚「はい喜んで!」
ぼく「牛角の店員か」

こいつカメラ部品の料金に上乗せして小遣い稼ぎしようとしてんな。
ぼくは手伝わんぞ。

録画映像をみんなでチェック。
もはや校内に死角はねえ、たぶん。

おまけ①W杯優勝おめでとう

校長室には金銀さまざまのトロフィーが並ぶ。
その一隅にテレビで見覚えのあるブツが。
配属先、FIFAワールドカップで優勝してた。

右端

おまけ②惨憺たるSun Tan

1週間におよぶ屋外作業に従事した結果、これまでになく肌が日焼けしてしまった。
街に出て歩いていると、知らないじーちゃんにいきなり
「カプチーノ!」
と呼ばれた。
ぼくの肌の色を指して言っているらしい。

コーヒーに泡立てた牛乳を混ぜたもの、それがぼくの肌色。
お砂糖やシナモンを加えると美味しい・・・。
でもケープコーストのどこで飲めるのか分からない・・・。

ぼくの肌色はカプチーノ。
泡を崩すタイミングがわからない・・・。


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