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ゼロから株式投資を始めるなら全世界株式のインデックス投資でいいのではないか。

私が株式投資を始めてから1年3ヶ月が経とうとしています。ディスガイアRPGプレイ歴と同じです。投資を始めた目的は、いわゆる2000万円問題に対応するためと、なんだか趣味に使う支出が増えたのでそのぶん労働収入以外で資産を増やす方法に興味が湧いたためです。コロナショック後の株高の恩恵を受けて今のところは順調です。今のところはね。

「お金がない」と散財しながら嘆く人を見ては冗談まじりに「投資すれば?」と雑に回答することが増えましたが、その場で素面で詳しく解説することはあまりなく、我ながら無責任だなぁと思っていました。今回「#お金について考えていること」が募集されているのをいいことに、私がいろんな人のブログやyoutubeや書籍で学んで感じた投資についてのあれこれを一旦ここにまとめます。

所詮は1年とちょっと齧った程度なのでそもそも間違っている可能性があることに加えて、わかりやすくするために厳密には正しくない表現が含まれている点については予めご了承ください。

最初に私が個人的に辿り着いた結論を言ってしまいます。「投資を真面目に勉強したいわけじゃない」「数年後にいきなり資産を数倍にしたいわけじゃない」のであれば「消し飛んでも心穏やかでいられる金額を時価総額加重平均型株価指数に連動する手数料の安い全世界に広く分散された投資信託にできるだけ長期間突っ込んでおくインデックス投資がよさそう」です。

投資に馴染みのない方は「?????」となっているに違いありません。1年前の私がまさにそうでした。そもそも投資と言われるとディスプレイの前に張り付いて安いときに買って高い時に売るを繰り返す様子をイメージする人もいるかもしれませんが、それは投資手法のひとつにすぎません。安くなったり高くなったりを繰り返しながらも高くなっていく価値ある商品を選んで、売買することなく保有し続け、恩恵を享受し続ける投資手法もあります。働きながらやりやすいのは後者です。そんなことも念頭に置きながら、少しずつ紐解いていきましょう。

まず押さえておかなければならないのは、株価は上がることもあれば下がることもあるということです。そしてそれは予測することができません。やってみたけどマジでわからん。その結果、投資は預金と異なり、元本を割ってしまうことが起こりえます。ということは、生活に使わなければならないお金や直近使う予定のあるお金は投資に回してはいけません。使う予定がなくても投資に回していいのは消し飛んでも心穏やかでいられる金額までです。

消し飛んでもいい金額でどの株を買えばいいのでしょう。答えは残念ながらわかりません。わかれば誰も苦労はしません。オレンジを買えばいいのかリンゴを買えばいいのかブドウを買えばいいのかわからない。だったらフルーツ盛り合わせを買えばいいじゃない。個別の株をひとつのフルーツとしたならば、投資信託はフルーツ盛り合わせを指す言葉になります。自分でフルーツを選んで数を考えて仕入れる必要がないので便利です。

どんな種類のどんな数のフルーツ盛り合わせがいいのでしょう。残念ながらこれもわかりません。だったらリンゴが人気のときはリンゴが多めに、オレンジが人気のときはオレンジが多めに、数学的な計算に基づいてフルーツの種類と数を勝手に組み合わせてくれる盛り合わせでいいじゃない。これが「時価総額加重平均型株価指数に連動する投資信託を使ったインデックス投資」になります。

「時価総額加重平均型株価指数」というと耳慣れないかもしれませんが、「東証株価指数TOPIX(とぴっくす)」や「NASDAQ(なすだっく)」と言われるとNHKのニュースの円やドルの為替の流れで聞いたことがある人もいるかもしれません。「TOPIX」は日本の、「NASDAQ」はアメリカの複数の銘柄から算出された指数になります(雑に調べると「時価総額加重平均型株価指数」で単純計算するとうまくいかないところがあるので最近はその亜種である「浮動株基準株価指数」を採用するのが主流だそうです)。NHKのニュースで流れていることからも察しがつくように、これらは日本やアメリカの景気を示す指標のひとつとして使われています。「TOPIXに連動するインデックス投資」と言われれば日本の景気に合わせて数学的な計算で上下する投資ですし、「NASDAQに連動するインデックス投資」と言われればアメリカの景気に合わせて数学的な計算で上下する投資になるわけです。

どの指数と連動するインデックス投資がよいのでしょう。これも残念ながらわかりません。「同じカゴに卵を盛るな」というのは投資の勉強をすると耳にする格言です。ひとつダメになると全てがダメになるという意味で、フルーツ盛り合わせの例に戻れば「リンゴばかり買うな」ということになります。これは個別のフルーツに限った話ではありません。リンゴが寒波でやられたならば寒波に弱いフルーツばかりじゃ全滅です。「柑橘系ばかり買うな」「南国系ばかり買うな」といったようにフルーツのバラエティは豊富であるに越したことはありません。例えば国という観点。今は少子高齢化が叫ばれ未来展望が明るいとは言い難い日本の指数に連動させるのがよいのか。今は世界の資本主義の経済の半分くらいを支えて好調なアメリカの指数に連動させるのがよいのか。ヨーロッパは? インドは? 中国は? ええい、数十年先の未来はさっぱりわからん! だったら対象国もバラエティ豊かに盛り合わせて「全世界」にしてしまえ! というのが全世界株式のインデックス投資です。

