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言わずもガーナ_46_チャチくはないぜこのchurch②

ガーナでは日曜日の朝だからといって戦隊モノの視聴に明け暮れたり、朝寝をむさぼったりすることは許されないと前回述べた。
日曜朝はみんな楽しみ教会のお時間である。

今回は近所のバプテスト派の教会にお邪魔したときの様子をお届けする。
なおガーナのキリスト教も様々な教派に分かれており、カトリックおよびプロテスタント系の各派(メソディスト、バプテスト、長老派、ペンタコステほか)、そのほか新興系の教会が林立している。
ちなみにガーナが大英帝国の植民地だったためか、英国国教会やほかプロテスタント系諸派を母体とする学校や病院などの公共機関が多い、気がする、かもしれない。
ぼくの配属先もメソディスト系の教会が母体である。


日曜礼拝の朝


ガーナの人々の多くはかなりアバウトな時間感覚を持っているが、礼拝はだいたいにおいて時間通りに始まる。
9時開始予定で30分前くらいに着くと、なんか熱くなった信者の皆さんが演説を打っている。
英語でなくファンティ語でしゃべるので何も理解できないが、ノドを傷めないか心配。

9時にはおおよそ50人くらいが集まっており、その信者の子どもたちも別室で何やら有難い教えを授かっている。
日曜礼拝のはじまりである。

Rock & 聖歌

礼拝全体を通して、その約8割は歌とダンスで構成されている。
ステージにはロックバンドみたいな兄ちゃんたちが常に待機し、ご町内ののど自慢組が入れ替わり立ち替わり聖歌を歌ってストレス発散、いや祈りを捧げる。

ヨーロッパのほうでも礼拝にベースとキーボードが加わるのかとか、ボイパ部隊も必要なのかとか、その辺の細かい点は詳しくないので語れない。
ちなみにこちらはかなりの爆音でのお届け。

うるさい。

のど自慢ご一行とロックバンド

日本の葬式でお経を聞かされる時間とどっちがよいかと考える。
少なくとも参加している本人たちが楽しいのはガーナ式のカラオケ大会風礼拝ではなかろうか。
いや日本のお坊さんも「やっぱり観無量寿経のサビはたまんないぜ」とか思ってるのかしらん。

テンション上がりすぎて着席型のライブで立ち上がるやつら。

そんな爆音聖歌を聴いてるうちに感極まって泣き出してるおばちゃんとかもいる。

泣くな泣くな。
ここで泣いても貴様の人生は何も変わらん。
さあ立ち上がってぼくと一緒に小豆の先物取引を始めようじゃないか。
暗号通貨でもええぞ。

積極的に説教

牧師さんによる説教。

いちおう牧師さんっぽい人のお説教タイムもある。

写真にあるのは『ローマ人の手紙』で信仰義認論を説く箇所である。
プロテスタントって感じがするね。

と思っていたら翌週のお話は『サムエル記』にあるダビデ王とアブサロムの戦いについてだった。
あまり脈絡を感じないが、なにせ現地語で話が進んでいくので何も分からない。

お布施もOffset

最後にまた歌って踊って献金を集めて日曜礼拝は終了する。
月の献金総額を発表していたが、この教会では1か月で日本円にして8-9万円が集まるらしい。
これがひとりの収入であれば(ガーナ基準では)かなりの金額だが、牧師さんほか関係者がたくさんいて施設管理費用もかかってくる。
宗教者として身を立てるのもけっこう大変なんだろうなと思ってしまう。

なお、だいたいここまでで9時-12時半の3.5時間が経過している。

3.5時間って。
『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』が毎週観られる。
たしか劇場公開時は途中でトイレ休憩が挟まれた気がするが、こっちはノンストップで歌い踊っている。

疲れる。

牧師「クリスマスは予定あるんか」
ぼく「バイトのシフトが入ってて・・・」
牧師「クリスマスと年末年始は朝から日付変わるまで礼拝あるからな」
ぼく「日本人はケンタッキー食べて『明石家サンタ』観る決まりになってるから・・・」

ガーナの教会の過剰に賑やかな感じも嫌いじゃないが、やっぱりぼくはチキンバレルがいいや。

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