(7)腫瘍=爆弾抱えた暮らしの注意点!

手術までの待機期間

順番からしたら手術当日の話になるですが、一つ書き忘れてました!

腫瘍発見から手術までのあいだ、検査を重ねるために少し時間があります。私の場合はコロナ禍の影響もありました。万一アウトブレイクが起きた場合その病院もコロナ患者を受け入れなくてはならない可能性があったため、急ぎの手術以外は延期する方針があったのです。そのため緊急事態宣言の解除を受けて2020年6月上旬に手術日が決定するまで、3か月半も待つことになりました。

手術前の体調は

そのあいだは腫瘍が破裂しないように気を付けなくてはなりません。爆弾を抱えたまま暮らしているような気分です。日常生活はOK。運動は軽いジョギングまでしてよい、むしろ外出自粛生活で体力が落ちるほうが心配だからウォーキングでもしておいて、と言われたくらいでした。でも自転車に乗っていてちょっとした段差を乗り越えたときなんかに「腫瘍が揺れたかも?」というイヤな感覚があるのです。それ以外にもときどきお腹がつっぱるような、ピリピリとした痛みもありました。妊娠中にお腹が張るような感じです。

主治医から言われていたのは、小さな子供がいると、子供がぶつかってきたりして破裂する可能性があるから気を付けてということ。8歳と6歳の子供がいるので、子供たちにも「ママのお腹にぶつからないようにしてね」とよく言い聞かせていました。

破裂したらどうなるのか

腫瘍の中身は、開けてみなければわからないけども、悪性の場合はがん細胞を含んだドロドロした液体の可能性があります。もしそれが破裂してしまうと、お腹にがん細胞が広がってしまう。これが一番怖いケースです。

がん細胞でなくても、中身が膵液を含む場合も危ない。膵液=消化液なので、自分で自分の体を消化する「自己消化」が起きてしまいます。血管が溶けてしまえば大量出血ですし、他の臓器が傷む可能性もあります。

見えない腫瘍が破けたかどうか自分で気づけるのだろうかと不安で、先生に聞いてみたところ「もし破けたらものすごい痛みがあるでしょうから、すぐわかりますよ」とのことでした。

いまだから笑えるキック事件

うちの子たちは甘えん坊で、夜は6畳の和室に布団を3組敷いて、私が寝かしつけをしながら一緒に寝るというスタイル。小さな頃から激しい寝相に何度も夜中に起こされていました。でも最近はそうでもなくなってきて、やっぱり成長とともに落ち着いてくるのかなと思っていた矢先。息子の踵落としが私の腫瘍どまんなかにクリティカルヒット。熟睡していた私はウッと瞬間的にお腹に力が入って目覚めました。この腹筋ウッも、急に腹圧がかかるのは腫瘍によくないと聞かされていたこと。足が当たって、もしくは腹圧がかかって、腫瘍が破けたかも?と二度寝もできず落ち着かない状態で朝を迎えました。

先生が言っていたような明らかな痛みはないのですが、蹴られた前に比べると何だか様子が違うような気がする。もしじわじわと中身が漏れていたらどうしよう……。間が悪いことに、それが起きたのが土曜日の朝4時ごろ。平日なら病院に相談できるけれど、それもできない。決定的な痛みがあれば迷わず救急車でしたが、そこまで痛むわけではない。

これで破裂して死んだりしたら、子供の寝相が悪くて蹴られて死んだとか笑えるけど笑えない、いや子供の人生に暗い影を落としてしまう、などと考えて、子供には「偶然の事故だから仕方ないよ、気にしないで」となるべく負担にならないように話していました。

月曜の朝に病院に電話を入れて、もともと金曜に検査のみの予定があったところに診察の予定も入れていただきました。ひどく痛むわけではないけど、なんか変な気がするという状態のまま金曜を迎え、先生の診察。エコーで腫瘍の大きさを見て、腹水が出ていないか確認していただき、大丈夫とお墨付きをいただいて本当にほっとしました。

というわけで、腫瘍があるあいだは子供の寝相にも注意。ちなみにキック事件から退院後のいまも同じ和室・布団で寝ていますが、子供2人と私のあいだに丸めた布団で要塞を作って、壁を乗り越えさせないようにしてお腹を守っています。それでもときどき乗り越えてくるので、押し返しています。ごめん子供、でもママあの恐怖はもう味わいたくないのだ。

自分で自分の腹をグーパンチ事件

子供に気を付けなくちゃと思っていたら、日常生活にも盲点あり。空になったみかん箱を解体していたときのこと。みかんのダンボールって普通のと違って金属の太いホチキスみたいなのがついてるじゃないですか。あれを外そうとしてダンボールを引っ張ったら、外れた勢いで結構な力で自分で自分のお腹を殴ってしまった。「ええ~!?」驚いてお腹をじっと見つめて、気分的には松田優作ばりに、なんじゃこりゃあ。これで死んだら笑えるけど笑えない(2回目)。ドキドキしながら様子をみて、何事もなかったのでダンボール解体を続けました。ああ自分のパンチで腫瘍が破れなくて本当によかった。

お腹に腫瘍があるクラスタのみなさま、ダンボール解体にも要注意です。

次回こそ手術当日について書こうと思います。

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