ここまでの話を一言で整理すると「余剰資金を世界の景気の波に乗せろ」になります。余剰資金が出るたび波に乗せたらあとは「世界の景気がよくなりますように」とお祈りするだけです。他にやれることはありません。世界の景気を歴史的を振り返れば、ドットコムバブルやリーマンショックやコロナショックなどの大暴落を何度か経験しながらも立ち直り、実態はさておき少なくとも株価はじわじわと右肩あがりに上昇しています。資本主義が続く限りこの傾向は変わらないと信じています。ここはこれまで「わからない」を連呼している私が唯一わからないなりに信じなければならないところです。ここが信じられない人は株式投資にあまり向いていません。もっとも、序盤に押さえたことを守っていれば、信じていなくても、信じて裏切られたとしても、日常生活を脅やかす大きな問題にはならないはずです。心穏やかでいられる金額しか投資に回していないはずなので。

とはいえ一応増やすために一定のリスクを冒して投資していることから、極端な話、投資信託に預けた翌日に暴落が起きたりするとビックリしてしまいます。人間だもの。このとき心理的にやってしまいそうなのはビックリした勢いで現金に戻してしまうこと。現金に戻した瞬間に損失が確定します。ここは慌てず騒がず暴落したことを忘れてじわじわ戻るのを待ちましょう。暴落時に余剰資金が手元にある人の中にはバーゲンセールだと言いながら安くなった値段でむしろ買い増す人もいます。リンゴの価値が一度大きく下がった後に戻るかどうかはわかりませんが、バラエティ豊かなフルーツ盛り合わせなら他のフルーツがだいたいなんとかしてくれます。だいたい何とかなるために必要なのは時間です。いつ暴落がくるのかわからない以上、正確に暴落前に手を引くことはできません。元本割れの確率を下げるためにできることは、バラエティ豊かなフルーツ盛り合わせを、暴落を恐れず、或いは恐れる必要がなくなるほど、長期に渡って保有し続けることになるのです。

手数料にも触れておきます。フルーツを勝手に盛り合わせてもらえると便利な一方で手数料が発生します。わからないことだらけでコントロール不能な投資の世界で「手数料」は数少ない自らの手でコントロール可能なわかる部分です。資産を委ねる前に手数料をよく確認しましょう。ボッタクリ投資信託、未だにあります。インデックス投資は数学的な計算で機械的に出せることもあってか手数料が安めであることが多く、投資信託で手数料0.1%前後であれば良心的です。

これで「消し飛んでも心穏やかでいられる金額を時価総額加重平均型株価指数に連動する手数料の安い全世界に広く分散された投資信託にできるだけ長期間突っ込んでおくインデックス投資がよさそう」をすべて説明しました。

最後に「投資を真面目に勉強したいわけじゃない」「数年後に資産を数倍にしたいわけじゃない」であればという但し書きについても説明します。

今回私が紹介した方法は20〜40代の人が働きながら老後資産に困らないように20〜40年かけて資産形成をするのに向いている方法であって、「数年後にいきなり資産が数倍になって」仕事を辞めて遊んで暮らせる方法ではないです。すぐに資産を増やしたい人はハイリターンを目指して元本割れ上等のハイリスクを取るしかありません。

世の中には自身の好みや独自の理論やフィーリングでフルーツの種類と数を選んでいる人がたくさんいます。今はマンゴーが流行ってるからマンゴーが買い! とか。これから柑橘系の時代がくるはずだ! とか。このような投資を楽しんでいる人は投資が手段ではなく目的で、投資について真面目に勉強していて、投資のことが好きなんだろうなと思います。株主優待で有名な桐谷広人さんもたぶんそう。いろいろな分析をしてみたり、いろいろな会社の決算書を読んでみたり、そこそこの時間を投資関連に費やしているんじゃないでしょうか。それでもほとんどの人は数学的な計算で勝手に導かれるインデックス投資の成績を上回れないという話もあります。「投資を真面目に勉強したいわけじゃない」のであれば尚さら上回れるわけがありません。まずはインデックス投資で十分じゃないでしょうか。世の中に溢れる様々な投資手法を否定する気は毛頭ありませんが、買ったり売ったり管理したり複雑になればなるほど難しすぎて初心者がいきなり手を出すものではないのかなと思います。

投資は自己責任でというお決まりの免罪符的なセリフを残しつつ。数十年後に世界の景気がよくなっていれば私の資産は大きく増えているし、景気がよくなっていなければ私の資産はあまり増えていないことでしょう。株式投資の中ではかなり保守的な方法なので減りはしないと信じていますが、こればっかりはわかりません。

そして、減る可能性がゼロではない以上、個々人の懐事情を知らずに万人に勧めることもできません。ただ「余剰資金はあるけどこのまま預金でいいんだろうか」と考えていた人が、本項を読んで投資に興味を持って、もう少しあれこれ調べて証券口座を開いてくれて、積立NISAから始めてくれたら嬉しく思います。

証券口座を選んで開くところがいちばん腰が重くてめんどくさいのだけれども。

余談
ブログやyoutubeで投資について定期的に発信することを考えた場合、インデックス投資1本では困ってしまいそうです。なぜなら誰がやっても内容が同じであんまり提供できる独自のネタがないから。

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